一族
え~~纏める件なんですけど・・・感想では半々?ぐらいで微妙なんですよね。少しの間考えてみます。決定したら報告しますんで、よろしくお願いします。
楽しんでいただけたら、幸いです
「よし・・・今日はこの辺りにしとこうか」
カイはリサに話しかける
「・・いえ・・私は・・・・まだ大丈夫です」
と強がりを言ってるが、明らかに疲れた表情をしている
(・・やっぱり少しペースを上げすぎたかな・・)
と少し自分のペース配分を反省する
「・・・もう日も落ちたし・・まだ旅も続くからね・・・それにこれ以上は俺も歩けないよ」
と、説得を試みるカイ
しばらく不服そうに聞いていたリサであったが・・・・
「・・・・分かりました」
と渋々ながら承諾してくれた
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「そんな!!陛下に料理などさせる訳にはまいりません!!」
「いいんだよ・・・俺が好きでやってるんだし」
とカイは慣れた手つきで鍋の準備をし始める
それをオロオロしながら、後ろから見ているリサ
(ど、どうしましょう。わ、私もお手伝いした方がいいのでしょうか・・・・でも・・でも・・料理なんて今までやった事もないし・・・・・)
魔国の将軍として、そして魔王の妹として恥ずかしくないよう・・・礼儀・武術・軍学などは一生懸命に学んできた
・・・・だが、料理なんて学んでこなかった・・・・・・・・・・・・
それは給仕の者の仕事だったのだ・・・・・・・・・・・・
リサが悩んでいる間に、カイはテキパキと料理を作ってしまった
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「ほい・・・・できたよ~~」
とカイはリサにお椀を渡す
「・・・・・いただきます」
と申し訳なさそういって、一口食べてみるリサ
「!!!・・・・お、おいしいです」
(・・城の料理よりもおいしいのではないだろうか)
「そう・・それはよかった」
それを聞いて嬉しそうに、にこにこ笑うカイ
「・・・・・・・・」
リサは何故かは分からないが、敗北感をひしひしと感じた
く~~~と体を伸ばすカイ
「それにしても・・・野宿も久しぶりだ。政務をしなくていいってのは、やっぱり嬉しいね」
「陛下!!何を言われます!!魔国のための大事な職務なのですよ!!」
と怒鳴るリサ・・・・それに苦笑するカイ
「リサは真面目だよね~~。まぁ・・俺はそういう所・・好きだけどね」
「!!!」
リサはそのまま固まってしまう。声を出そうとするが、ぱくぱくと口を動かすことしかできない
そんなリサの様子とは対照的に、普段と何ら変わらない様子のカイ
(・・・今のは・・・特別な意味などではないのでしょうね)
「・・・・・ハァ~~~」
と、何やら肩透かしをくらった気分になる
「ん?どうしたの?」
「・・・・・何でもありません」
「????・・・・・あ!・・リサ、肩に蜘蛛がいるよ」
「え?」
自分の肩を見てみると、カサカサっと蜘蛛が蠢いていた
「ちょっとじっとしてて、今取るか・・」
「ひやぁぁぁっぁっぁっぁぁ!!」
バッと立ち上がると蜘蛛を払い落すためだろうか・・・・ばたばたと忙しなく飛び跳ねている
「・・・・・・」
カイはその様子をポカーンとしながら見ていた
そこでやっと蜘蛛を払い落す事に成功し、ほっと安堵のため息を吐くリサ。
が・・・・何かを感じ取ったのか・・リサはゆっくりとカイを見る・・・・・
・・・カイは咄嗟に目を逸らした・・・・
「・・陛下・・ま、まさかとは思いますが・・私が、蜘蛛ごときに悲鳴を上げたとお思いですか?」
「・・・いや・・」
「違いますよ!!・・違いますからね!!魔国第1将軍であるこの私がたかが1匹の蜘蛛如きに悲鳴を上げるなどありえません!!・・これは・・その・・・・・・・・そう!!怪しげな気配を感じたのです!!」
ぴくっとカイが反応した。すたっと急に立ち上がる。
そして鉄鋼のついた手袋を両手にはめ始める、顔が緊張で少し引き締まっている
「へ、陛下?あの・・その・・・怪しい気配といいましても・・その・・消えたというか・・何というか・・」
リサは自分が適当に言った言葉で、カイが戦闘準備をし始めてしまったので慌てている
だが・・・・・・
「・・・・・・囲まれてる」
「!!!」
リサも、すかさずジャリンと抜剣する
陛下はすでに魔力を込め始めている。その両手を黒いオーラが纏っていく
(・・兄様といい・・陛下といい・・何て強大な魔力・・普通はあそこまで、はっきりと見えないものなのに)
こちらも剣に氷の魔力を込める、剣が薄い膜のようなものを纏う。自分にはこれが限界だ。
「・・・10・・20・・いや・・・100?・・・いや・・もっとか?」
カイは辺りを見渡しながら、真剣な表情で呟く
「そ、そんな」
(い、いざとなったら私が犠牲になってでも陛下だけは逃がさなくては・・・)
その時・・・・・・目の前の茂みから凄まじい気配を感じた
二人は前方の茂みの方を見たまま身構える
ぺタラ・・・・・ぺタラ・・・・・ぺタラ・・・・・ぺタラ・・・
茂みの中から現れたのは・・・・・・・一匹の巨大なベアウルフだった。白銀のきれい毛並みをしている
だが、背や腹に切り傷があり、少し毛が赤く染まっている
{・・お久しぶりです・・カイ様}
「ジェミン!!」
と陛下は手に込めていた魔力を解き、その魔獣に走り寄って行った
リサはかなり驚いた。魔獣が誰かに懐くなど聞いた事もない
そんなリサを余所に、カイは気さくにそのベアウルフに話しかけ始める
「その傷!!どうしたんだ!!」
{何の事はございません・・・・少し斬りつけられまして}
「斬りつけられた?」
{はい・・・お二人の後を気配を殺してつける怪しげな集団がいましたので・・・}
「何ですって!!」
リサは驚いた・・・まったく気づかなかった
「・・・驚いたね・・・俺も気がつかなかったよ」
{かなり遠くから秘かに追っておりました故。ですが・・ご安心下さい。我が一族が殺しておきました}
グルルと、そのジェミンと呼ばれたベアウルフが唸ると、周りからグルルという唸り声が無数に聞こえてきた。
「・・・・闇の軍には通常任務を厳命してるし、報告がないのはおかしい。つまり・・レイスか」
{相当の手練でございました・・・・7人おりましたが、楽な相手は一人もございませんでした。6人は我が一族の者が仕留めました。ですが・・一人は別格です。一族の戦士・・40程斬り殺された所で・・私直々に相手をしました・・これらはその時の傷です・・・・殺す気でやりましたが逃げられてしました。ですが・・・・}
プッと口から何かを吐きだす・・・・・・・・それは人の小指だった
{・・・・・一矢報いてやりました}
グルルっと可笑しそうに唸る
「・・・すまない・・俺たちのせいで」
{いえ・・・ここはベアウルフの領域・・・目的が何であれ・・入った者に容赦は致しません。もちろんカイ様たちへの危害は私が許しませんが・・・・それで・・・あそこへ向かわれるのですか?}
それを聞いたカイは腕を組んで考え込んでいる
「う~~ん、実はサイロ村に向かっててね。今回は行けるかどうか微妙なんだよね」
{・・・・そういう事でしたら、私が足となりましょう。そうすれば、時間に余裕が生まれるはずです・・・・ですから・・お願いします・・どうか会って行って下さい}
「・・ありがとう・・こっちからお願いしたいくらいだよ」
(いったい何の話をしているのだろうか?)
リサは話の内容が分からず、オロオロしていた
「・・リサ・・少し寄り道をしていこう」
「寄り道?いったい・・どこに向かうというのですか?」
陛下はこちらを振り向くと少し悲しそうに・・・・
「・・・・・ギルの所さ」
といった
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