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俺・プリンセス  作者: 風鈴P
第2章 王国騒乱編
14/121

第14話 クーデター

兄、レオポルドの動きは非常に迅速であった。

彼の軍隊は瞬く間に要所要所を制圧していく。

入念に計画され、訓練されていたのだろう。




~玉座の間~

レオポルドが兵を引き連れ、玉座の間に入った。

「来たか、我が息子レオポルドよ。」

ヘンドリクセン王は頬杖をついたまま言った。

「父上に置かれましてはご健勝のこと、真に喜ばしく思います。」

レオポルドが慇懃丁寧に礼をした。

「ふん、皮肉を言いに来たのではあるまい。」

ヘンドリクセン王が不機嫌そうな顔で言った。

「父上ほどの方が俺の動きに何も手を打てぬとは、やはり老いたようだな。」

レオポルドがニヤリと笑った。

「さて父上、政治的にどうであれ、あなたは私の父です。命乞いをしていただければ、お命だけはお助け申し上げますが…」

「儂が貴様なぞに命乞いをすると思っているのか?」

「ははは、当然思っておりません。」

「さもあろう…な!」

ヘンドリクセン王は杖を握って立ち上がった。

その瞬間、杖が眩く光り、大きな炎が放たれた。

地獄の炎熱魔法(ヘルファイア)だ。

対・単体の火属性魔法としては最高クラスの攻撃を誇るものだ。

「ふん…」

レオポルドが手を掲げた。

レオポルドは杖を持っていないが、指輪が魔法発動体の役目を果たす。

「障壁…」

バァァァン!

大きな爆発音が鳴り響いた。

「今のを防ぐ…か。」

ヘンドリクセン王が呟いた。レオポルドは無傷だ。

「防ぎますとも。父上は俺を侮っておられる。」

レオポルドは笑いながら言った。

「しかし流石は父上です。ヘルファイアを無詠唱で放たれるとは、ですが…」

レオポルドは手をかざし、衝撃波を放った。

ドンドンドンッ!

「ぐ、ぐう…」

ヘンドリクセン王が苦悶の表情を浮かべた。

「無属性魔法は大ダメージを与えるような属性効果はありませんが、その逆は少ないのですよ。」

レオポルドは衝撃波を連射した。

ヘンドリクセン王は防御しているが次第にダメージが蓄積していく。

そして膝から崩れ落ちた。

「さて父上、チェックメイトですな。」

レオポルドはヘンドリクセン王に近づき、見下ろした。

「…貴様の愚行は何れ王国軍の主力を率いるギュスターヴに知られるだろう。そうしたら、貴様はどうするつもりなのかな?」

血だらけのヘンドリクセン王は目線のみレオポルドに移した。

「我が国には素晴らしい魔導兵器があるではありませんか。」

レオポルドがニヤリとした。

「…馬鹿な。あれはまともな魔導士には使えぬ。」

「いえ、使えるものが一人だけいますよ。」

「ま、まさか…」

「そのまさかです。幸いなことに、(アルエット)はブレーズの勧めで魔導具の使い方を曲がりなりにも習得しました。」

「貴様…、実の妹を魔導兵器の歯車として使おうと言うのか…?」

「こうして父上に牙を向けようと考えた時から、肉親の情など捨てております。俺の覚悟を甘く見ないで頂きたい。…もっとも、アルエットは半分妹と言えるか分からない代物ですが…ね。」

レオポルドが手をかざした。

「…父上を捕らえよ。大人しく下る者は良し、抵抗する者は皆殺しにせよ。」

「はっ!」

数名の兵がヘンドリクセン王に縄をかけ運んでいき、残りの兵は王宮内に展開していった。

ここに、レオポルドのクーデターが成立したのである。



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