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愛知県警のケイドロ 16

 その時、後を追うように接岸した船から桐谷世羅と先に潜入していた菱谷由衣と赤川昇県警本部長など数名の警察官が降り立ち彼らの前に現れた。


 赤川昇は山坂順二を見て

「そこまでだ、山坂。いま三叉を背任及び黒川県警副本部長の殺人教唆と情報漏洩の罪で更迭した。三叉が内部データを勝手に持ち出し外部の人間に手渡しているのを菱谷警部補が写真に収めて証拠として引き渡してもらった。お前が関わっていたことを三叉は自白している。お前が事件を事故にして隠ぺいしたこともな。事故についても再捜査を行って事件であることも分かっている」

 と告げた。


 山坂順二は目を見開くと

「ま、まさか」

 と銃を彼らの方に向けた。

 それに黒川巽が足を踏み出して手刀を食らわせると手から落ちた銃を平岡政春が掴み将に手渡した。


 赤川昇は連れてきた警察官に

「確保!」

 と告げると抵抗する山坂順二を逮捕した。


 同様に逃げようとした尾崎友子も捕まえ、平岡政春も逮捕した。


 平岡政春は将を見ると

「一枚も二枚も上だったって事か」

 と呟き

「もっと用心深くなっとけばよかったなぁ」

 と連行されて立ち去った。


 誰もが息を飲み込んで見つめた。


 桐谷世羅と赤川昇は先ほど捕まえた山坂順二と尾崎友子と平岡政春の三人を連れて他の警察官と共にポートアイランドを後にした。

 将と翼は元々停泊していた船で状況を見ている省吾と共に残り1時間のケイドロゲームを最終まで行った。


 恐らくこの騒ぎが気になった者もいたのだろうが全員が力を尽くして泥棒チームの人間は警察チームの人間が少数だった場合は周辺の仲間と協力して抵抗し、警察チームは泥棒チームに分からないように牢屋を建物内部に作り、且つ、鍵を持つ者一人にせずに手渡しながら泥棒チームが脱獄できないように工夫をした。


 結果として捕まった泥棒は36名(欠2名)中20名で一度も逮捕できなかった警察官は37名(欠1名)中17名であった。

 ただ交戦しなかった警察メンバーも泥棒メンバーもいなかった。


 将は13時の終了のサイレント共に戻ってきた面々を見て

「話しておきたいことがある」

 と告げた。


 全員が立って将を見つめた。

「お前たちがこれから働く愛知県警では残念なことだがある組織に情報が流れその組織から利益関係のある企業に監査や手入れなどの情報が流れていた。現役警察官が外部組織の人間となって金品を受け取り情報漏洩を行っていた。それだけでなくその組織を調べようとした人間を殺しそれを事故死にして隠蔽していた」

 と告げた。

「その被害者の一人が黒川巽の兄である黒川県警副本部長だった。赤川本部長と共に情報漏洩を調べていて三叉が全てを話すと呼び出し無理やり酒を飲ませて車ごと崖へ落したということだ。そして、それを知っていながら山坂が事故死として隠蔽した」


 全員が驚いて黒川巽を見て蒼褪めながら俯いた。


 将は息を吸い込み吐き出すと

「いまここで愛知県警の立て直しに全力を尽くせない、無理だと思う人間がいたら手をあげろ」

 と言い

「別にこんな組織だ。恥じることはないし本音を聞かせてもらいたい」

 と告げた。


 翼は将を見た。


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