平和
え~~楽しんでいただけてるでしょうか?いつの間にかお気に入り登録100件超えてました。うれしいものです。感謝します。ではどうぞ~~
「ほ~う。あれが噂の少年か?」
「よぉ、ギル」
と、いつの間にか自分の隣にいる魔王へと挨拶をする。
「仕事はいいのか?」
「うむ。リサにすべて押し付けてきて、逃げてきた」
「・・・・・・・」
(リサ将軍・・・・・・同情するぞ)
「まぁ。カイに呼び出されたという書置きをおいてきたがな」
「ちょ!!ふざけんな!!また、リサ将軍に説教されるじゃねーか!!」
(可哀そうなのは、俺じゃねーか!!)
ワハハハハハと、笑ってとりあってくれない。
(今日こそ・・・ストレスで胃に穴あいたらどうしよう)
「ハァ・・ハァ・・ハァ・・」
荒い息を吐くジョン。
レンの猛攻を避けながらも、果敢に挑んでいく。
「・・・・・・・・脇が甘い」
と、すかさず蹴りを入れるレン。
「ぐっ」
と、吹っ飛ばされるジョン。
だがすぐに立ち上がり、レンに挑んでいく。
「これが鍛練か?下手をすれば死ぬぞ」
「まぁ・・・レンも本気だからね。今の実力でぎりぎり死なない程度でやってる」
「・・・・・うれしそうだな?」
「うん?まぁね。人の成長を目の当たりにするのは・・・・楽しいよ。武術を覚えて1か月あまり。それで、この動きだ。まだまだ、俺たちには遠く及ばないけど・・・いやいや、恐れ入るよ。俺も天才と呼ばれたことあるけど・・・上回るね。もしかしたら、カエデにも匹敵するかもしれない。」
「体術も教えてるそうだな?」
「ああ・・・俺もジョンに何かしたくてね。何だか・・ほっとけないんだよ」
「・・ふむ・・・・それはあの少年がもって生まれた魅力かもしれんな」
と二人は、本気でレンに挑んでいく少年をみつめていた
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「・・・・1か月か・・・・」
「ああ」
「西部では、始まるな・・・神聖帝国の帝都はまだ楽観視し、西部の軍で何とかなると思っているようだが・・・・いつ中央の精鋭が出ていく事になるか・・・・・・それに間に合うのか・・・・・・こちらも急いでいるが・・・まだまだ時間がかかる。共には無理かもしれん」
「まぁ・・・不穏な動きをしているということで、牽制にはなるかもな・・・・そういえば・・・・どういった関係なんだ?」
「うむ。まぁ、友であり、恩人であるな。昔・・・・少し世話になったことがある」
「ふ~~~ん。勝てると思う?」
「それこそ‘神’のみぞ・・・・知るだ」
「神・・・ね」
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レンとジョンの鍛練から2時間たった頃。
「やめ!!」
と、カイが大声をだす。
その声と共に、両者がピタっと止まる。
それと同時にジョンが、中庭に倒れ込む。
レンは歩いて、こちらに向かってくる。
「おつかれ」
「・・・・・・ああ」
と、冷静にいうレン。
「・・・・・・信じられない。昨日から、凄まじい勢いで吸収して、成長しているぞ。一か月あれば・・・大変なことになる」
珍しくレンが興奮したように喋る
「あれほどの天賦の才だ。1000年に一人の逸材かもしれないね」
うむっと、魔王が何かを思いついたように、にやにやしながら云う。
「だが、武芸者同士の子なら産まれるのではないか?天才がな?」
「まぁ、その可能性は高いけどね。そう、うまくはいかないよ」
「カイも子供が欲しいと思うか??」
魔王のその発言に対して、ピタッとレンが止まる。
「そりゃ・・・俺も男だし。将来は結婚して、子供でもほしいと思うさ。・・・・・相手がいればな」
「ほほーう。そうかそうか。カイは子供がほしいと申すか。ふむ・・・レンも好きな奴との‘子供’は、欲しいのではないのか?」
「・・・・・」
いつものように沈黙と貫こうとする、レン。
だが、今回はいつもと少し違っていた。
「あ、でも俺も興味あるな~~。レンの好みのタイプ」
「!!!」
レンがあわて始める。
(くくくくく、見事だ!!カイ!!この天然めが!!)
「ふむ。聞きたいと思うのも当然だぞ。なぁ?カイ。」
「うんうん、で?どんな人がタイプなんだ?レン」
目に見えて動揺し始めたレン。
「・・・・お、俺の・・・・タイプは・・・」
「うん、レンのタイプは?」
にこにこ、と答えを待つカイ。
にやにや、と答えを待つギル。
「・・・・・・・俺より・・・・・つ、強い・・・・・やつだ」
そう一言いうと、あっと云う間にどこかに行ってしまった。
(う~~ん。レンらしいな。けど、レンより強い女性ってどんだけ?)
と思うカイの横で。
ゲラゲラと大笑いする魔王。
魔王城は、今日も平和だった。
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え~~神王編もぜひ読んでくださいね