エピローグ 神王編
ツンツン……ツンツン……と自分の顔を何かでつつかれてるような気がした
「う、うん?」
ゆっくりと目を開けると、自分の顔を白い鳥がつついていた。
「うわぁぁぁぁ!!」
ばっと起き上がる。するとそれに驚いたのか、何羽もの鳥たちがバサバサっと飛び立っていく
「え?………ここは?」
自分はさっきまで神聖帝国の軍勢と闘っていたはずなのに
辺り一面が、白い花で埋め尽くされている。地平線の彼方まで花で埋め尽くされているのだ
とてもきれいな場所だ。キョロキョロっと辺りを見渡す。
「ここはどこだろう?」
ジョンは何がなんだか分からずに、ただそこで呆然としていた。
だが………驚くべき事が起きた。
「ふむ。やはり、ここまで来てしまったか」
「ふん!!」
その声にばっと、後ろを振り向く。そこには、ダリオン様とルーウィン様が立っていた。
ジョンは自分の見ているものが信じられなかった。ゴシゴシっと何度も何度も目をこすってしまう。
しかし、何度みてもお二人が……最後に会った時と同じ姿で目の前にいる
ジョンは震える声で、自問していた。
「これは……………夢……………ですか?」
ルーウィンは顔に手をあてて、考えながら云う。
「ふむ。おもしろい。ここは、死後の世界かもしれんし・・・・・ジョンが見ている夢かもしれんというわけか」
ルーウィン様の声が聞こえる。どっちでもいいと、思った。
「ふん!!お前は、やはり馬鹿な小僧だったな!!」
「はい!!自分はダリオン様と同じ、大馬鹿者です!!」
「この!!生意気な!!」
ダリオン様の怒声だ・・・・・・うれしくて涙が溢れてきた。
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「さて、ダリオン。ここを死後の世界と仮定しようか?・・・・・・やはり神とやらはいるのかな?」
「ふん!!俺に分かるわけないだろ!!・・・・・・・だが・・・・やるのか?」
「ああ。小さい人間というものは・・・・・・どこまでいっても小さいままなのだよ。・・・・・死んでも治らん」
「おもしろい!!俺も一度ぶん殴ってみたいと思っていた!!」
と、うれしそうに笑い合うお二人。ジョンはいつものように横で控えている。
ルーウィン様がこちらを振り向く。
「ジョン――――一度しか聞かんぞ――――――いっしょに来るか?」
―――――――――差し出されるルーウィン様の手。
――――――――――――あの雪の日と同じように
自分の運命を変えた手。
ジョンはその差し出される手に――――――――手を伸ばししっかりと握った!!
「はい!!お二人にどこまでも…………ついていきます!!」
自分に救いの手を差し伸べてくれたのは
神――――――――――――――などではなく
――――――この――――――――――――――――――神王なのだから