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愛知県警のケイドロ 8

 将は記憶の回廊から戻ると目の前に立っている新人警察官78名を見つめ

「では、散会!!」

 と強い口調で告げた。


 新人警察官たちはゲームでクビが決まるという内容に動揺しつつも足を踏み出してそれぞれの場所へと散った。


 青いベストの警察チームが集まり仮設した建物群の中に消え去り将たちを挟んで反対側の建物群の中に泥棒チームも姿を消した。


 将は照り付ける陽光の下で海風を受けながら息を吐き出した。静寂が広がり緑のない分だけ建物が乱立する何処か荒涼とした光景が広がっている。


 将は横目で翼を見た。


 翼は冷静に

「21番、45番、2番」

 と告げた。


 将はマイクを通じて船で状況を見ている省吾に

「21番黒川巽、45番平岡政春、2番尾崎友子の三人だ」

 と告げた。

 そして翼に

「やっぱり入ってきたか……例の」

 と告げた。


 翼は頷いて

「ああ、あの二人は互いに視線を交わしたので俺から見れば繋がっている気がする。ただ、三人の内の残りの一人に関しては何か全く違う印象があるが唯の実地訓練生としての参加でない厳しい目付きで俺らを見ていた」

 と告げた。


 将は頷いて

「じゃあ、俺は21と45を見る。どちらも泥棒だからな」

 と告げた。


 翼は頷いて

「じゃあ俺は探偵の2を見る」

 と二人は互いに視線を交わすと背中を向けて立ち去った。


 将は泥棒チームが入っていった右側の急増されたプレハブ系の建物の間をそっと抜けて死角から21番と45番の黒川巽と平岡政春を見た。


 最初に見つけたのは平岡政春であった。将から見ればそれほど変な感じはなかった。

 彼の周囲には一人視認出来た。33番の中山麻紀である。二人は互いに視線を交わし合っている。


「33番」


 そう言った将は直ぐに自分の方に向かってくる影に気付き視線を動かした。

「21番黒川巽か……俺は中立だ。何をしても意味がないぞ」


 それに黒川巽は平岡政春と中山麻紀を一瞥し直ぐに

「貴方たちを赤川県警本部長と共に待っていました」

 と告げた。

 将は目を見開くと少し考えて

「……腹を抑えて屈め」

 と小声で返した。


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