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初体験しちゃった岩手

 中国にはこんな言葉があります。

 「自食其果」

 日本では自業自得という意味で使われていて、自分の行いの結果を自分が受けるという意味です。

 今日のレポートは、ある同人作家の初体験を通じてその言葉の意味をまざまざと見せつけられた醜態の様子です。


◇◆◇◆


 まさに文学の街、盛岡。

 とある情報筋の話によると、駅前で高校生が「太宰治がさぁ〜」とか「宮沢賢治なんだけどさぁ〜」と雑談をしている光景が日常茶飯事であるという。

 そんな文学好きが集まる文学フリマ岩手の神様は、曇天模様の隙間からわずかに陽射しがさす――あいにくの空模様の中、普段からあり得ない発言や所作をしている私に怒りと制裁の天罰を与えました。

 発言? 所作? 何をしたの? に関しては過去レポートにありますが、ここでは差し控えさせて頂きます。


 過去最低販売数は前回2025年2月広島の1冊。先日東京も出店しましたが、こちらは目的がイベントでお世話になった方々への挨拶をするというものに重点を置いていましたので、戦いとは位置づけていませんでした。

 しかし今回は完全……つまり100%戦いと位置づけ、選挙でいえば自民党が各地の応援演説に閣僚級を送り込むような、まさに本気の本気。

 まずはこのレポートを初めて読む方のために過去の結果を振り返ります。

初出店

 ◯文学フリマ東京35

 →販売実績11冊。敗退。

 

 ◯コミックマーケット101 

 →販売実績2冊。大惨敗。

 

 ◯文学フリマ広島5

 →販売実績9冊。健闘虚しく敗退。


 ◯文学フリマ東京36

 →販売実績19冊。勝利。

 

 ◯文学フリマ大阪

 →販売実績23冊。大勝利。

 

 ◯文学フリマ東京37

 →販売実績8冊。無惨な敗退。

 

 ◯もじのイチ

 →販売実績10冊。健闘虚しく敗退。

 

 ◯文学フリマ広島(二回目)

 →販売実績8冊。惨敗。


 ○文学フリマ東京38

 →販売実績16冊。薄氷を踏む思いの勝利。


 ○星々文芸博

→日程を間違え、参加出来ないと言う大失態を犯し合同出店の方に多大なる迷惑をかける。不戦敗。


 ◯文学フリマ大阪(2回目)

 →販売実績18冊。健闘虚しく敗退。


 〇文学フリマ福岡

 →販売実績5冊。惨敗。


 〇もじのイチ(2回目)

 →販売実績10冊。勝利


 〇文学フリマ広島(3回目)

 →販売実績2冊。大惨敗。

 

 そして今回の結果は、同人生活初めての販売数ゼロ……無です。

 無とは何か?

●「存在しないこと、何も無いこと、またそれを超越した状態などを指す」


 つまり私の場合で例えると……


●「お客様も存在しないこと、売上も無いこと、またはそれを超越した状態などを指す」


 今回は、日帰りも可能であるにも関わらず前日泊を実施。これだけでも気合いの入れ方がわかると思います。

 到着後は己へのご祝儀代わりに盛岡駅前にある、超有名行列必至高級国産牛使用焼肉店「盛楼閣」で豪快に舌鼓を鳴らしまくり、ホテルでは未完成のコピー本の製本作業1時間。充実した時間を過ごし万全で出店したのにも関わらず、この体たらくです。

 泣き言は置いといて、会場の様子をご紹介します。

 会場は駅からタクシーで7分ほどの商店街の一角にある盛岡産業会館ビル――通称サンビルの7階。

 建物周辺1階には文学フリマ開催を示す案内などがほとんどなく、なんだこれ? みたいにフラっと立ち寄る事は皆無、ビルの7階に会場があり地元の文学愛好家が集まるちょっとコアなイベントという印象でした。

 しかし、会場内はすごくアットホームな空気で、親近感がある会場内アナウンスがそれを更に引き立たせていました。

 広さは広島と同等くらいの印象ですが、多少のブース詰め込み感はありました。しかし通路は広くとられており、レイアウトも増えるであろう参加者に対応すべく、しっかりと練られている様子が伺えました。

 昨年の来場者〇〇人との事でしたので、閑散とする事も予想していましたが全然そんな事はなく、むしろ大盛況と言っていい会場内でした。そんな印象は、一時過ぎくらいに昨年の来場者を上回ったというアナウンスで証明される事になりました。

 前述した通り、今回は無でしたので色々と会場内や周辺を観察出来ましたが、他の文フリと決定的に違うのは見本誌コーナーの人の少なさです。

 各地をご存知の方は見本誌コーナーはどの会場でもたくさんの方が立ち読みをしている印象でしょう。しかし、盛岡の見本誌コーナーはポツポツ人がいる感じでした。

 これはどういう事か? 

 私はこう考えました。

 会場内をブラブラ見ながら、パッとインスピレーションを受けた作品を買うお客様が他の文学フリマより多いのではないか。骨董コレクターが、お宝を収集するような感覚――そんな気がします。つまり、コアな文学好きお客様が多い……という事です。と同時に地域密着イベントとして根づいている事も感じた次第です。


 男女比は4対6くらい、年齢層は決して高くなく、10代20代の若い方も多く、平均年齢を正式に出したらむしろ若い部類に入る文学フリマではと個人的には感じました。それはライトノベル風のイラスト表紙本が意外にも多いというのも証拠であると言えるのではないでしょうか?

 

 今回の敗因

 ①アウェーにも関わらず宣伝活動を怠った。カタログなどの登録も間際で存在がステルス化してしまった。

 ②母親「忘れ物ないの?」→自分「大丈夫だ。問題ない」とリアルに発言したのにも関わらず、敷布を忘れ直置きを余儀なくされた。

③童話が多いのでは?という予想と違い、バラエティ豊かでぶっ飛んだ作品も多く、今回のお客様層にそぐわなかった

④そもそも作品の質が悪い。

⑤天罰

⑥試練


 なんかネタにして楽しんでない? と思う方もいるでしょう。自分に置き換えて考えてみて下さい。なんのやり取りもなく、通りすがるお客様と賑わう周囲の中でジッと待っていただけですよ? そして無という概念を実践した……到底ネタには出来ません。表面上は頭コツンのテヘ!状態、心は雑巾ハンカチ使用の大号泣です。

 私は今までのレポートで全て、結果を正直に余す所なく書いて来た以上、大勝利であろうと恥ずかしい結果であろうとしっかりお伝えして、遠方から応援して頂いた方々に報いたいのです。



 今回の結果を踏まえて、今後の予定は白紙になりました。

 性懲りもなく札幌に参戦するか?

 出店者としての活動は終了し、イベント主催の方に重点を置くか?

 読み専として、ただのうるさい押しかけ迷惑客になり下がるか?

 30分ほど考えさせて下さい。


 そして応援頂いた方々、大変申し訳ありませんでした。

 

 



 

  

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― 新着の感想 ―
 お……、美味しいお肉食べたからよかったじゃないですか……。  すみません。気の利いた事も言えません(´;ω;`)
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