鐘
え~~楽しんでいただけてるでしょうか?毎日の更新が少し辛くなってきました・・・少しペースが落ちるかもしれません。ごめんなさい
では・・どうぞ~~
「魔王の首を獲れ!!!」
と、神聖帝国軍が突撃する
「陛下を護れ!!!」
と、親衛隊も突っ込む
そこはあっという間に大乱闘になった
「「死ね!!魔王!!」」
その隙に神聖帝国の兵士二人がギルに斬りかかってくる
ハァーとため息を吐く
「・・・仕方がない・・・・・・・やるしかあるまいな」
ジャリン・・・とギルは剣を抜き放つ
そして、黙って魔力を込めていく・・・・
その剣がどんどん青いオーラを纏っていき、青白い光を放つ
「ふん!!」
兵士をその鎧ごとあっという間に真っ二つにする
どさっと倒れる兵士たち
氷の魔力を込められた剣が、兵士の血で赤く染まる
「我は魔王なり!!この程度で討てると思うな!!」
そこに馬で疾駆してくる・・・・・・・カエデ
馬上から跳び、その勢いのまま刀で斬りかかる
ギルはそれを紙一重で避け、後ろに跳び間合いをとる
だが・・カエデはあっという間にその間合いを詰める
ギンっ!!
カエデの刀とギルの剣が火花をちらす。
キン!!ギン!!キン!!・・・・・・
何度も何度も刀と剣がぶつかりあう
ブンっとギルが剣を叩きつける、それを後ろに跳び避けるカエデ
その一瞬をつき・・・ギルが手をかざすと、目の前に十数本の氷柱が現れる
それがカエデめがけて一斉に飛んでいく
だが、それを刀ですべて叩き落とす
その隙に今度はギルが、カエデとの間合いを詰める
「は!!」
ギルが剣を思いっきり横なぎにする
それを瞬時に跳んでさけ、くるくると華麗に回りながら見事に後方に着地する
二人は一時的に膠着する
「・・・・・・・・・・・・くくくく、さすが光の勇者よ・・やりおる。それにしても・・カイの言ったとおり刀とは美しいものだな・・何やら芸術品のようにも見える」
ぴくっと、カイの名を聞いたカエデが反応する
「それにしても・・あの絶壁を駆け下りるとはな。我もカイも予想しなん・・・・」
「・・・・!」
「うん?」
「貴様がカイを語るな!!!」
と目に炎を灯らせるカエデ
「・・・・・・」
黙したままのギル
「貴様!!・・カイにいったい何をした!!」
カエデから今までとは比べ物にならない闘気が立ち上る
「・・・・くくくくく・・・そうだな・・カイには色々したな」
「!!!!」
カエデはその答えを聞くと、すぐさま斬りかかる。
だが、ギルはそれを軽くいなし、カエデの腹に蹴りをいれる
「ぐ!!」
と苦しそうに息を吐き、吹っ飛ばされる
すぐに態勢を立て直すカエデ
「ハハハハハ・・冗談だ・・我はカイに何もしておらぬ。カイは自らの意思で我に仕えているのだ」
「嘘をいうな!!」
カエデは跳躍し、上から刀を振り下ろす。
ギルはそれを下から迎えうつ
キン!!
とまた、火花を散らす。
息もつかない攻防が繰り広げられる
「くらえ!!」
カエデの手に光の球が現れ、それがギルへと飛んでいく
「ふん!!」
それを氷の魔剣で真っ二つにする
ギルの後方で二つに斬られた光の魔力が、それぞれ地面を抉る
カエデはされに跳躍し、ギルの急所めがけて息もつかせない攻撃を繰り出す
凄まじい速さだった・・
その攻撃を凌ぎきるのは、簡単なことではなかった
だが・・・・・・・
そんな戦闘中にギルは言葉を紡ぐ
「・・・・・怒り・・・いや・・戸惑い・・か?
お主は信じたいのだな・・・・カイを・・・
自分を助けてくれていた存在が・・・まさか
何か・・・・訳があるんじゃないか・・・
我に操られているのではないか?・・・・・
なるほど・・・・・おもしろい考えだ・・
それならば・・・すべて・・・説明がつくからな」
と、語りかけるように話すギル
「黙れ!!」
カエデが叫び、斬りつける
それを紙一重で避ける
「・・・・・だが・・・・その一瞬の迷いが命とりよ!!!」
とギルも叫び、ギルは渾身の力を込めた剣でカエデの刀をはじいた
刀ははるか上空に舞い、遠くの地面へと突き刺さる
驚きの表情のまま、そこに立ちつくすカエデ
右手に氷の魔剣を持ち、光の勇者を見つめるギル
「・・・・カイには悪いがな・・・・・これで終わりだ!!」
とギルは魔剣を振り上げ・・・・・・・
・・・・・ドクン・・・・・・・・・・
=========== カイ編 ==============
走る・・・・・・・走る・・・・・
(・・カエデとギルが闘ったら・・・どうなる?・・ギルの腕が相当なことは知ってる・・・だが・・カエデも別格だ・・・)
カイが到着した時、本陣では神聖帝国と親衛隊が大乱闘を繰り広げていた
そこに迷わず躍り込む・・・・・・・
そして敵を蹴散らしながら進んでいく
「は!!」
目の前を遮る神聖帝国の兵士に、凄まじい蹴りをみまう
「ぐ」
と、うめき声をあげながら、そこに崩れ落ちる兵士
その兵士を飛び越え一直線に走る
ギルがいるはずのところへ
一歩一歩・・・進んでいく
だが、そこで神聖帝国の兵士が気付き始める
「あれは!!魔国の将軍となった裏切り者がいたぞ!!討て!!討ち取って名をあげろ!!」
うぉぉぉぉぉぉぉぉ!!
と兵士が一斉にカイに突撃する
「どけーーーーー!!!」
その一団にまったくスピードを落とさず突っ込んでいく
「はぁぁぁ!!」
手刀で鎧を砕き
敵が振り下ろす剣を避ける
その一瞬の隙に、蹴りを繰り出し吹っ飛ばす
舞うように跳躍し、鉄針を投げつける
「「「が!!」」」
何人もの兵士がドサドサっと地面に倒れる
目の前を遮る神聖帝国の精鋭を次々となぎ倒し・・・
ただ速く駆けることだけを考える
やっとの思いで中央の本陣にたどり着いたとき・・・・・・・・
カイの目に飛び込んできたのは・・・・・
・・・口に手をあてて膝をつくギルと、それを丸腰で見下ろすカエデという光景だった・・・
「ギル!!!」
カイはすばやく、カエデに向かって鉄針を投げつける
それを肌で感じ取り、後ろに跳んでよけるカエデ
そして遠くに刺さっていた刀を引き抜く
カイはその隙にギルの元へと一目散に駆け寄った
ギルは口から血を流している
「ギル!!・・・・大丈夫か!!」
「・・ゴボ・・・・我は・・・・」
「喋るな!!」
といい、肩に担ぐカイ
「撤退だ!!全軍撤退の鐘を鳴らせ!!」
カンカンカンカンカンカンカンカンカン!!
鐘の音が戦場に鳴り響く
「カイ!!」
「親衛隊!!神聖帝国軍を足止めしろ!!」
「おお!!」
と叫ぶ親衛隊
「おい!!カイ!!」
と叫ぶカエデ
だが、カイはわき目もふらずギルを担いだまま近くにいた馬に乗り、走りさっていく
「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
親衛隊が死に物狂いで襲いかかってくる
「く・・・・こちらも撤退するぞ!!」
(・・・・カイ・・・・何故だ!!)
カエデの問いに答えるものはいない
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