大阪府警のサバイバル 14
藤原美也子は震えだすと
「だって! だって!! あいつが悪いのよ! 警察を裏切れないとか綺麗ごとを言って……全部、警察に言うって……言うから!!」
と顔を伏せた。
「殺されたわよ! ……毒を飲まされて……琵琶湖よ! 多分……誰だって殺されたくないじゃない!! だから……仕方なく呼び出したのよ」
八重塚圭は顔を歪めると
「それで、見殺しにしたの?」
と震えながら、目を見開くと涙を零して足を踏み出した。
「酷い!! 兄さんを返して!! 兄さんを返してちょうだい!!!」
それにカメラを持った男性が彼女に駆け寄り
「圭ちゃん! やめるんだ!!」
と止め、藤原美也子を肩越しに見ながら
「……本当に悟は……本当に……殺されたのか?」
と言い、藤原美也子が小さく頷くと八重塚圭を抱きしめて崩れ落ちた。
将は不思議そうに立ちあがった他の面々を見ると
「訓練は続いている!! 続行しろ!!」
と指示を飛ばした。
「今もポイント収集は続いているぞ!!」
翼は強く藤原美也子を立たせると
「行くぞ」
と告げた。
将は翼を見て
「俺には……きっと藤原の口を割らせることはできなかった」
と心で呟き
「だが、俺は俺のできることする」
と八重塚圭を立たせると
「君の話も聞かせてもらいたい」
と言い男性の方を見て
「貴方もだ」
と告げた。
周囲では彼らを気にしつつも誰もが銃を撃ち合っていた。
ただ一人……34番の菱谷由衣だけが目を細めてそれを見つめていた。
「やはり、あの人が言っていた通りに動いているのね」
彼女はそう呟き、少し離れた場所で立ち上がった赤いタグをつけたベストの男性に立ち上がって銃を向けてぶっ放した。
上位に食い込んで生き残らなければならないのだ。
「私は……警察に残らなければ」