表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
俺・プリンセス  作者: 風鈴P
第1章 目覚め~王宮生活編~
1/121

第1話 俺の眠りと目覚め

私は「小説になろう」のサイトで色々な作者様の作品を見させていただきました。私もそんな作者の皆様へ一歩でも近づきたい、そう思い今回投稿させていただきました。文章力もなく、まだまだ拙い部分が多いと思いますが、少しでも多くの方に読んでいただきますと幸いです。また仕事もあり更新の速度もそんな早くできないと思いますが何卒ご容赦下さいませ。


「な、なんだこりゃああああああ!」

鏡を見た俺はそう叫んだ。

鏡に映った俺はいつもの俺じゃない。

映っていたのは、赤い髪の女の子だったのだ。






とある地方都市。

俺が住んでいたのは都会とは縁が遠い、そんなところだ。

はっきり言って、そこでは俺は不良だった。いや、中学生まではそれなりに優秀だったのだが。



「勉強はそこまでにして、早く寝なさい。」

母が遅くまで勉強している俺を心配して声を掛けてきた。

「うん、これ終わったら寝るから。」

俺は母の声に答えた。

そう答えはしたが、俺はまだ寝る気はない。

明日は高校受験だ。もう少し色々と確認しておかないと。

俺の志望校は二つ隣の市にある、公立進学校。

俺の家は母子家庭で、金に余裕がない。

少しでも余裕があれば、併願のすべり止め高校なども受けるものだが、俺には無理だ。

だから明日の受験を失敗するわけにはいかないんだ。

そんな強迫観念に晒されていた。



…結果を言おう。

俺は志望校に落ちた。いや、実際にはそうじゃない。

受験当日、俺は電車で試験会場のある市へ向かった。

だが俺は電車で寝過ごし、試験に間に合わなかったんだ。

母親の言うことをしっかり聞き早く寝ていれば、こんなことにはならなかったかもしれない。

俺の学力であれば受かる可能性は十分にあったのに、俺はスタートラインにすら立てなかったんだ。

失意の内に家に帰った俺に、母は何も言わなかった。

「・・・」

俺も何も言わなかった。

だが母はそんな俺を見て、何かを察したのだろう。

母は優しい人だ。

昨日までの俺の頑張りを見ていたから、何も聞こうとしてこなかった。

数日間、親子の会話は無かった。



第一志望に落ちた俺は、二次募集で地元の高校に入学した。

だがその高校はロクなところではなく、周辺の不良が集まるような学校だった。

中学までは優等生だった俺も、徐々にそんな色に染まってゆく。

髪の毛の色は金髪に近くなり、酒や煙草もやり始めた。

受験の前日までは、俺は周囲の人も認めるほど懸命に勉強した。

でもそこで得た知識は、俺に何ももたらしてはくれなかった。

結果俺は不良高校に入り、心は劣等感で満たされてゆく。

俺はそんなイライラをぶつける様に喧嘩に明け暮れ、窃盗や恐喝など

不良がやりそうな悪事も一通りやった。

母はそんな俺を見て悲しそうな目を向けてきた。

最初は色々と注意してきたが、そのうち何も言わなくなった。



ああ、俺はこの人にも見捨てられたんだ。

俺は更に荒れていく。すべて自分が悪いというのに。



そんなある日、俺はいつもに様に不良仲間の囲まれながら、地元の駅で電車を待っていた。

「まもなく一番線に、急行 池袋行きが・・」

アナウンスが聞こえた。

数秒後、電車がやってきた。

ドン!!

俺は誰かに背中を押され、バランスを崩した。

「な・・・!」

俺の体はホームから転落していった。


キキキキーーーーー!

電車の非常ブレーキが鳴り響いたのが聞こえた。



俺の意識は、そこで真っ暗になった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ