母親の罪。そして私も同じ状況。①
旦那と結婚して、結婚式をする数週間前。
私は結婚式の準備で忙しかった。幸せな準備で忙しいのが嬉しくてワクワクしていた。
ある日、お母さんから電話がかかってきた。
「もしもし?明日、うちにいとこが来るんだけどお母さんも来るでしょ?」私がそう言うと母は
「いや、ちょっと行けそうにない。ばあちゃんの病院もあるし。今度の土曜日仕事休み?お兄ちゃんも帰ってくるからちょっと帰ってこれない?話がある。」と、お母さんの声は元気ない声だった。
私は心配になって、兄に電話した。
「お母さんから電話あって、話があるって言ってたんだけど何の話かわかる?声に元気なくて心配になって」と言うと兄は
「俺もわからない。どっか体が悪いのかな。お前の結婚式間近で話があるとか言うのはあまりいい報告じゃない気がする」と言い、私は納得してしまった。
気になって仕方なくて不安だった。
私は結婚して家を出るまでずっと反抗期状態だった。結婚して家を出てからはやっぱりお母さんの存在の大きさに気づいた。
できるって思ってた料理もなかなかできないし、食べ慣れてるお母さんの味には全く近くなかった。
自分で作るご飯は美味しくなくて、食べるたびに「お母さんのご飯が食べたい。」て思っていた。
お母さんのことが恋しくなっていた時期に元気ない声で話がある。なんて言われた不安でいっぱいになる。
実家に帰る土曜日まで3日あった。それまで仕事をして、忙しくしてなるだけあまり考えないようにしていた。
土曜日になって、朝早くに実家に帰った。旦那は仕事だったので一人で帰った。
実家のリビングに入るとお母さんはソファーで横になっていた。
ご飯もあまり食べてないのだろうか、夜もあまり眠れてないのだろうか。
明らかにお母さんの顔色は悪かった。げっそりとしていた。
「あぁ、おかえり」そう言ってお母さんは立ち上がって、お父さんがいる部屋に行き「帰ってきたよ、リビングに来て」と言い、その後はばあちゃんの部屋にも行ってばあちゃんを呼んできた。
私は胸が苦しくなった。何を言われるのかわからなくて、怖くて仕方なかった。
私の中で「きっと癌で、もう手遅れなんだ・・・」という考えになっていた。
お母さんが口を開いた。
「お母さんね、会社のお金横領してたの。それが見つかってしまって・・・ごめんなさい・・・」とお母さんは泣き崩れた。
私はショックだった。絶対に犯したらいけない罪だし、人間として終わってるけど
でも、私は「お母さんが死ぬよりいい」って思ってしまった。
泣き崩れるお母さんを私は抱きしめて
「良かった。もう死んでしまうのかと思ってたから」と言い二人で泣いた。
「大丈夫、私はお母さんを責めたりしない。悪いことだけどでもきっと理由があったんだよね」と言うと
ばあちゃんも泣き始めた。お父さんも泣き始めた。
そうしていたら兄夫婦も帰ってきた。




