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大阪府警のサバイバル 16

 ……ましてや、同じ組織の人間すらも必要なくなったら殺すなんて俺はぶっ壊す! ……

 純粋な怒りである。


 翼も笑みを浮かべ静かに

「俺も組織にいたが……上層部だけが全てを手に入れるだけで俺たちは駒なんだと……上層部は俺たちの名前すらも知らない。そんな駒なんだって……でも裏切ったら省吾も俺も殺されると思ってずっと動けなかった。大切な人を失っても……もうそれ以上失いたくないと結局は」

 本当は深みにはまっていくだけだと分かっていたのに、と呟いた。


 そうなのだ。入る時は全てを隠して両手を広げて誘い、入ると恐怖政治で縛り付けるのだ。逆らうと殺され、その死は様々なところに入り込んでいる組織の人間が隠蔽する構図が出来ているのだ。


密告を受けて警察にその構図を入れさせるわけにはいかないと動いたのが警察庁長官である鬼竜院闘平だったのだ。それに呼応したのが密偵をした鷹司陽やいま将たちを導いている桐谷世羅達なのだ。


 翼は桐谷世羅を見ると

「組織を……壊したい。俺や省吾や、八重塚悟やそういう人間をこれ以上作りたくないと俺は真剣に思う」

 と告げた。


 将も笑むと

「ああ、先ず大阪府警をぶっ潰そう」

 と桐谷世羅と翼を見た。


 藤原美也子は将を見た。

 翼も笑みを浮かべた。


 桐谷世羅は笑って

「それくらいの意気がねぇとな」

 と言い

「ああ、大改造だ」

 と告げた。


 八重塚圭は涙を浮かべ

「ありがとうございます」

 と告げた。


 桐谷世羅は彼女を見て

「佐藤正樹は兵庫県警が保護している」

 と告げた。

 そして藤原美也子を見ると

「藤原、お前の身も兵庫県警が守る。全てを話すんだ」

 と告げた。

「そして生きるんだ」


 藤原美也子は泣きながら「はい」と静かに頷いた。


 将は腕時計を見ると

「3時か。後2時間」

 と告げた。

「俺と天童は残って最後まで行います。その間に3人の身柄をお願いします」


 桐谷世羅は頷いた。

「わかった。一旦離れるが時間までには戻る」


 将と翼は顔を見合わせて頷き島へと戻った。

 同時に海上警察の船はその場から離れ、桐谷世羅の指示で大阪府警ではなく兵庫県警の本部長へと引き渡されたのである。


 警察内部に狼がいる大阪府警に彼らを託しては死なせてしまう可能性があったからである。


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