目標
え~~スギ花粉です。今日のは少し分かりにくいかな?まぁ・・気持ちが伝わればと思います。纏める件ですが・・このままでいこうかと思っています。大変なご迷惑をおかけしました。
弘人・モスラ・海淵・yasu・福太郎・兄様降臨・かな?・仁狼・仮名駄・・・・纏める件に関してアドバイスありがとうございました。メッセージを送ってくださった方もいました。感謝しています。
・・・・森を抜けると、そこは岩山だった
その岩山の先端がジャーン湖の真上に突き出した格好である
そこに・・・・・1本の剣が突き刺さっている
見間違えようもない・・・・・・・・兄様の剣だ
陛下はその剣の前まで進むと、その前でどさっと座り・・胡坐をかいてじっと見つめている。
しばらく黙って見つめていたが・・・ある変化が訪れた
「やぁ・・・久しぶりだね・・・ギル」
と兄様の剣に向かって陛下が喋り始めたのだ・・・・
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「・・・・・・・・俺なりに、頑張ってるよ・・・大変だけどね。そうだ!!お前~~書類とか残していくなよな・・・・めっちゃ大変なんだぞあれ!!・・・・・・そうそう・・・レンが中庭でまた鍛錬とかいって木へし折っちゃってさ!!それで何て言ったと思う?・・・・・・頑丈じゃない木が悪い・・・・・ってさ。レンの攻撃に耐えられる木何てないっての!!」
リサはその様子を少し離れた所から、黙って見つめていた。
陛下は楽しそうに剣に話しかけている
{・・・あなた様は・・ギルパート様の妹君ですね・・}
と、ジェミンと呼ばれているベアウルフが急に話しかけてきた
「え?・・・あ・・・は、はい。私はリサ・ジェーミソン。ギルバートは私の兄です」
{・・・・・・・・・その銀髪・・・・・・・懐かしく思います}
「・・・・・・」
{・・リサ様は・・・ギルバート様とお話にはなりませんか?・・・}
それを聞き、陛下の方に視線を戻す
「・・・・・・・・あれはただの剣です・・・・兄様ではありません。兄様はもう・・どこにもいないのですから」
そう冷たく言い放つリサに対して・・・・・ベアウルフはこういった。
{いいえ・・・ギルバート様はあそこにいらっしゃいます}
「馬鹿な事を言わないで下さい!!」
いつにも益して声を張り上げてしまう
(私は・・・・・・私は見たんだ・・兄様の最後を・・・だから・・・だから・・・兄様はもうどこにもいない!!)
だが、そのベアウルフは淡々と続ける
{私は昔、ギルバート様を殺そうと襲いかかったことがございます。もちろん返り討ちにあいましたが・・・・・当然殺されると思っておりました・・魔獣なのだから当然でありましょう。
ですが・・・ギルバート様は私にこう言ったのです
「ふ~~む・・・・・・・我は釣りがしたいのだがな・・・・・ベアウルフとは喋るのであろう?どこか穴場を知らんか?・・・知ってたら・・・・・・案内せよ!!」
・・・・変わった方でありました・・・・・魅力的とでも申しましょうか・・・・
それからは・・・・・しばしば、ギルバート様はここにいらっしゃっておりました。私は横に控えていただけですが・・・ギルバート様は様々な事を語って下さいました。魔国の事・・自らの夢の事・・もちろんリサ様の事も聞き及んでおります。
そして・・・・・・・・・・・・自らの病の事を・・・・・
私には見えるのです・・・・あの崖の先に座り楽しそうに釣り糸を垂らすギルバート様の姿が・・カイ様にも見えているのかもしれません}
とそのベアウルフはじっと突き刺さっている剣の先を見つめている
(馬鹿げてる!!・・・・・・・・・・・・・・・・・そんな事あるはずない!!!
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・でも・・・でも・・・・・もし)
リサは自分が震えているのに気がついた、そして何とか言葉を紡ぎだす
「・・本当に・・・・本当に、兄様はあそこにいるのですか?」
{はい・・・いらっしゃいます}
「・・・・・・・・・」
(端からみたら馬鹿みたいな事かもしれない・・でも・・もしそれが本当なら・・・私は兄様に言ってやりたい事が山ほどあるんだ!!)
リサはゆっくりと剣が突き刺さっている岩山の先端へと近づいて行った
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カイは剣を見つめたまま、立ち上がる。
「さてと・・・・ギル・・・俺はこれから、北の王との会談だ。どんな王なんだろうね。はぁ~~・・・・ハハハハ・・魔王になってから、ため息が増えたような気がするよ・・これもお前がいなくなるのが悪いんだからな」
と少し皮肉るように喋るカイ・・そこに
「その通りです」
という声と共に、リサがカイの隣を通り過ぎ・・・ずいっと剣の前に立つ。
「リサ・・・」
カイは急に現れたリサに驚く。だが、リサはそんなカイにお構いなく・・す~~と大きく息を吸い込む。そして・・一気に喋りだした
「兄様・・あなたは本当に勝手な方です。私が仕事を持っていけば、嫌だの・・お腹がいたいだの・・・・・・明日世界が滅亡するからとか・・訳の分からない事ばかり言って・・・逃げる事ばかり考えて・・・・略・・・
まったく・・・ド―ドル君などという珍妙な喋る鳥まで用意して、どこで見つけてきたんですか!!それから・・・・ドワーフの方々まで呼んで城に抜け穴なんて掘らないで下さい!!埋めるの大変だったんですからね!!それから・・・それから・・・」
そこで、ぎゅっと拳を握りしめる
「・・私は!!・・・・・・・・・・・・・兄様に死んでほしくなかった!!」
「・・・・・・・」
それを後ろから黙って見つめるカイ
「めちゃくちゃな兄だった・・・私に迷惑ばかりかけて・・・・」
目が潤んできてしまう
「・・いくら怒っても・・全然・・・直してくれなくて・・・」
もう・・・一生分泣いたはずなのに・・・・・
「それでも・・・・兄様は・・・いつも・・やさしくて・・・かっこよくて・・・・私の目標だったのに・・・・」
受け入れたはずだった・・・でも・・兄様のいない世界は・・・想像以上につらかった
「言いたいことだけ言って・・急にいなくなったら・・・・・・困るじゃないですか!!・・・・悲しいじゃないですか!!」
涙が止まらない・・・・溢れ出てしまう
「・・・・私たちを導いてくれるんじゃなかったんですか?・・・いつまでも・・私の前を歩いてくれるんじゃなかったんですか?・・・私は・・・・・・いつまでも・・生きて欲しかった」
「・・・リサ」
・・・私は泣き崩れてしまった・・・
そんな私を・・・・・・陛下は・・・やさしく抱きとめてくれた
私は・・・・・・・初めて・・・・・・・人の胸で泣いた
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