決めた
え~~楽しんでいただけてるでしょうか?ではどうぞ~~
魔国の軍勢がまた壁を越えて進軍してきた・・・・だが神聖帝国の中央軍は、北部との闘いのために北上していた
しかし・・・帝都の数少ない守りだけでは魔国の軍勢に対抗する事ができない
だから、劣勢にもかかわらず東へと一部を送らざるをえなくなったのだ
そして今…神聖帝国の陣営から魔国の軍勢を見つめている人物がいた
腰に刀を吊るした・・白い髪の女性…カエデである
「・・・・・・・・・」
その顔は少し険しい。
(魔王との闘い・・今でも覚えている・・完全なる敗北だった・・後少しで確実に死んでいただろう)
ギルバートと名乗った魔族の男との死闘・・・凄まじい腕だった
ただ…記憶に残っているのは…あの言葉だ
「・・・・・・・・・・カイは自らの意思で我に仕えているのだ」
ギュッと刀を握り締める
自分はあの言葉で・・頭に血がのぼってしまったのだ。そして後れをとる事になった。
刀を吹き飛ばされ、丸腰同然になってしまった。死を覚悟した・・・だがその時、魔王は突然大量の血を吐いた。そして自分の目の前で地面に膝をついてしまった。
チャンスだった。絞め殺す事もできただろう・・だが正々堂々の勝負で負けた上に、そんな事が許されるのか…一瞬躊躇してしまった。
そして・・・・・・・カイに会った
私は見た・・・心配そうに魔王の元へと駆けつけるカイを。そう…私ではなく魔王を助けようとしたカイを
ショックを受けなかったといえば嘘になる
それを誤魔化すように帝都に戻ってからは必死に鍛錬に力を注いだ・・・もう二度と後れはとらない。
そして…今や新しい魔王が誕生したらしい
(・・・・・・終わりはあるのだろうか。今の魔王を倒しても次の魔王が現れるだけで、根本的な解決にはならないんじゃないのか)
そこまで考えて・・・・・・ふっと笑う
「・・・私らしくもないな。弱音を吐くなんて」
今まで・・・こんな弱気になった事はない。いつも隣には・・・・カイがいてくれたから
(・・カイ・・お前はまだ将軍として魔国にいるのか?何か・・・訳でもあるのか)
・・・・・・・・・・・・・迷い・・か。
自分に迷いがあると見抜いてくれたのは、ジョルン将軍だった。それが武人にとって最大の敵であるとも言ってくれた。
だが、そのジョルン将軍も今や神聖帝国にはいない。北部へと下り、自ら鍛えた精鋭たちとぶつかる事になるのだ。
どのような思いがそこにあったのかは、私には分からない
神聖帝国内のごたごたは避けるようにはしていた。自分の力はあくまで人間族を魔族から守るために使うべきだとも思っている。
自分が魔族達と戦うことには何の迷いもない。あのゴブリン達に襲われていた村。今思い出しただけでも、虫唾がはしる。略奪され・殺され・凌辱される力のない者たち。・・・・・あの時、自分のやるべき事を決めたのだ。
そこに一人の兵士が伝令にくる
「光の勇者様・・エリシア姫がお呼びです・・緊急の用件という事です」
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本陣には他の将軍達と共にエリシア姫がいた。
「カエデ様・・魔王が代表者二人での話合いを望んでいます」
「話し合い?・・・何を今さら、侵攻してきて話し合いも何もないだろ」
とカエデは呆れたように言う。
「はい・・罠かもしれません。ですが・・・」
とかなり言いにくそうにしているエリシア
「???」
「・・・・これを」
と紙を手渡される。おそらくそれが、魔王からの手紙なのだろう。それを手に取り目を通す
「!!!」
戦慄がはしった・・内容にではない・・内容はエリシアが言った通りの事が書いてある
だが・・・・・・・・・・
「・・・・代表者二名での話し合いを希望する。受けられたし。
・・・・・・・・・・・・・・・・・魔国第二代魔王
・・・・・・・・・・・・・・・・カイ・リョウザン・・・だと!!」
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