登場人物紹介 4
・カイエン・グロリア・エストレヤ・デ・ハーマポスタール
ヒロイン。
体の中に蟲と呼ばれる寄生器官があるために、歩行が不自由。
帝都の治安を預かる大公軍団を率いるハウヤ帝国帝都ハーマポスタール大公。20歳。
ハウや帝国帝都ハーマポスタールの治安維持権(治安維持部隊)の他に、帝都の防衛権(帝都防衛部隊)も担っている。ただし、大公軍団はあくまでの大公個人の私兵集団である。
気がつけば、皇太女を支える柱の一本に任命されていた。(他の柱は、宰相、大将軍、それに公爵二人と叔母)
18歳の春から苦労の連続。第三話の最後に、シイナドラド皇国の皇太子の結婚式に参列するためにシイナドラドへ赴いた。そこで紫がかった黒い髪が条件である教団の長、星教皇に無理やり即位させられる。また、シイナドラド第二皇子エルネストの子供を妊娠することとなったが、帰国後に流産。
第三話終わりに皇后アイーシャの生んだ皇女、リリエンスールを養育することとなった。
・ヴァイロン・レオン・フィエロ
今のところのヒーロー。獣人の血を引く帝国軍フィエロアルマ将軍であったが、「春の嵐」事件で大公の男妾に落とされる。事件解決後に復職を命じられたが拒絶するほどのクソ真面目というか一徹者。
カイエンをおのれの番と認識しているので、カイエンは彼の唯一無二の存在。
その後、カイエンによって新設の大公軍団帝都防衛部隊部隊長に任ぜらせる。25歳。
・リリエンスール・エスペランサ・マキシマ・デ・ハウヤテラ
第三話の最後で、皇后アイーシャの生んだ皇帝サウルの第四皇女。
カイエンの母を同じくする妹で従姉妹。0歳。通称リリ。
カイエンと共有していた? 夢の中でカイエンの流産した胎児と融合したらしい。元は両眼とも琥珀色だったが、出生時には右目が灰色で左目が琥珀色になっていた。
カイエンと髪の色が同じで、よく似ている。
・執事アキノ
カイエンの執事。
父の代から大公家につかえる。
カイエンと同じく蟲が体内にあるため、やや足が不自由。
・乳母サグラチカ
カイエンの乳母。アキノの妻。
・マテオ・ソーサ
元・帝国軍士官学校教授。大公軍最高顧問に就任する。戦術学が専門。
小柄で枯れた中年で多分43、4歳。あだ名は悪魔メフィストフェリコ。
いろいろあって、大公宮の後宮に引っ越してきて住んでいる。
猫好き。
・ガラ
帝国宰相サヴォナローラの弟で、無位無官の「人の形をしたイヌ」。獣人の血を引いており、嗅覚に優れる。
なぜか、大公宮の後宮に住み着いている。
カイエンのシイナドラド行きに同行した。
・シイナドラド皇国第二皇子エルネスト・セサル・ガロピン・デ・ドラドテラ
現在のシイナドラドの第二皇子。26歳。ハウヤ帝国へ婿入りすることが決まっている。
「あの人」の示唆でカイエンに異常な執着心を持っている。子供の頃、密かにハウヤ帝国に入国し、前大公アルウィンの秘密の館、「桔梗館」に来ていたことがある。
婿入り前に三番めの名前、ガロピンを父王バウティスタから授かった。ちなみにその意味は、「暴れ馬、ならず者、悪戯小僧、そして“疾走する者”」という意味である。
・ジェネロ・コロンボ
ハウヤ帝国軍、フィエロアルマ将軍。ヴァイロンの辞任とともに将軍に任命された、元・副官。
年齢34歳。商店を営む妻と、息子と娘がいる。
カイエンのシイナドラド行きの警護を務めた。
・ハウヤ帝国宰相サヴォナローラ
アストロナータ神殿の神官で、皇帝サウルの私的な内閣大学士であったが、「春の嵐」事件解決ののち、宰相府を与えられ、宰相に抜擢された。年齢30前後。
濃い灰色の髪、真っ青な瞳。獣人の血を引いているが、その特徴は現れなかった。ガラの兄。
・エミリオ・ザラ将軍
帝国軍の大将軍で元帥府の長。将軍の中で一番の年長。実力者。カイエンの執事アキノの里であるプエブロ・デ・ロス・フィエロス出身の母を持つ。そのため体内に蟲があるが、運動能力に問題はない。
・ヴィクトル・ザラ子爵
エミリオ・ザラ大将軍の母親の違う兄。カイエンのシイナドラド行きへ随行した。外交畑の専門家。
・ヘクトル・クリストラ公爵
カイエンの義理の伯父にあたる。ハウヤ帝国東端、ベアトリア国境に近いクリスタレラの領主。
・ミルドラ・ルース・カンデラス・ハウヤテラ・デ・クリストラ公爵夫人
皇帝サウルの妹で、前大公アルウィンの姉。カイエンの伯母にあたる。降嫁してクリストラ公爵夫人となった。
・騎士シーヴ
差別されている階級から、エミリオ・ザラ将軍の後ろ盾で騎士に上りつめた。カイエンの護衛。外出にはついて回る係。自分の出自にはあまりこだわりがなく、実力で上がってきた天才肌。現実的な性格。
本当の名前は、シヴァ・ラ・カイザ。ハウヤ帝国初代皇帝が滅ぼした王国の王の直系の子孫。
浅黒い顔に亜麻色の髪。目の色は胡桃色。
第三話の始めで21歳。彼は自分の誕生日を知らないので、年齢は大体の数字。
・大公軍団長イリヤボルト・ディアマンテス
通称イリヤ。甘い顔つきの美形さん。大公の私軍を率いる団長。たぶん28、9歳くらい。通常モードではおしゃべりで剽軽だが、裏の顔は怖い。
うなぎのようなつかみどころがない男。実務能力アリアリの大公軍団軍団長。
黒っぽい鉄色の髪、鉄色の瞳。ちょっと猫背なので、本当は身長190センチくらいあるがそうは見えない。
・ハウヤ帝国皇帝サウル・プレニルニオ・マグニフィコ・デ・ハウヤテラ
第18代皇帝。46歳。
皇帝としてそつなく20年、帝国を統治し、領土も拡大した。
第一話では大公カイエンの能力と覚悟を確かめるためと、前大公の弟アルウィンの暗躍に手を打つべく、極端な方法をとったが、一応、カイエンは「使える」と判断した。
皇子が未だいなかったため、帝国の皇位継承に関する典範を変更し、第一皇女オドザヤを立太子した。
その後、第三妾妃マグダレーナに皇子フロレンティーノが、皇后アイーシャに皇女リリエンスールが生まれる。
・ハウヤ帝国皇后アイーシャ・ディアナ・マスカレニャス・デ・ハウヤテラ
36歳。皇帝サウルの弟である、大公アルウィンの妻でありながら、皇帝に請われて皇帝の妻、皇后に立った。大公妃としてカイエンを、皇后として第一皇女(現・皇太女)を生んでいる。カイエンの実母であることは公然の秘密。
自らの第三子となる皇女リリエンスールを出産したが、皇子を産めなかったこと、皇女の体内にカイエンと同じ蟲があることを知らされてから錯乱したまま。
通称:宝石の君。虚栄心が高く、宝石で飾り立てて人々の前に現れる。
表には出さないが、アルコール依存症に陥っており、正常な判断ができない場面が出てきてしまっていた。
もとは貧乏官吏の娘で、美貌が自慢。自分に似ていない娘、カイエンには複雑な感情を持つ。
・第三妾妃マグダレーナ
東の隣国ベアトリアの第一王女。
一度国内で臣下に嫁いだが、子を産んだのちに夫と死別する。すでに出産経験があることから、二人の子を故郷に残し、妹王女の代わりに皇帝サウルに指名されて嫁いできた。
自らの第三子である皇子フロレンティーノを出産。26歳。
・ハウヤ帝国皇太女オドザヤ・ソラーナ・グラシア・デ・ハウヤテラ
皇后腹の第一皇女で第二話最後に立太子し、皇太女となった。18歳。
カイエンとは母を同じくする異父姉妹で従姉妹でもある。第三話でカイエンが母を同じくする姉妹であることを知った。
リリエンスール皇女は父も母も同じ妹。
アルコール依存症の母、アイーシャに長年悩まされている。
・フロレンティーノ・レジェス・プリモ・デ・ハウヤテラ
第三妾妃マグダレーナの生んだ、皇帝サウルの第一皇子。0歳。
皇帝には似ておらず、母のマグダレーナ似。
・皇女カリスマ
皇帝の第ニ皇女。母は第一妾妃である、属国ネファールの王女ラーラ。15歳。
近いうちに母の故郷であるネファールの王太女になる予定。
・皇女アルタマキア
皇帝の第三皇女。母は第二妾妃である、自治領スキュラの公女キルケ。14歳。
・第一妾妃ラーラ
ハウヤ帝国の北東に位置する属国ネファールの王女。
・第二妾妃キルケ
ハウヤ帝国北方にある、帝国内の自治領スキュラの公女。
・第四妾妃・玄 星辰
螺旋帝国の滅ぼされた王朝「冬」の生き残りの皇女。19歳。弟の天磊とともに亡命してきたが、連続男娼殺人事件に関与した疑いがある。
螺旋帝国からの人質の妾妃として後宮に納められた。
弟の天磊はアストロナータ神殿の「青い天空の塔」修道院に幽閉されている。
第三話の冒頭で皇后アイーシャの暗殺を図ったため、後宮に幽閉されている。
・コンスタンサ・アンへレス
皇帝の後宮をまとめる女官長。カイエンやオドザヤには好意的。
・ジョランダ・オスナ
皇后アイーシャのお付き女官。アイーシャの遠縁にあたる。
アイーシャがアルコール依存症になる原因を作った。
・テオドロ・フランコ公爵
ハウヤ帝国元老院長。
元老院は形式的なもので、皇帝の諮問機関ではあるが、宰相サヴォナローラが立てられた今、権限はなきに等しい。だが、大貴族の議員たちのまとめ役として、皇太女オドザヤを支えるべき柱の一人に皇帝から指名された。
領地はハウヤ帝国北部。
・フランコ公爵夫人デボラ
その妻。カレスティア侯爵家の出身。
・ジラルディ・サクラーティ公爵
ベアトリアの公爵。マグダレーナの最初の夫であるラザロの父で当主。
ラザロはすでに故人。
・モンテサント伯爵ナザリオ
ジラルディ・サクラーティ公爵の次男。マグダレーナの夫だったラザロの弟。
新ベアトリア大使。
・前大公アルウィン・エリアス・エスピリディオン・デ・ハーマポスタール
カイエンの実父。43歳。
五年前におのれの死を偽装してカイエンのもとから去った。シイナドラド国内で影響力を持ち、螺旋帝国の革命への関与も疑われ、第三話の最後にカイエンによって「帝国への反逆罪」によって告発される。
・ミモ
大公殿下の飼い猫
・ガルダメス伯爵ニコラス
シイナドラドからやってきた新大使。
・北ことナシオ
・南ことシモン
ザラ大将軍がカイエンの大公宮につけた影使い。
・親衛隊長ウリセス・モンドラゴン(子爵)
皇帝サウルの親衛隊隊長。
・フィデル・モリーナ侯爵
フランコ公爵テオドロの庶兄。モリーナ侯爵家へ養子に入った。
・トリニダード(トリニ)・コンドルカンキ
大公軍団の第1回女性隊員募集で合格した。
その後、治安維持部隊に配属。
マテオ・ソーサの私塾の大家で、私塾の学生だった。父親が螺旋帝国人。螺旋帝国の武術の達人。
・サンティアゴ(ディエゴ)・リベラ
マテオ・ソーサの私塾の弟子。両替商の後継。
第二話で殺人事件のとばっちりを受け、怪我をした挙句、留置場に入れられた。
・ルカ・エヴァンヘリオ
トリニとディエゴの幼馴染。マテオ・ソーサの弟子。国立医薬院卒業の町医者。
・ホアン・ウゴ・アルヴァラード
トリニ、ディエゴ、ルカの幼馴染。マテオ・ソーサの弟子。
帝都の「黎明新聞」の記者。
・ロシーオ・アルバ
トリニと同じく、大公軍団の第1回女性隊員募集で合格した。その後、帝都防衛部隊に配属。
子持ち。3歳の息子、「ティグレ」がいる。
獣人の血を引いているらしく、猫のように身軽。
・ブランカ・ボリバル
第1回女性隊員募集で合格した。その後、帝都防衛部隊に配属。
子持ちで、子供は故郷に残してきている。
元はカイエンの後宮の女騎士であった。カイエンの執事、アキノの里の縁者。
・イザベル・マスキアラン
19歳。第1回女性隊員募集で合格した。その後、治安維持部隊に配属。
“メモリア”、カマラの従姉妹。
その時に聞いた人々の話を、相手が一人だろうと複数だろうと、一言一句、残さずに聞き取り、記憶し、そして再生できる能力者。
・リカルド
アストロナータ神殿の武装神官。
宰相サヴォナローラから、「青い天空の塔」修道院へ派遣されたが……。
・ナポレオン・バンデラス公爵
ハウヤ帝国南方、モンテネグロを領地とする公爵。
・マヌエル・カスティージョ伯爵
ハウヤ帝国、コンドルアルマ将軍。
・ブラス・トリセファロ
ハウヤ帝国、ドラゴアルマ将軍。
・ガルシア・コルテス
ハウヤ帝国、サウリオアルマ将軍。
・ルビー・ピカッソ
元、女神グロリア神殿の武装神官。とにかく女丈夫。
・スキュラ自治領元首エサイアス
北方スキュラの元首。皇帝サウルの第二妾妃キルケの兄。
・スキュラ自治領元首夫人イローナ
自治領スキュラの北にある北海の向こう岸である、マトゥランダ島のマトゥサレン一族出身。
・リタ・カニャス
皇宮後宮の女騎士から、オドザヤの護衛に抜擢された。
・マトゥサレン・デ・マール
ラ・パルマ号事件の鍵を握ると思われる謎の人物。
 




