北の王
え~~スギ花粉です。楽しんでいただけたら幸いです。毎日の更新がきつくなってきました。休む事もあると思います。許して下さい
今・・・・カイとリサはジェミンに跨ってサイロ村へと向かっている。それに続くように数百のベアウルフ達が疾走している。
「・・なぁ・・ジェミン・・後どれくらいで着く?」
{はい・・・もう・・すぐそこでございます}
凄まじい速度で、迫りくる木を避けながら答えてくれるジェミン
「そうか・・ジェミンのおかげでかなり楽ができたよ」
「・・・・陛下・・そろそろ下りた方がいいのではないでしょうか?」
リサが後ろから話しかけてくる
「うん?何で?いいんじゃない?せっかくだし、近くまで行ってもらおうよ」
「・・・・・」
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「魔獣だ!!」 「大量のベアウルフが現れたぞ!!」 「お、応援を呼べ!!」 「馬鹿野郎!!早く陣形を組め!!」
・・・・・・・・目の前の軍の野営地が大混乱に陥っていた・・・・・・・・
「・・・・何か大騒ぎになってない?」
それを聞き、自分の後ろに乗っていたリサはハァ~~とため息を吐きながらジェミンから下りる
「当たり前です。魔物でさえ簡単に人間をかみ殺すのですよ・・・・それが魔獣ともなれば当然の反応といえます。しかも・・・こんなに大量のベアウルフ・・・」
カイ達の周りを数十匹のベアウルフ達がグルルと唸りながら、兵たちをけん制している
だが、ジェミンに厳命されてるからなのか・・・一定の距離をしっかりと保っている
「お、おい・・・魔獣の中央に誰かいるぞ」 「まさか・・」 「見ろ!!あれは・・・」
と、ざわざわと兵たちがカイとリサに気付き始める
「わ、我らは!!北の王の軍勢である!!な、何者か!!」
指揮官らしき女性が声を震わせながら、叫んでいる
カイはそれを聞き、ジェミンに跨ったまま答える
「魔国・・・第2代魔王!!カイ・リョウザンだ!!北の王との会談のために参上した!!至急取り次いでもらいたい!!!」
それを聞いた軍勢はさらにざわつき始める
「わ、分かりました!!しばらく・・そこでお待ちください!!」
誰かが慌てて走り去っていくのが、こっちらかでも見えた
北の王の軍勢は、警戒をまったく解いていない。今この時にも、槍部隊を前に並べ、魔法撃隊や弓兵を配置し始めている
「・・・・警戒されてるね~~」
「まぁ・・仕方がないとはいえ・・我らが陛下に対して、いささか無礼に感じますね」
とリサが憤慨している。それに苦笑するカイ
「そんな事気にしないよ。・・・さて・・・・北の王とはどんな人物・・かな?」
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両陣営・・北の王の軍勢と・・・ベアウルフ達が睨みあったままの形で時が過ぎる
しばらくすると・・・軍勢から10人程度の騎士に囲まれ、一人の茶髪の青年が現れた
ゆっくりと馬でこちらに近づいてくる
(・・あれが・・北の王・・か。報告には聞いてたけど・・・・やっぱり若いな。・・文官としての力量は群を抜いていて、相当のキレ者らしいし。俺・・・・・ちゃんとできるだろうか・・・・・・
・・・・・・・うん?・・・あれ・・う~~~~ん?・・・・・何だろうか・・・・・よく分からないけど・・・・・落ちつかない)
カイは北の王を見つめながら、意味不明のもやもやを感じていた
そして、北の王と10人の騎士たちがカイ達の目の前で止まる
カイは早速、その青年へと挨拶をする
「初めまして・・・魔国第2代魔王・・・・カイ・リョウザンです」
「北の王・・・ソロス・スタットックです。これらの者たちは私の護衛です。レイスが狙っている可能性があるので・・しかし・・・魔王は・・・・素晴らしい護衛を引き連れていますね」
「ありがとうございます」
と、にこにこ笑うカイ。それをじっと見つめる北の王。
「・・・・・・・・さて・・・・早速ですが始めてもよろしいですか?今も我が北部は神聖帝国と闘っておりますので、時間を無駄にしたくはありません」
「もちろんです」
「会談は森の中で・・私と魔王・・二人きりで行いたいと思いますが・・いかがですか?」
「いいでしょう・・・・・護衛はジェミン・・頼めるかい?」
カイは跨っているジェミンに話しかけると、
{ご安心ください・・・周りは我が一族が死守いたします}
グルルっと唸る
「北の王・・それでいいでしょうか?信じてもらうしかないんだが・・」
「・・・信じましょう・・・・あなたが闇討ちをするような人物だとは思っていませんから」
(・・・その自信はどこから?・・見透かされてるのかな?)
とカイは少し不安になる
「では、参りましょうか」
というと、カイは北の王と共に森の中へ入って行った
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