或は紫のデッキシューズを貫けば
掲載日:2013/04/14
天体なしにはありえないと願った。
かなりの時間置いてしまった赤ワインのような恋も、かちゃかちゃと鳴るカギ束のようなカプチーノも、タバコを吸い潰した弓張り月も。
一匹の羽虫が、規則正しく並べられた電燈のうち、奥から3番目の曲がりきったやつを目指して飛んでいった。彼女はなぜ月を選ばなかったのか。不思議で仕方なかった。
素朴に始まったメロディは、素朴に終わりを迎える。ちょうど木の実が落ち葉の上に着地するように。
何かの、例えば40Wの電球の、破片を集めて人間らしいものを作ったとき、言葉は彼に届くのか。彼の心をどうすれば動揺させられるのか。フラスコに閉じ込めれば彼はホムンクルスになれるのか。それとも閉じ込められることを拒絶するか。あぁゲーテ。
肩にへばりついていた鬱ぎの虫を飲み込む。




