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女大公カイエン  作者: 尊野怜来
第二話 冬のライオン
42/220

大公宮の取調室にて (2015.1213 改稿)

 泣きたくなったら、空をごらんよ

 あの、真っ青な高い高い空を

 ただただ見上げてごらん

 そうすれば、泣かずに生きていける


 それは死んだ母親の言った言葉の中で

 唯一、心に残っていることば

 

 俺は何度もそれを実践した

 空はいつでも俺を迎えて微笑んだ

 大人になって、そうそう泣くことなどなくなるまで

 そして、大人になった俺は母のことばを忘れた


 だが、

 ただただ長く続いているだけの岸辺を歩くことをやめ

 歴史の大河に身を躍らせた時

 不意にあの母のことばが蘇った

 

 また、空を見上げてみようか

 昔、そうしてやっとの事で生きていた日々のように

 俺は今、新しい夢を追いかけている

 いい歳になった、この動かない体でもって

 流れの中で身悶えている


 今も

 空は変わりなく

 俺を待っている



 

      アル・アアシャー 「俺様たちの世界」より





 翌日は、十二月の最初の日であった。

 大公宮での朝礼も済み、大公のカイエンが表の執務室に入って間もなく。

 大公宮へマテオ・ソーサ教授と、実家の両替商の裏口から引っ立てられたサンティアゴ・リベラの乗った治安維持隊の馬車が到着した。

 カイエンの指示で、ディエゴは実家の店のある表口からではなく、裏口から出されたのである。

 ディエゴがあの殺人現場にいたことはガラの証言からすでに明らかだ。あの、カイエンを青い理論で糾弾した生真面目そうなデイエゴが連続殺人の主犯とは思いにくいが、殺人現場で血を流している以上、引っ立てないわけにはいかない。

 だが、ことは連続殺人事件である。

 世間への影響を考えれば、容疑者の確保はあまり華々しくない方がいい。

 本当の犯人が別にいるとしたら、なおさらである。

 反対に考えれば、ディエゴを主犯として逮捕すれば、本当の犯人は油断するだろう。であるからカイエンは派手な逮捕も考えはしたが、ディエゴが教授の私塾の学生であることも考えて、前者の方策をとった。

 教授とディエゴは、大公宮の表にある治安維持隊本部に隊員たちに囲まれて、引きずり込まれた。

 それでも教授の方は悠々と杖をついて、中へ入ったが、ディエゴは木製の手枷をはめられ、腰縄を打たれた、罪人の姿で荒々しく引っ立てられた。

 二人が連れて来られたのは、半分地下になっている取調室の一つであった。

 半地下だから、一応、天井に近いところに小さな窓があるが、昼でも薄暗いため、木製の取り調べ机の上には天井からランプが下がっている。机の上にランプを置かないのは、容疑者が暴れても壊されない用心である。

 その取調室は広かった。

 その理由は、教授にもディエゴにもすぐにわかった。

 そこにはもう、六人の男女が待っていたからだ。

 教授にディエゴ、ディエゴの腰縄を持った係官が入れば、九人になる。

 部屋の中央に大きな取り調べ机。そして隅の方で一人の男がそれよりは小さい机に向かって座り、帳面を広げていた。書記を務める隊員だ。

 取り調べ机の向こう側にすでに座っているのは軍団長のイリヤ。そしてその脇に立つのは治安維持隊の隊長の一人、双子の兄の方のマリオだ。

 ディエゴはわからないが、この二人が立ち会っているということから、この連続殺人事件の重要性が見て取れた。通常ならば、殺人事件の尋問に直接、団長やら隊長やらが立ち会うことはない。

 だが、この事件はすでに普通の事件の範疇を大きく超える。殺されたのが最下層の男娼たちであっても、その殺され方の残忍さや、未だに容疑者さえ見つかっていないことは、とうに帝都中に知られている。そもそも、帝都市中での連続殺人事件というだけで前代未聞なのに、その殺し方があれでは犯人を早く抑えなければ、市民が黙ってはいない。

 すでに五名が殺されているのだ。

 こんな凶悪犯人を市中がまだ自由に歩き回っている。そろそろ、市民の不安から引きおこされた治安維持隊の無能を問う非難の声が上がり始めていた。

 書記の座った反対側に、これだけは普段は置かれていない特別な椅子が二脚、据えられていた。

 そこに座っていたのは、大公のカイエン。

 その両脇に立っているのは、シーヴとガラであった。今日、ヴァイロンは新設の帝都防衛隊の幹部となる、治安維持隊を退役した予備役のベテラン隊員との顔見せと打ち合わせがあって、同席していない。

 

 

「おはようございます。……教授までここへお呼びだてして、申し訳ない」

 ディエゴは係官によって、イリヤの待ち構える取り調べ机の前に座らされたが、教授はカイエンの隣の椅子へ案内された。

 教授は今日も黒い飾り気のない服装だったが、表情はなぜか元気そうだった。

「いいえ当然のことですよ! 何せ私の塾の学生ですからな。ご配慮感謝いたしますよ」

 そう言いながら、教授は遠慮なく椅子にかけた。

 カイエンはイリヤから始めて、マリオ、シーヴ、ガラ、と紹介していった。ガラのところでは紹介する肩書きがないので、やや歯切れの悪いものとならざるを得なかった。まさか、「人の形をしたイヌ」とは言えない。まあ、最終的にあの殺人現場に残された二人分の血液の話をするときには説明することになるだろう。

 ガラの鼻については、前日、イリヤや双子立会いのもとで、簡単な試験をやって検証済みだ。

 皆から少量の血液を採取して実験したのだが、本当にガラは一人一人を弁別して当てて見せたのである。

 

「似てないじゃないですかあ」

 その時、いきなりイリヤがそう言い出したので、皆が一瞬、動きを止めてから一斉に彼の方を見た。

 すぐに、昨日一緒にいた、カイエンとマリオ、それにガラはイリヤの言いたいことがわかったが、シーヴや教授、それに真っ青な顔で大きな体を縮めて座っているディエゴにはなんのことだかさっぱり分からない。

 イリヤもそのことは分かっていたので、さらに付け足してきた。目は笑っていないが、口元がニヤついている。

「初めまして、教授さん。あのですね、昨日ね、殿下がね、帰るなりね、俺たちを呼び出してね、言ったんですよお。俺とあんたが似てるってえ」

 いい歳をした男が、間延びした語尾で言い募る。

「似てないですよねえ。っつーか、どっちかというと、殿下とあんたの方が似てますよねえ。ちっさいし、杖ついてるし、顔色悪いし、目つきも悪いしさあ。ああ! 目の色だって同じじゃん!」

 容疑者のディエゴがびっくりした顔で、自分の正面に座っているイリヤを見ている。それはそうだろう。これから自分を尋問するであろう男の発言としては緊張感のかけらもない、異常極まるもの言いだから。

(黙れイリヤ)

 そう言いたいのを、カイエンはぐっと堪えた。

 教授が帝都防衛隊の顧問となれば、いやでも頻繁に顔を合わせることになる二人だ。ここは教授に任せよう、と思ったからだった。

 そうっと、隣に座った教授を盗み見ると、教授は嬉しそうに揉み手していた。

「ははあ。なるほど、おっしゃる通りですなあ」

 そう言う教授の口角がぐいっと上がった。

 両方を見守るシーヴのおろおろ目線がカイエンに向けられてきたが、カイエンは無視した。聞いてればわかるぞ、シーヴ。

「確かに私と殿下は外見の特徴だけ挙げればよく似てますなあ。しかしですねえ、これが言葉の恐ろしいところなのですよ。誰かが特徴を言語化した途端に、それまでは似て非なるものだと思われていたものが、似たものとして分類され、周囲に認識されてしまうのです。これは危険ですよ。ことにあなたのようなお仕事ではねえ」

 イリヤのふざけた顔がやや固く変わったようだ。

 なるほど、思い込みでの証言を真に受けたりしたら大変だ。

「おお、お顔が変わりましたね。ちゃんとご理解いただけたようだ。さすがに軍団長ともなれば回転が早いですな。では、私が別の視点から言語化して差し上げましょう」

 あっけにとられている周囲をよそに、教授は本当に嬉しそうに身をよじらせた。

「私とあなたはよく似ていますよ。相手構わず口がよく回るし、嫌味っぽいし、にやにやしながら言いたい放題、話し方がねちっこい。自分は頭がいいと自惚れているとてつもない自信家だ。まあ、自信の裏には仕事の結果という評価もあることはあるのですがね。そしてワルぶって見せても、それはポーズだ。ついでに言えば、完璧主義で、他人に仕事を任せられない。なんでも先走って用意してないと不安な小心者。……それに多分、母親と確執があったから女性不信だ。どうです、似ているでしょう?」

 絶句。

 話し方云々のくだりまではニヤついていたイリヤだが、最後のくだりで口がきけなくなったらしい。

(……そうなんだ)

 カイエンとシーヴはいちいち、その通りだと納得しつつ聞いていたので、最後の女性不信云々でハッとした。

 それでも、イリヤは反撃した。

「俺の言ったのは見て分かることですよね。教授さんのご意見はそうじゃない。どうしてそうまで言い切れるんですかあ」

 教授は、余裕の笑みでそれを迎え撃った。口調が変わったことに、カイエンはすぐに気がついた。教師が学生に話すような口調だ。

「君の性格だって、見ればわかるんですよ。よく観察すればね。話し方だの自信の有る無しはさっきの言い方で分かることだし、完璧主義とか仕事のくだりは、例えば君の指の爪の切り方からして明確だ。服の着方、そこに広げた資料の置き方。そこの資料のメモの字は君の字でしょう? 目の下の隈もね。睡眠時間を削って事件に当たっている。後は団長の君がわざわざここで直々に尋問しようとしていることからの推察。それから女性のことは……君がこの大公殿下の下でそんな風に真面目に働いていることからわかるでしょう。どうです。自覚があるんじゃないですかね」

 カイエンはどうして自分の下で真面目に働いていることから「女性不信」が分かるのか、と不思議に思ったが、イリヤはそうではなかったらしい。

 しばらくの沈黙の後。イリヤは潔く負けを認めた。

「……負けたわ。年の功だわ。確かににょろにょろしてるわ。絶句した時点で俺もうだめだわ」

 イリヤはばしっと自分の顔を両手で叩いた。

「教授さん」

 にょろにょろ云々まで認めたイリヤは顔を両手で覆ったまま、言った。

「今日の勝負はあんたの勝ちだわ。でも、次は負けないよ。……じゃあ、俺ちゃんと仕事始めますから、ご協力よろしく」

 イリヤはそう言うと、ギラリと目を光らせてディエゴに向き直った。凄みのある目だ。

「おい、さっさと吐けよ両替商んちのボンボン。吐かないと拷問だからな。俺の拷問はキツイぜえ。前の団長からの直伝だからな。それから、俺いま、機嫌悪いからな。それは、今まで聞いてりゃわかるだろ? 」

 にやーっと笑った顔の恐ろしさに、ディエゴは身震いした。そもそも、ここへ教授共々連れてこられた時から、覚悟は決まっている。

 ガラが弁別した例の二人分の血液の話をするまでもなく、ディエゴは自ら、洗いざらい、吐いた。



「じゃあ、お前はそのマ・シゴウっていう螺旋帝国人の門人の話を酒場で聞いたんだな?」

 書記の書いた帳面を覗きながら、イリヤは確認した。

 ディエゴは一昨日、事件のあった夜、とある酒場で、たまに教授の私塾に顔を出している螺旋帝国人の男のすぐ後ろの席にいたのだという。

 その男は、マ・シゴウといい、同席しているのは全て外国人だったので、ディエゴはあえて挨拶しなかった。彼らの席との間には間仕切りの壁があったので、顔があったら挨拶すればいいと思っていたのだという。

 カイエンが教授の顔を見ると、教授は自分の手のひらに、「馬 子昂」と書いて見せた。「昂」という字は難しい。毎日、日記を螺旋文字で書いているカイエンでも使ったことのない文字だ。

「はい。それで、そいつが例の殺人事件の話をしてて」

「それで、そいつの後をつけたんだな。危ないと思わなかったのか」

「酔ってたので……興味本位でした」

 ディエゴはその結果の恐ろしい体験を思い出したのだろう、ぶるっと身を震わせた。

「で、現場近くで一旦、見失ったと」

「はい」

「そんで、叫び声がしたんで駆けつけたら、もう男娼は道に倒れてて、このマ・シゴウが犯人ともみ合ってたと?」

「その通りです」

 イリヤは調書に目を落とした。

「間違いねえな。で、お前が隠れて見ていると、シゴウはぶん殴られて昏倒した。犯人の顔は?」

「暗くてよく見えなくて……」

 あの横丁で夜中なら、見えないだろう。

 犯人がまず、シゴウをナイフで襲わずに殴ったところから、犯人はシゴウの顔見知りか知人の可能性が出てきた。

「で、犯人がシゴウに馬乗りになってナイフを振りかざしたんで、思わず飛び出ちまったんだな」

 だが、次の瞬間には殺そうとしたわけだ。

「はい。自分でもびっくりしたんですけど、体が動いちゃって」

 ディエゴは恐ろしそうに上目遣いでイリヤを見た。

「そしたら、あいつが俺に向かってきて。でも暗くてよく見えなくて、覆面とかしてたかもしれません。帽子をかぶっていたのかも。でも背の高い奴でした。あの夜は曇っていて月が見えたり見えなかったりだったんですが、その時、雲の間から月が出たらしくて、ナイフだけが光って見えたんです」

「それがククリナイフだったんだな」

「はい」

 ディエゴが昨日、カイエンの言った「ククリナイフ」という言葉に反応した理由はこれだった。  

「ふん」

「それからは必死でした。気がついたら腕を切られてて、もうダメだと思ったんですけど。その時、シゴウがうめき声をたてたんです。で、あいつが一瞬そっちを見たんで……」

「そのままシゴウをおいて逃げてきたんだな?」

 イリヤが容赦なく確認すると、ディエゴはうなずきながら、目から涙を溢れさせた。

「痛いし怖いし、必死でした。シゴウはどうなったのか……」

 現場にあの男娼以外の死体はなかった。

 それはみんな知っている。

「いいか、よく思い出せよ。お前が犯人とシゴウがもみ合っているのを見た時、もう、男娼はバラバラになってたか?」

 第五番目の犠牲者、クーロ・オルデガの内臓は全て取り出され、死体の横に整然と並べられていた。

 ディエゴは首を振った。

「暗くてよく見えなかったですが、そんな風には見えませんでした。血の匂いもそんなにしなかった。それに、シゴウは『やめろ!』って言ってもみ合ってたんです」

 イリヤはうなずいた。それなら、犯人が被害者を解体したのはディエゴが逃げた後なのだろう。

「じゃあ、お前はあの奥の日干しレンガの壁の文字も見てないな?」

 イリヤがそう聞くと、思った通り、ディエゴは不思議そうな顔をした。

「壁の文字?」

「血文字で書かれた螺旋文字の文だ」

 ディエゴは首を振った。

「奥の壁なんて見えなかったです」 

 それはそうだろう。

 ディエゴは現場から這々の体で逃げ出した時、無意識に傷口を上着と襟巻きで包んだらしい。現場から血の跡が続いていなかった謎もこれでとけた。  

 そのまま帰宅したディエゴは、自室で一人で手当てをしたのだという。

 よく、家人にばれなかったものである。

「一応、聞くけど。お前、被害者と面識は?」

 イリヤが聞くと、ディエゴは不思議そうな顔をした。

「すみません。俺、男娼の知り合いはいないと思います」 

「クーロ・オルデガっていうんだけどな」

 イリヤがそういった時。

 いきなり、それまでほぼ黙って聞いていた教授が音を立てて椅子から立ち上がった。

「今、クーロ・オルデガって言ったかね?」

 教授の元から土気色の顔が真っ白に見えた。

 なるほど、今まで被害者の名前は話に出てはいなかった。

「まさか、ご存知で?」

 イリヤが面白そうに聞くと、教授ははっきりとうなずいた。

「なんてこった。同姓同名だといいが。そうじゃないだろうな。あいつは若い頃からあっちの趣味だったからな」

 教授は、びっくり顔のカイエンの方を振り向いた。   

「私の同郷の幼馴染の男に、そっちの男がおりましてね。もう、二十年以上、会ってないが。帝都に出てきていたのか……」

 教授の思い浮かべた被害者の顔は、二十年以上前の、まだ若い頃の顔なのだろう。

「こんな歳になって、道に立ってたのか。かわいそうに。なんて言ってももうしょうがないがなあ」

 教授は、自分の年齢を考えたのだろう。その年で寒い裏道に立って、客を引かなければならなかった悲惨さ。それは、彼には重くのしかかってくる現実であった。  

 オルデガの遺体は引き取り手がないため、まだ事件現場近くの署に安置されているはずだ。

 若い頃はどこかの店から出ていたのかもしれないが、今は歳をとり、道に立つしか無くなっていた老いた男娼なのだ。

「私はもう、故郷に家族がおりませんので、もう長いこと故郷に帰ったことがありませんでしてな。彼の実家がどうなっているのかも知らないが」

 教授はやや混乱した面持ちではあったが、面通しののち、オルデガの遺体を引き取ることを申し出た。

「かわいそうになあ」 

 教授はもう一度、悲しげにそう呟いたが、もうその顔は落ち着いていた。

「まずは、マ・シゴウを探さないといかんですな。……生きているといいが」

 


 ディエゴは調書を取られたのち、とりあえず大公宮の留置場に入れられることになった。

 教授はオルデガの遺体を引き取り、一旦、トリニのペンシオンへ戻ることになった。簡単な葬儀を出してやるつもりだという。

 士官学校へはカイエンが口添えして休みを届け出、教授の講義にはとりあえず、代講が立てられた。

 イリヤはマリオと話し合い、教授の私塾に出入りしていた他の螺旋帝国人への聴取を命じた。 

 

 

 

 その後、カイエンの元にサヴォナローラから届いた知らせがあった。

 あの第五の殺人現場に残された、「賎民は意味もなく責め立てられるべきではない」という文の意味がわかったと。


 それは、螺旋帝国の新しい皇帝となった、「青」王朝の、ヒョウ 革偉カクイの起こした民衆運動の標語エスロガンだったという情報だった。

 どうやら、かの国の革命は、このハウヤ帝国にまで影響して来ていたようであった。

 連続男娼殺人事件の犯人は、クーロ・オルデガの事件以降、沈黙した。

 馬 子昂の行方もまた、杳として知れなかった。

 

 そんな中で、暦は十二月九日を迎える。

 それは、大公カイエンの誕生日である。



 


 第二話もこれから後半に入ると思います。

 でもまだ入れなきゃならない話が多いです。


 次回はちょっと息抜きの予定です。

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