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警狼ゲーム  作者: 如月いさみ


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警狼ゲームの新たなる始まり 2

 4月の時に警察庁長官である鬼竜院闘平が動いたのは一通の密告文章からであった。通報者は未だに分かっていない。

 だが、密偵者が調べるとその密告は正しく西日本から犯罪組織の人間を排除することが出来た。その密告が再び送られてきたのである。


『山形県知事が狙われている。『セクハラスキャンダル』を作り上げて県知事を追い込み自殺に見せかけて殺す計画が練られている。山形県警の人間も加わっている』

 そういう内容であった。


 桐谷世羅は将を始めとして他の面々を見て

「新潟は後だ。先に山形を攻略する」

 と告げた。

「今回は山形から順次東北を回っていく形にするので当分東京には帰れないと思ってくれ」


 将は驚いて翼と省吾と由衣を見た。三人も驚きながら顔を見合わせた。


 桐谷世羅はにやりと笑って

「いいか、狼はまだこちらが動き出しているのを知らない。つまり相手が余所を見ている間に最大限のカウンターを食らわせ一気に畳みかけると言っているんだ」

 と告げた。

「どちらにしてもやらなきゃならない。ならば、向こうがよそ見をしている間にやった方が良い。別に新潟からするというのに意味があったわけじゃないのだからな。手順に囚われ過ぎて逃したチャンスは二度とこない」


 翼はそれに

「確かにそうだな」

 と呟いた。

「俺も省吾も身寄りや他に家族がいるわけじゃないから東京に暫く帰れなくても問題ない。東大路と菱谷が追いかけてくる方でも良いぜ」


 将は腕を組んで

「まあ、俺も問題はないと思う。姉貴も母さんも警察の仕事だったら喜ぶ」

 とハハハと力なく笑った。


 翼も省吾もその辺りは7月のゲームの時に事情は把握しているので苦笑をするしかなかった。問題は菱谷由衣である。彼女については『組織に敵対する第三勢力の人間だった』ということ以外に特記したモノが将の中にも翼の中にも省吾の中にもなかったのだ。


 それこそ家族構成も知らないという状態であった。


 由衣は笑むと

「私も大丈夫です。心配なのは冷蔵庫の中の生ものだけなので今日帰ったら食べておきます」

 と答えた。


 将は「んん」と自身の部屋の冷蔵庫の中を思い浮かべながら

「飲み物以外に心配するモノがない」

 と心で呟いた。


 実家では母親が何時も料理を作ってくれていたのではっきり言えば料理経験はゼロなのだ。しかも、内部組織犯罪対策課で合宿中は外食や弁当なので作る必要もない。今はコンビニ弁当である。


 翼はあっさりと

「あ、俺らも片付けないとな」

 と省吾を見た。


 省吾はそれに

「じゃあ、お鍋かな。それで出発まではお弁当で良いんじゃないかな?」

 と答えた。


 将は横っ飛びしながら

「え!? 天童と根津は自炊派!?」

 と叫んだ。


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