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警狼ゲーム  作者: 如月いさみ


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112/161

新潟県警の狼 5

 雷駐在所で定年後も再雇用で駐在員を続ける白木啓介も

「いやぁ、寒いところすみませんねぇ」

 とにこにこと笑うと奥の生活空間にあるポットでお茶を入れて二人の前に置いた。

「もうねぇ、ここは本当に雪が凄くて……雪掻きで腕が太くなりそうで」


 桐谷世羅はひょろーんとした白木啓介を見て

「いやいや、全然太く見えねぇんだけど」

 と心で突っ込みながら苦く笑って

「面白い駐在さんだ」

 と呟いた。


 神生波留も肩を竦めると

「そうなんですよ」

 と言いながらお茶を飲んだ。


 桐谷世羅も「いただきます」とお茶を飲んだ。


 白木啓介はそれを見ると

「貴方はぶっきらぼうに見えますが、内面は全く違いますね。とても繊細で責任感も強い」

 と言い正面に座り表情を変えると

「貴方なら信頼できます」

 と告げた。


 桐谷世羅は目を見開くとふっと笑むと

「こりゃ、一角の人間だな」

 と肩を竦めると

「それで今回の依頼の件をお聞きしたい」

 と告げた。


 白木啓介は頷くと

「実は先日、5年ぶりに県警本部に出向いたんですけどね。警察学校に勝尾時春という教官が5年前の彼と違う人になっている。5年前の教官は良い警察官でした。情も深くでも厳しさもあった」

 と告げた。


 ……。

 ……。

 桐谷世羅は「んん??」と目を細めて、隣に座る神生波留を見た。真面目に本気でこの人物の話を信じたのか? という疑惑の視線である。


 神生波留は息を吐き出し

「正直に言うとある程度は調べています」

 と言い書類を渡した。5年前からの採用された新人警察官の試験成績と卒業時の成績表である。


「勝尾時春は5年よりも前から教官職を担っていましたが極秘に調べたところ2年前から突然本来なら不合格の人間を合格に変更し県本部配下の交番勤務にその人物を回していたことが判明しました」


 ……つまり彼の息がかかった人間が2年前から少なくとも5名以上はいる……


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