敬語
え~~スギ花粉です。楽しんでいただけてるでしょうか?ではどうぞ~~
北の王との会談を終えて、カイとリサはアゴラスへと戻ってきていた
そして謁見の間に将軍たちを集めている
「フォッフォッフォ・・つまり・・我らは神聖帝国の一部の引きつければいいという訳ですかな?」
「その通りだ・・バリスタン。だから、全軍ではなく先の戦で負傷していない者たちだけでも十分だ。直ちに準備してくれ。みな・・これが成功すれば、神聖帝国の東部が魔国領となる。かつてそこで暮らしていた者達もいるだろう」
その言葉を聞き謁見の間がざわつく・・・それはそうだろう。自分たちの奪われた地を取り戻せるだけでなく、もしかしたら・・・・・あの神聖帝国が滅びるかもしれないのだから。
「みんな・・・先の戦からあまり時がたっていないから大変かもしれない・・けど頑張ってくれ!!進撃する!!」
「「「は!!」」」
と将軍たちは早足で謁見の間を出ていく
「バリスタンは、兵糧の確認を。リサは機動力のある部隊を集めてくれ、後マリアに執務室に来るように伝えておいて」
「「かしこまりました」」二人も謁見の間を後にした
・・・・・カイも自分の部屋に戻ろうと、早足で廊下を歩く
その廊下の途中に・・・・・・・・・・レンがいた。
「や、やぁ・・・・レン」
ガクガクと、手を上げる
「???・・・・侵軍するのか?」
「あ、ああ・・そうだよ・・ダイジョウブダヨ」
「・・・・カイ・・・お前・・・何か変だぞ」
「え?変?やだな~~~・・・ハハハハハ・・・ダイジョウブ・・・・いつも通りさ」
「・・・・・怪しい」
ブンブンブンブンっと手を振る
「そんな・・怪しいだなんて・・・・そんな訳ないよ・・ハハハハハハ」
と、ピュ~~ピュ~~っと口笛を吹いて何も隠してない事をアピールするカイ。だが・・逆効果だったようだ・・・
「…何なんだ・・イライラする。言いたい事があるなら、はっきり言ったらどうだ」
「・・・・・・・」
カイは下を向いて小さな声でぶつぶつ言っている
「・・・・聞こえない」
「・・・・・・・・・・・・少し前に・・ソロス・スタットックに会った」
「!!!!」
レンが、1歩下がる
「・・・・色々話したよ・・異世界の事・・・・戦略のこと・・・そして・・レンの事もね」
「・・・・・まさか・・あの馬鹿」
「・・そう・・レンは、小さい頃に家を飛び出して・・・傭兵になった」
そして、カイは俯いて・・・チラッチラッ・・・・とレンと見ている
「・・・レン・・いや・・・・・シ―レン・スタットック。あなたは、スタットック家の跡取りだったんですね」
「・・・・・・・」
「ほ、本当にごめんなさい!!俺・・何も知らないで・・・」
レンは頭をゆっくりと横にふる
「・・・・・・もういい・・その敬語をやめろ」
「そんな・・・ですが・・」
「やめろと言っている!!」
とレンが一喝する
「シ―レン・・・」
ジャキっと赤い槍を向けられた・・・・その目に怒りを灯らせている
「俺を・・・・その名で呼ぶな!!シ―レン・スタットックは、あの日死んだ。生まれてから一度も切った事がなかった自らの髪を切り、俺は・・シ―レンとも、スタットック家とも決別した。お前の前にいるのは・・ただの一人の傭兵だ。・・・カイ・・お前は俺が男だから友になったのか?・・女だったら態度を変えるのか?」
「いや・・そんな事は・・・・」
「・・・じゃあ・・何も問題ない・・・女だからって鍛錬で手を抜いたりしたら殺すぞ・・・」
と凄まじい闘気を立ち上らせて、こちらに槍を向けているレン。カイはなぜか安心した。それが・・・・・俺が知っているレンだ。
「・・・・・・わかった・・今まで通りレンでいいんだよね?」
「・・・・・・ああ」
と・・・・・・二人は照れ臭そうに笑いあった・・・・・
そこで終わらしておけば何も問題はなかった、だが・・・やはりカイだった。
「あ!!でも・・・・」
「・・・何だ?」
「俺・・・あの・・・宿で・・・」
「・・・・宿で何だ」
「お、俺・・一緒にお風呂に入ろうとか・・その・・・服を脱げとか・・女の子にあんな話を・・・・あの・・その」
カイはしどろもどろになる。レンの顔がみるみる真っ赤になっていく
「・・・・忘れろ・・」
「え?」
「忘れろ!!!」
魔王陛下が戦の前に死にそうになっていた事は・・・・・・・誰も知らない
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