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俺・プリンセス  作者: 風鈴P
第2章 王国騒乱編
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第19話 姫の救出

ドン!

部屋の外で物音がする。

何なんだ。俺は静かにしていたいんだ。

外で暴れるのはやめてくれ。

ガチャガチャ…、バン!

鍵をこじ開ける音の後、扉が開いた。

入ってきたのは…誰だ? 髭もじゃのおっさん…?

姫様(アスカ)!?」

「ん…、誰?」

俺はおっさんを見ながら答えた。

するとおっさんはハッとしたような表情になった。

「変装を解くぞ…」

おっさんは後ろから入ってきた冒険者風の男に言った。

すると、おっさんが…アルフレッドに変わった!

「アルフレッド…?」

姫様(アスカ)、ご無事でしたか!?」

アルフレッドが笑いながら言った。

「アルフレッド、何であなたはここにいるの?」

俺は手を伸ばした。

「まだ一人じゃ立ち上がれませんか? 相変わらず体力無いですね。」

アルフレッドが俺の手を取り立ち上がらせる。

この手の温もりは、間違いなくアルフレッドだ。

「あ、あ…」

俺はよろよろとアルフレッドに近づいた。

「アルフレッド…! 俺、俺、とんでもないことを…! 俺の魔力で放たれた魔法で…!」

俺は泣きながらアルフレッドを抱きしめた。

「はいはい。その事はあとで聞いてあげます。今は…ここから出ましょう。」

アルフレッドがにこっと笑った。

「全くだ。言った通り、人払いの魔法の効果時間は長くないんだ。お前たちはさっさと脱出しろ。」

冒険者風の男が言った。

「アルフレッド、この人は?」

「僕の仲間です。詳しくはここから出たらお話ししますよ。」

「うん…、分かった。」

俺は頷いた。

「よし、俺と仲間はちょっと用事を済ませてくるから、姫様とアルフレッドは先に行っていてくれ。ロイ、先導してやれ。」

「あなたは僕達と行かないのか?」

「俺は元々この城内に用事があったんでな。お姫様の救出はついでさ。」

冒険者風の男は肩を竦めた。

「合流場所はあの酒場だ。さあ、お前たちは先に行け。こういうのは潜入より脱出の方が大変なんだからな。」

「分かった。後で会おう。」

俺達は冒険者風の男と別れ、アルフレッド達が潜入してきた水路へ向かった。




「城内にこんな水路があるなんて…」

俺はじめじめとした水路内を見渡しながら言った。

「僕も長年城にいましたけど、知りませんでしたよ。」

『そうですね、私も侵入者である君達がこの水路を知っているとは意外でした。』

この先の暗がりから声が聞こえた。聞き覚えのある声だ。

「誰かいるな。」

ロイが呟いた。

「この声は…」

アルフレッドがランタンを掲げた。そこにはブレーズがいた。

「ブレーズ先生! ご無事でしたか…!」

俺は前に出ようとした。

「待って…!」

アルフレッドが制止する。

「アルフレッド?」

俺はアルフレッドの横顔を見た。

「ブレーズ先生。あなたはなぜここにいるのですか?」

アルフレッドが少し強張った表情で言った。

「いえね、私も混乱に乗じようと…」

「…それは変ですね。まだ人払いの魔法の効力があるはずです。魔法の効果に抵抗(レジスト)出来た人間以外に、気付かれるはずがありません。」

ブレーズの顔から笑みが消えた。

「ふむ、アルフレッド君。やはりあなたは優秀です。とても奴隷の出とは思えない。ですが」

ブレーズの表情が恐ろしいものに変わった。

「…まだ姫様を連れ出されては困るのですよ。レオポルド殿下にはあの魔導砲の力で天下を取っていただかなくでは…ね。」

ブレーズが炎熱魔法を繰り出した。

これはアルフレッドが使っていた光焔劫火(フラッシュファイア)だ。

だが、威力はまるで違う。

姫様(アスカ)、僕が掛けていたネックレスを握って魔力を込めて。」

「え…?」

「それは光の魔導具だ。いいから早く。」

俺は言われるまま、ネックレスを握って魔力を込めた。

眩い光が俺達を包んだ。

光焔劫火(フラッシュファイア)が光に当たると、魔法が拡散されていく。

そして、完全に消え去った。

「馬鹿な、そのネックレスは光の盾の効果があるのか…?」

ブレーズの表情が変わった。

姫様(アスカ)、風の短刀は持ってますね?」

「うん。」

「僕がブレーズ先生に攻撃に出たら、魔力を込めて前へ。ロイさんは出来れば遅れずについてきて。」

「分かった。」

「光の精よ、我が手に集い聖なる剣で敵を討つ力を与えよ。光の剣!」

アルフレッドの右手に、光り輝く剣が造られた。

「行きますよ!」

アルフレッドは一気にブレーズに接近する。

俺も風の短刀に魔力を込めて、前に出た。

「ちっ!」

ブレーズが杖を構えて、魔法を詠唱しようとした。

その瞬間を逃さず、アルフレッドが光の剣を振りかぶった。

剣はブレーズの前の地面に突き刺さり、光の剣から眩い光がさく裂した。

ブレーズは腕で顔を覆い、屈み込んだ。

「二人とも、このまままっすぐでいい。止まるな!」

眩しくて前が見えにくいが、俺は止まらずに進み続けた。

俺達はブレーズの横をすり抜け、突破することに成功した。

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