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王たちの宴  作者: スギ花粉
8/200

え~~前話が短めなので・・投稿しました

この小説は書き溜めたもので、決して書くのが速いわけではありません

毎日更新すると思います

楽しんでいただけたら幸いです

   


「ふ~~~、やれやれ」


首をコキコキ鳴らしながら、街道へと戻ろうとする。

  

「!!」

  

頭上から、何かが降ってきた


カイは、バッとそこから飛び退く。


ドス!!


今まで自分がいたはずの所に、真赤な一本の槍が突き刺さっていた。


ぱっと、槍が降ってきたほうを見上げる。


そこには、木の枝にのって黒いローブを身につけ、マスクで顔を半分隠している赤毛の男がいた


そこから、すっと飛び降りると地面に突き刺さっている槍を引き抜く。


   

「・・・・・・・・」

   

目の前のそいつは、黙ったまま自分に槍をむけてくる


その赤い槍が、赤いオーラを少しづつ纏っていく


(あれは・・・炎の魔力を込めてるのか?神聖帝国の近衛兵でもあんな立ち上るようなオーラを放ってなかったぞ・・)


相手から凄まじい闘気が立ち上る。


さっきの奴らの比ではない。しかも・・・・・

   

(相当できる・・・・・・油断すれば・・・・死・・・・・)


カイは自然と構えをとる。


そして闇の魔力を鉄鋼のついた手袋に込める・・・両手を黒いオーラが包む

  

それを見た赤毛は、少し目を見開いたかと思うと・・・・静かに槍を地すれすれに低く構える。


「何者だ?」


「・・・・・・赤き狼」


それだけいうと槍を突き出してくる。


それを何とかぎりぎりで避けて、パッと後ろに跳び間合いをとる。



そのまま膠着する二人。お互いに隙が見いだせない。


気だけが、ぶつかり合った。


カイが一歩踏み込んだ。赤毛は一度退がり、それから前に出てきた。


カイの鉄鋼と赤毛の槍がぶつかり、澄んだ音がした。一度だけだ。


二人の位置は入れ替わっている。


次の瞬間・・・・・カイは3本の鉄針を投げつけた


赤毛はそれを槍を回転させて、それをはじく


弾かれた針は見事にみんな曲がってしまっている


間隙なく何本も投げつけるが、避けるかすべて防がれてしまう


(・・・だめだ・・飛び道具で勝てる相手じゃない・・)


そのまま睨みあう二人


今度の膠着は長く続かなかった


赤毛は跳躍し、カイは地を這うように駆けた


また位置がいれかわる。


叫び声・・・同時だった。


槍の穂先がカイの脇を掠め・・・・


カイの手刀が相手の肩あたりを浅く斬った・・・


(これほどの相手は、久しぶりだ。じいさんが死んでからは、カエデ以来・・・・か!!)


カイは思いっきり拳を打ち込んだ。赤毛はそれを槍の柄で受けた。


束の間、体がぶつかりあう。


飛び退った。


赤毛の槍が二度虚空を突いた


カイの蹴りは赤毛の耳元で風を起こす。


全身をふるわせるようにして、カイは息を吸った。


全然足りなかった。臓器が出てきそうだ


相手もあえいでいる

   

「はぁ・・・・はぁ・・・・・なぜ、俺を殺そうとする?お前たちは・・・・いったい何者だ?」


すると、相手は心外そうにする。


「はぁ・・俺は・・・一人だ・・・」


「は?さっきの奴らの仲間じゃないのか?」


「・・違う」


「俺は、さっきまで襲われてたんだぞ!!奴らの仲間じゃないなら、何で攻撃したんだ?」


「・・この・・死体・・お前がやったんだろ?相当の腕だ・・尋常に・・・・勝負しろ!!」


(・・・・・・・・何だこいつは?さっきの奴らの仲間じゃないのか?)


少し、警戒を解いてじっくりと相手を観察してみる。


(確かに、武器も違うし・・・・何より実力が段違いだ・・・・本当かもしれないな)


カイはそう自分の中で結論を出すと、構えを解いてしまう。


「貴様!!何をしている!!」


「何って、俺を殺すことが目的じゃないんだろ?なら、俺が闘う理由はない」


と、無防備に背を向けて歩き始めてしまうカイ。


「待て!!おい!!」


赤毛は、何かを叫んでいたが、カイは歩みを止めなかった。


==============   =================


カイは街道に戻った


そこには、二人の兵士の死骸が残ったままだった。


「・・・すまない。俺のせいだ」と、死者に対して黙とうを捧げる。


そこに、森の奥から槍を持ってさっきの奴が現れる。


「・・・おい!!」


その声を無視して、カイは近くで一番大きな木に近づいていき、腰を低くし拳を構える。


「ふ~~~~はぁぁ!!」


大木に全身全霊の一撃を加え、粉砕する。


粉々になった破片の中から、ちょうどいい木片を拾い、穴を掘り始める。


「・・・・何をしている?」


「墓を掘ってるんだ・・」


ザクザクと土を掘り返す。


街道の兵士の死骸を見て、それからまたカイへと視線を移す


「・・・・友だったのか?」


「いや、友人と呼べるかは分からない。だが・・・・」


「・・・・だが?」


「彼らは、俺のせいで犠牲になった・・・・せめて・・これくらいは・・・しないと・・・な」


「・・・・・・」


それを黙って見ていた赤毛は、近くの木片を拾いあげると一緒になって掘り始めた。


「お前・・・」


「・・・早く掘れ・・・・さっさと終わりにして・・・続きだ」


「・・・・ありがとな」


カイと赤毛は、二人の墓を共に掘り続けた。

  

誤字・脱字ありましたら

ご感想・アドバイス待ってます。励みになるので

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