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王たちの宴  作者: スギ花粉
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初めて 神王編

ダリオン様との早朝訓練がはじまってから、すでに1月あまりがたっていた。

      

槍を中心に教わっている。

      

始めは手も足もでないジョンであったが、最近では何とかダリオン様の手加減してくれている稽古にもついていけるようになっていた。 


さらに驚いた事に、魔法使いの人に魔法まで教えてもらった。ダリオン様の話では自分には大量の魔力があるらしい。


半信半疑だったが、魔法使いの人の言った通りに集中してみると自分の中に燃えるような魔力がある事が分かった。


何度も何度も練習を重ね、身体向上の魔法、武器への魔力注入、放出…そのすべてができるようになった。


魔法使いの方は驚愕の表情をしていた。


「ありえない……こんな短期間に…」


とつぶやいていたが、自分などに気をつかう必要などないのにっと思った。


ある日…ダリオン様に呼ばれた。急いで駆けつけると、ダリオン様直属の5千の部隊もいた。彼らは特にダリオン様に鍛えられている部隊であり、最精鋭なのだ。


そんな中、ダリオン様は自分に成果を見せてみろっと言った。


自分は手に炎の魔力を集中し、一際大きな火の玉をつくり、大木に向かって放った。その大木は炎に包まれ、球体がぶつかった衝撃でドシ――ン!!っと倒れた。


それを見て周囲でどよめきが上がっていたが、気にしなかった。思ったのは、これでお二人のお役に立てるということだけだ。


ダリオン様が唯一褒めてくれたのも、この時だった。


ダリオン様は早朝以外は忙しいらしく、稽古はつけてはもらえなかった。

     

ルーウィン様も信者の方と会っているので、夜にならないと戻らない。

  

だから自分は朝から夜まで体を苛め続けた。自分にはこれしかないのだ。せめて、人並にならなくては、ならない。

     

そして、明確な目標ができてから、さらに頑張れるようになった。

     

自分が目指すもの…………それは、ルーウィン様を常に守っている護衛隊に入りたいということだった。

     

一度、ダリオン様に話したことがある。


怒鳴られるかと思ったが、じっとこっちを見つめ一言。

    

「励め…………小僧」といってくれた。

    

それからは、一層鍛練に力を注いだ。

  

   

 =================== そして、ある日==============


珍しく、軍の野営地を二人の客人が訪れた。

      

一人は魔王軍の将軍であるらしい青年。

     

そして、もう一人は伝説の傭兵である、赤き狼だった。


その手に持つ真赤な槍が非常に印象的であった。


その二人を見たとき、ジョンは全身の毛が逆立つような気がした。


知らず知らずの内に、手を握りしめていた。


周りの兵たちは、おもしろそうに見たり、指さして雑談をしていたりしていた。


「は~~~~~、あれが伝説の傭兵ね?あんまり強そうには見えねーが」


「まぁ、伝説も噂じみてるしな。一人歩きしているんだろう?」


というような内容だった。


(この人たちは、何を言ってるんだろう?あの身のこなしや、この威圧感からただ者でないことなんか丸わかりなのに・・・・・・)


その二人は、ルーウィン様とダリオン様と話をしているらしい。


自分には関係ないと、いつものように鍛練に励んでいた。


そして自分が呼ばれた時は本当に驚いた。


いったい何の話だろうか?




========   将軍と赤き狼  ================   

 


「この子かい?」


と黒髪の青年が、ダリオン様に話しかけている。 

       

「ああ・・・・・その小僧だ」


ダリオン様は自分を見て云う。


黒髪の青年は、驚いたように自分を見ている。


「本当に1か月なのか?相当の実力だと思うけどね」

       

「だが、事実だ。正直・・・・俺ではもう手に負えない」

       

「・・・・・・・・槍か?」


と赤髪の人が、一言いう。

       

「ああ・・・・槍を基本的に教えてやってほしい。できれば、魔法もな」

  

(いったい、何の話をしているんだろうか?)


ジョンは緊張しながらも、混乱していた。

     

「槍なら、当然レンの担当になるだろうね。どうだ、レン?」


「………………過酷だぞ?」

      

「ふん!!結構だ、根性だけはあるからな」


ダリオン様は、鼻を鳴らす。

      

「……………………いいだろう。引き受けよう」

      

「決まりだな」


ダリオン様は他人には分からないが、確実にうれしそうな顔をした。


それが、自分に初めての師匠ができた瞬間だった。


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