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警狼ゲーム  作者: 如月いさみ


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愛知県警のケイドロ 11

 将はマイクで

「根津、翼に33と45の動きも伝えてくれ」

 と告げた。

「今、激しく動いているんじゃないのか?」

 

 省吾は画面を見ながら

「良く分かったね、45が動く方向に33も動いている。同じ方向に2も動いているよ」

 と答えた。


 将は笑むと

「まさかと思ったけど、やはりな」

 と呟いた。


 そして、立ち尽くしている黒川巽の腕を引いて

「行くぞ」

 と言うと最初に全員が集まっていた場所へと連れて行き

「お前は失格だからここで待機。動くなよ」

 と告げた。


 正に見せしめの様である。


 黒川巽はそれでも強く頷いてその場に起立した。

 自分は言うことを言った。恐らく伝わっていると確信している。

 その上でこの処遇と言うことは何か考えがあるのだろう。


「人事を尽くして天命を待つしかない」


 黒川巽はそう心で呟くと

「兄さん……俺は負けない」

 と拳を握りしめた。


 将は直ぐに離れると平岡政春の行方を省吾から聞き出し足を向けた。

 その間にあちらこちらで泥棒と警察の格闘が始まっていた。


 将が読んだ通りに泥棒は2、3人が近くで待機し、警察が攻め込んでくるとそれぞれが守り合いながら逃げるという方法をとっていた。


 通常のケイドロの場合は精々タッチ三回くらいが多いので捕まる率が高いが、これは逮捕劇なのだ。

 手錠をするという行為には抵抗はつきものである。


 お互い怪我をしない程度に格闘術を実践で使うという意味もある。


 将は警察チームもそれに気付いたようで近場のメンバーと攻め入るようになっているが平岡政春と中山麻紀の場所へ向かう途中で気付いた。


 二人が逮捕されて連れていかれるのが見えたからである。

 連行中に泥棒は仲間を助けることができない。助けることが出来るのは逮捕後のである。が、牢屋は警察チームのみが知っているのでそこを探し出すのも頭脳戦である。


 将は平岡政春と中山麻紀をプレハブの建物の間で視認し目を細めた。

 平岡政春が立ち止まって周囲を観察しているからである。


 警察チームの気配を感じたのだろうか? だが、将には周囲に人の気配が感じられなかった。


 将は考えると省吾に

「この近くに警察チームはいるか?」

 と聞いた。

「2番とか」


 省吾は首を振ると

「いないよ、というか。動きが急に変になった」

 と告げた。


 将は平岡政春を観察しながら

「変って言うのは……突然移動をやめたってことだと思うが」

 と聞いた。


 省吾は頷いて

「それが最初は2番の移動と45番の移動は確かに同じ場所を目指しているようだったけど今は2番だけが移動して45番は止まってウロウロしてる」

 と告げた。


 将は目を細めて

「まさか、勘付かれたのか?」

 と気配を消して動きを見つめた。


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