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警狼ゲーム  作者: 如月いさみ


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新潟県警の狼 7

 神生波留は運転しながら

「いえ、35歳から60歳まで村上署刑事課におられました。俺はその最期の生徒で」

 と懐かし気に告げた。

「その後、再雇用されて雷駐在所に戻られたんですよ。元々は雷駐在所で35歳まで勤務されていたので」


 ……ただ秋田県警については信用して良いと思いますよ……

「秋田県は隼峰家という神代の土地と言われているので強ち白木さんが言うのはハズレじゃないんですよ」


 桐谷世羅は驚きながら

「なるほど」

 と応え

「しかし、あれだけの人ならノンキャリアでももっと出世しただろうに」

 と心で呟いた。


 神生波留はそれを見越したように

「凄すぎたんですよ」

 とさらりと告げて車を走らせ続けた。


 桐谷世羅は新潟駅まで送ってもらうとその足で新幹線に乗って東京へ戻った。翌日、フロアで翼と由衣と省吾の三人に『勝尾時春』のことと『松本圭也』のことを伝えた。

 その上で

「新潟県警で再雇用の駐在員の白木啓介警部補に助力を願っている。率先して連携をとれ」

 と告げた。


 率先して連携をとれ……と言われ、翼も省吾も由衣も顔を見合わせた。どんな凄い人なのか気になったのである。三人は返事をすると書類を纏めた。


 翼は省吾と由衣が用意した新潟県警の一覧と勝尾時春と松本圭也の身上書を見て

「……この二人か」

 と呟き

「でも、人に成り代わるなんて可能なのか? ましてそれを見抜くなんて」

 と心でぼやいた。


 ただ翼の思考を埋めているのが不安であった。


 確かに人狼ゲームは出来る。それにJNRの人間の空気も恐らくは自分の方がよく読める。だが、それだけではダメなのだ。狼を見つけ出して屈服させ……そして、他の人間を鼓舞する。心を動かさなければならないのだ。


 今までその部分を将が担当してきたのだ。


 翼は息を吐き出すと組織の人間の可能性がある人物を交えて10名ほどを拾い出し

「すみませんが、出かけてきます」

 と立ち上がった。


 省吾も由衣も顔を向けた。桐谷世羅は全てを見抜いているように

「おう、東大路に宜しく言っておいてくれ」

 と告げた。


 翼は頷くと

「わかりました」

 と応えてフロアを出ると将が入院している病院へと向かった。


 桐谷世羅は不意に

「そう言えば、東大路の母親と瀬田祥一朗が話をしていたみたいだがどういう関係なんだ?」

 と思い出しながら心で呟いた。


 瀬田祥一朗はJNRの六家の一人である。同じ鹿児島に六家の一人である松村当二もいた。あと、4人。その一人が山形県警で問題を起こそうとしていた人間なのだろう。

 なるみ礼二の後を引き継いで駐在所に勤めた6名が恐らくは六家なのだ。名前と住所は分かっているが何もなく踏み込むことは出来ない。


「あの瀬田祥一朗も結局は鹿児島で起きた全ての事件には関わっていなかった」

 だから捕まえることが出来なかったのだ。


 その小さな呟きに菱谷由衣は視線を一瞬向けたものの直ぐに作業に戻った。


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