頼んだ
え~~スギ花粉です。楽しんでいただけてるでしょうか?ではどうぞ~~
「「「魔国!!魔国!!魔国!!」」」
魔国の戦士たちの声援を送られながら、カイは両陣営の中央へと向かう
そして・・・・・・・・・・・・・
「「「アートス!!アートス!!アートス!!」」」
そこに、カエデも出てくる
二人は両陣営の間で相対する
昨日のうちに魔王と勇者が一騎打ちをするという噂が広がっていたたため、両陣営は声が出る限り叫びそれぞれの代表者ともいえる者を応援している
「・・・・・カイ」
カエデが二人にしか聞こえないような声で話しかけてくる
「・・何だ?」
「私は考えた…お前が嘘をつくとも思えない。だから実際神聖帝国でそういう事が行なわれてるのかもしれない。だが………そんな事をしているのは一部だけなんじゃないか?小さな村では魔族に襲われてたし」
「・・・・」
カイは黙ってカエデを見つめている
「もし・・もし、そんな事が行なわれているのなら・・許されるべきじゃない。だが、それは内側から変えていくべきなんじゃないか?何も神聖帝国を滅ぼすことはないと思う。そうだ・・私たち二人にできない事なんてないさ・・・・今からでも遅くはない・・だから」
とカエデが真剣に語りかけてくる言葉を・・
「つまらぬぞ!!光の勇者よ!!」
両陣営に響き渡るようなカイの大声が遮った。そしてカイはバッと両手を広げる。
「我こそ・・・魔国を統べる第2代魔王・・・・カイ・リョウザン!!自らの力のすべてを示せ!!その上で……我が勝つ!!」
と拳を天高く突き上げる
魔国陣営から大歓声が上がる
カエデが驚いたようにカイを見つめている。
「・・・カエデ・・・もう止まらないよ」
とカエデにしか聞こえないような小さな声でしゃべるカイ。
そして手袋にどんどん闇の魔力を込めていき、カイの両手が漆黒のオーラを纏う
ザッと地面スレスレになるほど低く構える
「・・・・・・」
それを見てきつく唇を結ぶ。
そしてカエデもゆっくりと鞘から刀を抜き放ち・・・・その刀は光の魔力を込められ、眩いばかりに光輝く
しばらく…二人は見つめあったまま動かない。互いに時を待っている気配がある。
ひゅ~~~っと風が吹き……二人の間を吹き抜ける
そして……二人は激突した
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「ハァァァァァァ!!」
カエデが上段から斬りかかってくる
その攻撃に対して両手を交差させ、器用に鉄鋼で受けるカイ。
「く~~~セイ!!」
とそのままの状態から、無理やり刀の軌道をずらしそこから様々な足技を繰り出す。
それを攻撃をすでに予測していたのか、バッバッバっとバク転をして後ろへと間合いをとる
だが、カイもその動きに合わして跳躍する
「ウラァァァァァァァァ!!」
かなりの高さから拳を叩きつける。
「く!!!」
とそれを転がりながら避けるカエデ。
ドゴ―――ン!!っと凄まじい音が響き渡り、地面に穴があく。
そしてすぐさま立ち上がると、片手をカイの方へと向ける
「は!!」
光の球体が次々と凄まじいスピードで飛んでいく
だが、それをすべて魔力の込めた手刀で真っ二つにしていく
その隙をつきあっという間に間合いを詰めてくるカエデ。
カイの首を狙った突きが凄まじいスピードで繰り出される
それを紙一重で避けるカイ、頬を少しかすめた。つーーっと血が垂れる
その一瞬の時を逃さず、正拳をカエデの体に叩き込もうとする。
だが、それは刀の柄で防がれる。そして両者はぱっと間合いをとる。
(さすがカエデだ…向こうの世界にいた頃よりも強くなっている……けど)
「ハァァァァ!!」 「ウラァァァァ!!」
と両者ははせちがう。
その時、カエデの刀がいつの間にか鞘に収まっている事に気付いた
(やばい!!)
キン!!という鞘から刀が抜かれた音がかろうじて聞き取れた
カイは身をのけ反らすようにして、ギリギリのタイミングで神速の居合抜きをかわす。
そして転がるようにして離れる
(何て速度だ……目でとらえられなかったぞ!!)
カエデはまた刀を鞘におさめて居合抜きの構えをとる。それに対してカイも突撃の構えをとる。
パッと両者が同時に接近する。
キン!!とカエデの居合抜きが繰り出される。
それをシュンっと体を屈める事で何とか避け、そしてその屈んだ勢いを利用して、足払いをかける。
それをひゅっと跳躍して避けるカエデ。
だがカイは、空中で身動きがとれなくなったカエデに対して、雨あられと闇の魔力を放出する。
「く!!」
カエデはそれを刀で弾き飛ばしながら、地面へと着地する。
一瞬……着地した時にグラッとカエデが態勢を崩す
カイはその一瞬の隙を見逃さなかった
「ふ~~~~は!!」
瞬時にカエデの懐へと飛び込むカイ
そしてカエデの鳩尾に・・・・魔力を込めない・・・・・拳を叩きこむ
ぐっと苦しそうに息を吐き出すカエデ
「・・・カ・・イ」
「ごめんな……カエデ……少しばかり寝てろ」
ガクッと気絶するカエデと、それを支えるカイ
そして大声で宣言する
「光の勇者は・・・我・・魔国第2代魔王・・・カイ・リョウザンが討ち取った!!」
魔国では歓声が・・・・神聖帝国には衝撃がはしり、すぐに撤退を始めようとする
「リサ!!機動力のある部隊を率いて回り込め!!絶対に帝都の方へと行かせるな!!」
「は!!」
とリサが魔族の一部隊を率いて走り去っていく。
それをカエデを支えながら、見つめるカイ。
(・・・・・後は頼んだぞ・・・北の王!!)
少しの間。北の王編がメインになります。こちらしか読んでない人はごめんなさい。まぁ…2・3日したらこっちもまた始まると思いますので。