表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/48

警狼ゲームのはじまり 6

 桐谷世羅も多々倉聖も思わぬ展開に息を吐き出し、音を鳴らして震える携帯を手に桐谷世羅が

「よし! 全員、中央で背中を向けて輪になって座れ」

 と指示を出した。


 ハッとした全員に

「急げ!」

 と怒鳴った。


 それに将も天童翼も全員が走って輪になって座った。多々倉聖が紙と鉛筆を順に渡した。


 将は迷わず『大谷』と書いた。

 いや、全員が『大谷』と書いたのだ。


 桐谷世羅はそれを回収しながら将の回答を手にして目を細めたものの、次の大谷大地が自身を書いたのには流石に苦笑を堪えた。


 そして、全員に

「大谷がドボンだ。大谷は狼だ」

 と告げた。


 将は花村満也や海野邦男などから笑みを浮かべて肩を叩かれた。

 ただ天童翼だけがじっと将を見つめていた。


 多々倉聖は騒めく面々を見て

「一日目の夜だ。直ぐに各人のテントへ戻る!」

 と告げた。

「急げ!」


 将も立ち上がって2番テントへと飛び込んだ。

 桐谷世羅と多々倉聖は全員がテントに入るのを確認して9番テントへと入った。


 多々倉聖は息を吐き出すと

「次で決まりますね」

 と告げた。

「警察に紛れ込んだ狼の一匹は分かっていますけど」


 ……狼は二匹……

「もう一匹は見つからず仕舞いかもしれませんね」


 桐谷世羅はそれに苦く笑むと

「多々倉、お前……相変わらずだなぁ」

 と言い

「もう一匹も分かった」

 と告げた。


 多々倉聖は目を見開くと

「え!?」

 と彼を見つめた。


 桐谷世羅は獲物を前にした野獣の目をして

「こっちが分からねぇと思っているのがガキだって言うんだ」

 とにやりと笑みを浮かべた。


 その時、桐谷世羅の携帯に狼から電話が入った。


 彼は多々倉聖の言葉を止めて応答に出た。

「根津か、誰を襲うんだ?」


 それに根津省吾が

「あの……東大路を襲います」

 と告げた。


 桐谷世羅は冷静に

「了解した」

 と答えた。


 続いて騎士から電話が入った。

 桐谷世羅は冷静に

「誰を守るんだ?」

 と聞いた。


 桐谷世羅は笑みを浮かべると

「わかった」

 と答えた。


 将は携帯を手にすると桐谷世羅に電話を入れかけて入ってきた彼の姿に目を見開いた。

「よ! 東大路」


 将は驚いて腰を浮かせた。

「桐谷教官」


 桐谷世羅は前に座ると

「今回、お前がドボンだ」

 とビシッと指をさした。


 つまり、8人中2番目。

 クビ確定ということだ。


 将は視線を下げて俯き両手を強く組み合わせると

「あの……」

 と言葉を小さく発した。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ