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俺・プリンセス  作者: 風鈴P
第3章 アスカの旅立ち編
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第23話 冒険者デビュー

「ケヴィン、今日これから出かけようと思うんだけど。」

アルフレッドがコーヒーを飲みながら新聞を読んでいたケヴィンに話し掛けた。

「ああ、構わねえが、どこに行くんだ?」

「うん、冒険者ギルドにね。」

「なるほどな。お前もこれからはある程度稼がなきゃならねえ。実力がある奴は冒険者になるのもいいだろう。」

ケヴィンは頷いた。

「でもよ…、アスカも連れていくのか?」

「うん。アスカ自身の希望でもあるし、やってみてだめなら諦めもつくだろ?」

「そうだがよ…。冒険者には危険が付いて回るんだ。命を失うかもしれねえ。」

「でも、アスカは意地でも僕について来ようとするだろ? なら一緒さ。」

「うーむ、それはそうなんだが。」

ケヴィンが腕組みした。

「ねえ、アルフレッド! 俺、準備できたよ!」

俺は話している二人の間に割り込んだ。

恰好はいつもの白魔○士風ローブだ。グー○ル先生で画像検索でもしてくれればいいと思う。

「はいはい、じゃあ行ってくるよ。ケヴィン。」

「行ってきまーす。」

「ああ、気を付けろよ。」

俺達は宿屋を出た。




冒険者ギルドのマルゴワール支部は市場の先だ。宿屋から遠くない。

俺達は市場を抜け、冒険者ギルドの建物の前に来た。

こじんまりとした建物だ。

「さあ! 入ろう!」

俺達は扉を開け、中に入った。

内部は冒険者ギルド特有の殺伐とした空気は無く、のほほんとした印象だ。

「あら、お嬢ちゃん。どうしたの?」

受付のお姉さんが話しかけて来た。

耳が長い。これは、ラノベで読んだ長耳族というやつか?

「俺…じゃなかった。私、冒険者になりたいんです!」

「あら、そうなの? となりのあなたも?」

受付のお姉さんは微笑んだ。

「はい。僕も冒険者登録に来ました。」

「分かったわ。こちらにいらっしゃい。」

お姉さんが俺達をカウンターに招いた。

「ここに名前、年齢、出身地、職業、得意技・魔法を書いてね。」

お姉さんが俺達に紙を差し出した。

カキカキ。

俺とアルフレッドは登録用紙を書き始めた。

「んー、ねえ、アルフレッド。俺、職業何にすればいいんだろう?」

「魔法使い、で良いんじゃない? 僕は魔法使いって書いたよ。」

「でも、魔法は詠唱できないし、良いのかな? 得意技とかも。」

「最初はそんなもんだよ。」

「そか…」

ま、適当に書けばいいか。

俺は適当に書いて、用紙をお姉さんに渡した。

「はい。アスカ・エール・フランクールさんね。歳は16? もうちょっと若く見えるけど。」

「そのうち成長するんですっ!」

俺はむくれた。

「はいはい。2年後を楽しみにしてるわ。それで、あなたはアルフレッド・フランクールさんね。同じ姓だけど兄妹?」

「いえ、何と言うか、僕は友達以上になれたらいいと思ってます。」

「はいはい。楽しみにしているわ。それじゃ二人を冒険者として受け付けます。最初は最下層のEランクから始まります。今後こなしていく仕事の成否でランクアップが可能です。そこに現在依頼されている仕事を見ることが出来ますが、自分の身の丈に合った仕事をしていくことをお勧めします。また自分のランクより二つ以上上のランクが対象の仕事を受けることは出来ません。またあくまでも仕事を受けるのは自己責任です。怪我や、命を落とすことになってもギルドとしては一切責任は負いません。分かりましたか?」

うん、大体ラノベで読んだ通りだ。

「はい! 頑張ります!」

「お姉さんは貴女みたいに元気な子は大好きよ。頑張ってね。」

「ありがとう!」

俺はお辞儀をした。

「そうそう、最初だし、この仕事はどうかしら? Eランク対象で、易しい仕事よ。」

お姉さんがチラシを取り出した。

「えっと…」

「はい、この仕事受けます。」

俺がチラシを見ようとすると、アルフレッドが即答した。

「え、内容見ないの?」

「最初は何でも良いじゃないか。簡単らしいし。」

「うーん、そうだけど。」

アルフレッドは意外と無計画なのかな?

「じゃあ、手続しておくわね。」

お姉さんがスラスラとサインをした。

するとチラシが光って消え、近くに置いてあるカードが光った。

「これがあなた達のの冒険者カードよ。仕事を受けると受けた仕事のコードナンバーがここに書かれるの。成功・または断念で消えるわ。ランクアップとかも自動で行われるからね。」

俺はカードを受け取った。

冒険者カード。これで俺も冒険者だ。

最初はひよっこだけど、これから頑張っていこう!

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