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愛知県警のケイドロ 14

 尾崎友子は睨んで足を踏み出すと

「わ、私たちを嵌めたんでしょ!! 元々私たちを」

 と言いかけた。

 それに平岡政春は冷静に

「尾崎さん、止めろよ。俺たちが何か言うのを待っている」

 と肩を竦めた。

 尾崎友子は平岡政春を見ると睨んだ。

「は!? どういうこと!? これは林間合宿でしょ!? ……まさか」


 尾崎友子は全てを理解すると蒼褪めた。

「まさか、本当に警察が我々に気付いたっていうの?」


 将は口を噤んで視線を伏せる平岡政春を一瞥し尾崎友子に

「平岡の言う通りだ。俺たちは警察へ潜入しようとしていたお前たちを炙り出すために……いや炙り出すためだけにこの合宿を仕組んだんだ」

 と告げた。

「お前たちはその罠に引っ掛かったッということだ」


 尾崎友子は顔を歪めると

「くそぉ!」

 と殴り掛かった。

 が、将は避けると腕を掴んで

「どちらにしても二人はゲームで不正をした。失格でクビだ」

 と告げた。


 平岡政春はふぅと息を吐き出すと

「やっぱりな」

 と小さくぼやいた。

「黒川が教官を襲ったのは嘘だった。俺達と黒川の関係を考えて状況連絡をさせるために動かしたんだ」


 将は二人を連れて行きながら

「やはり、それで動きを止めたんだな」

 と告げた。


 平岡政春は仕方がないという具合に

「ああ、建物の間から見たらあんたは直ぐに消えていたしさ。もしかしてと疑った」

 と言い

「どっちにしても俺は生まれた時から運なしだからな」

 と天を仰ぐように見つめた。

「色々嫌なこと指示される前で良かったな」


 尾崎友子はそれに

「ふざけるんじゃないわよ!! 大体あんたのせいよ! 平岡!」

 と睨んだ。


 平岡政春は小さく笑って

「それでいいさ」

 と肩を竦めた。


 その時、船が接岸し、一人の男性が降り立った。県警副本部長の山坂順二であった。彼は黒川巽がいる少し開けた中央部に立ちちょうど尾崎友子と平岡政春を連れて戻ってきた将たちを睨んだ。


 尾崎友子はそれに笑みを浮かべると

「副本部長」

 と呼びかけた。


 山坂順二は咳払いをすると

「この林間合宿は中止だ」

 と告げた。


 将はそれに

「そういう指示は桐谷課長から受けておりません」

 と答えた。

「それに中止される理由もなしに中止はできません」


 山坂順二は将を指さし

「大体、林間合宿だと!? 新人警察官たちを島に閉じ込めて何をさせているんだ!!」

 と怒鳴った。


 それに近くに偶々居た新人警察官が驚いて立ち止まった。

 警察チームのメンバーが泥棒チームの人間を連行している最中であった。


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