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王たちの宴  作者: スギ花粉
85/200

敬語

え~~スギ花粉です。楽しんでいただけてるでしょうか?ではどうぞ~~

北の王との会談を終えて、カイとリサはアゴラスへと戻ってきていた


そして謁見の間に将軍たちを集めている


「フォッフォッフォ・・つまり・・我らは神聖帝国の一部の引きつければいいという訳ですかな?」


「その通りだ・・バリスタン。だから、全軍ではなく先の戦で負傷していない者たちだけでも十分だ。直ちに準備してくれ。みな・・これが成功すれば、神聖帝国の東部が魔国領となる。かつてそこで暮らしていた者達もいるだろう」


その言葉を聞き謁見の間がざわつく・・・それはそうだろう。自分たちの奪われた地を取り戻せるだけでなく、もしかしたら・・・・・あの神聖帝国が滅びるかもしれないのだから。



「みんな・・・先の戦からあまり時がたっていないから大変かもしれない・・けど頑張ってくれ!!進撃する!!」


「「「は!!」」」


と将軍たちは早足で謁見の間を出ていく


「バリスタンは、兵糧の確認を。リサは機動力のある部隊を集めてくれ、後マリアに執務室に来るように伝えておいて」


「「かしこまりました」」二人も謁見の間を後にした


・・・・・カイも自分の部屋に戻ろうと、早足で廊下を歩く


その廊下の途中に・・・・・・・・・・レンがいた。


「や、やぁ・・・・レン」


ガクガクと、手を上げる


「???・・・・侵軍するのか?」


「あ、ああ・・そうだよ・・ダイジョウブダヨ」


「・・・・カイ・・・お前・・・何か変だぞ」


「え?変?やだな~~~・・・ハハハハハ・・・ダイジョウブ・・・・いつも通りさ」


「・・・・・怪しい」


ブンブンブンブンっと手を振る


「そんな・・怪しいだなんて・・・・そんな訳ないよ・・ハハハハハハ」


と、ピュ~~ピュ~~っと口笛を吹いて何も隠してない事をアピールするカイ。だが・・逆効果だったようだ・・・


「…何なんだ・・イライラする。言いたい事があるなら、はっきり言ったらどうだ」


「・・・・・・・」


カイは下を向いて小さな声でぶつぶつ言っている


「・・・・聞こえない」


「・・・・・・・・・・・・少し前に・・ソロス・スタットックに会った」


「!!!!」


レンが、1歩下がる


「・・・・色々話したよ・・異世界の事・・・・戦略のこと・・・そして・・レンの事もね」


「・・・・・まさか・・あの馬鹿」


「・・そう・・レンは、小さい頃に家を飛び出して・・・傭兵になった」


そして、カイは俯いて・・・チラッチラッ・・・・とレンと見ている


「・・・レン・・いや・・・・・シ―レン・スタットック。あなたは、スタットック家の跡取りだったんですね」


「・・・・・・・」


「ほ、本当にごめんなさい!!俺・・何も知らないで・・・」


レンは頭をゆっくりと横にふる


「・・・・・・もういい・・その敬語をやめろ」


「そんな・・・ですが・・」


「やめろと言っている!!」


とレンが一喝する


「シ―レン・・・」


ジャキっと赤い槍を向けられた・・・・その目に怒りを灯らせている


「俺を・・・・その名で呼ぶな!!シ―レン・スタットックは、あの日死んだ。生まれてから一度も切った事がなかった自らの髪を切り、俺は・・シ―レンとも、スタットック家とも決別した。お前の前にいるのは・・ただの一人の傭兵だ。・・・カイ・・お前は俺が男だから友になったのか?・・女だったら態度を変えるのか?」


「いや・・そんな事は・・・・」


「・・・じゃあ・・何も問題ない・・・女だからって鍛錬で手を抜いたりしたら殺すぞ・・・」


と凄まじい闘気を立ち上らせて、こちらに槍を向けているレン。カイはなぜか安心した。それが・・・・・俺が知っているレンだ。


「・・・・・・わかった・・今まで通りレンでいいんだよね?」


「・・・・・・ああ」


と・・・・・・二人は照れ臭そうに笑いあった・・・・・


そこで終わらしておけば何も問題はなかった、だが・・・やはりカイだった。


「あ!!でも・・・・」


「・・・何だ?」


「俺・・・あの・・・宿で・・・」


「・・・・宿で何だ」


「お、俺・・一緒にお風呂に入ろうとか・・その・・・服を脱げとか・・女の子にあんな話を・・・・あの・・その」


カイはしどろもどろになる。レンの顔がみるみる真っ赤になっていく


「・・・・忘れろ・・」


「え?」


「忘れろ!!!」


魔王陛下が戦の前に死にそうになっていた事は・・・・・・・誰も知らない

誤字・脱字ありましたら。感想・意見待ってます。励みになるので

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