大阪府警のサバイバル 7
将は翼と視線を合わせると
「俺は98番」
と告げた。
翼は頷いて
「じゃあ、俺は34番だな……122番も注視しておく」
と足を進めた。
二人は別れてそれぞれの島へと向かった。
将は右の島へ向かいながらそっとマイクに向かって
「課長、あと天童が言っていたんですが船の後方40度の方に一隻小型船が停泊してます」
と告げた。
桐谷世羅はそれを聞くと操舵室のレーダーを見ている警察官に
「後方40度に停泊している船はあるか?」
と聞いた。
それに「あります」と答えた。
桐谷世羅は頷いて省吾の元に戻り
「根津、一人で121名の動きを追えるか?」
と聞いた。
省吾は笑顔で
「大丈夫ですよ」
と答えた。
「俺、得意ですから」
確かに試験や対人関係などは合格レベルではないが、ITや機械上の情報集積蓄積能力は極端に高かった。
正に適材適所を選ばなければならない方向性の人間だろう。
所謂特化型という奴だ。
「それは東大路や天童にも言えるが」
と桐谷世羅は呟き
「じゃあ、頼む」
と踵を返して操舵室を後にした。
省吾は画面の中で複雑に動く121個の点を見つめその行動の軌跡を全て掌握していた。
同時に異様な動きをする番号を二つ視認していたのである。