表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
王たちの宴  作者: スギ花粉
42/200

宿木

え~~楽しんでいただけてるでしょうか?ではどうぞ~~

あ、ちなみに神王編はじまってます

   

廊下をツカツカと、早歩きで歩く姿がある。

     

この魔国の第1将軍であり、魔王の妹であるリサ、その人である。

     

手には、何らかの封筒を持っている。

     

その顔に今や余裕は、まったく見られない。

     

「・・・・・・ぶつぶつ・・・・」と何やら一人言をいいながら、どんどんスピードを上げていく。


その原因は、1時間前にさかのぼる。

==========      =============     =========


「陛下。魔国将軍リサ。ただ今参上いたしました。」

    

「うむ」


魔王であるギルバートは玉座に座り、読んでいた報告書か何かから目をあげる。

    

そこには、魔国第2将軍である、老将・バリスタンも控えていた。


「これは、バリスタン殿もおられましたか。」

    

「ふぉっふぉっふぉ、これはリサ将軍。御苦労様でございます」


バリスタンはミノタウロス族だ・・昔から兄に忠実に仕えてくれている


「あー。堅苦しい挨拶は抜きにせよ。さっそく本題に入ろうではないか」


というと、何時になく真剣な表情になった。


「ふぉっふぉっふぉ、そうですな。これは重大な案件ですのでな」

    

しかし、重大な案件と云う割にはバリスタンの表情がニヤニヤと、おもしろそうにしているのが非常に気になっった・・・・

    

「は!!つきましては陛下。火急のご用件とはいったい何でございましょう?」


「ふぉっふぉっふぉ、所でリサ様。リサ様はお幾つになられましたかな?」


「は??私・・・ですか・・・・」

    

「お前以外に誰がおる」

    

「は!!今年で17になります」

    

「17・・・でございますか、お若い。お若い。その年で、魔国の第1将軍という重圧に日々耐えていらっしゃるのは、真・・優秀な証でございますな」


「そんな。これは私一人の力ではございません。部下の力、陛下、また賢明な将軍たちの助言あってこそと思っております」

    

リサは少し混乱していた。


自分はいったい何のために、呼び出されたのだろうか?

    

「謙遜めされるな。これもリサ将軍の御力あってこそで、ございます。ただ・・・・・・やはり一人とは大変なものではございますまいか?」

    

「どういう意味でしょうか?」

    

「大きな鳥も常には、空を飛んではいられますまい。時には、立ち止まり、羽を休める宿り木が必要なのですよ」

    

「はぁ」


「バリスタン。もう良い。お前の話はややこしい」

    

「これは失礼いたしました、陛下」


慇懃に頭を下げるバリスタン。


「リサよ、お前に婿を娶ってもらうことにした」


「・・・・・・・・・・・・はい???」

    

婿?・・・・・誰が?・・・・・私?・・・・・・・


「陛下!!お待ちください!!私はまだ17です!!」


「関係あるまい。17ならば、若すぎるということもない。普通の娘なら結婚しててもおかしくない年だ」


「しかし・・・・・私には任務が・・・・」

    

「婿を娶ったからといって、将軍をやめるわけではない。すべて、今まで通りというわけだ」

    

「そんな・・・・」

    

「何だ?もうすでに心に決めた男でもおるのか?」


陛下がおもしろそうに聞く

    

「そんなものおりません!!!」

    

「なら、何も問題はなかろう。」

    

反論しようにも、言葉がでてこない。

  

    

「リサ、お前も王族の一員なら理解できないわけではあるまい。国のためなら、自らの意思が通らないことなど、ざらなのだよ。」

    

「・・・・・・・・・」

    

言っていることは、理解できるが・・・・・感情が納得してくれない。

    

「ここに、相手のことを詳しく集めた資料がある。相手はまだこの事を知らん。よく目を通して心の準備をしておけ」

    

魔王陛下はそういうと、さきほどまで見ていた資料を封筒にいれ、差し出す。

    

受け取らないわけにはいかなかった。


    

「もう、下がっても良いぞ」

    

「失礼します!!!」


最低限、失礼のないようにして謁見の間を飛びだした・・・・・・・・・・そして今に至る。

 ============   ===============  =========


執務室に戻ると、封筒を机に叩きつけた

    

愕然としたような、泣きたいような、とにかく最悪な気分だった。

    

結婚など考えたこともなかった・・・・・・・・・

    

なぜ、こんな気持ちになるのかも分からなかった。

    

仕方がないのかもしれない・・・・自分は王族なのだ・・・・・・自らの意思で選べるなどと思っていたわけでもない。


だが・・・・・・実際につきつけられると・・・・我慢ならないものがある。


だが、現実逃避をしても始まらない。


いつもはふざけた兄だが、魔王としての威厳をもったときの兄の言うことは絶対なのだ。


逆らえるわけがない。

    

鎮痛な面持ちで自分の将来の伴侶を確認することにした。

    

重い足取りで、机に向かう。


封筒をあけて、報告書を取り出してみる。


そこには・・・・・・・


    

魔国将軍・・・・カイ・リョウザンの名が刻まれていた。




    

     

    

誤字・脱字ありましたら

感想・アドバイスどしどし下さい。励みになるので

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
王たちの宴・アンケート!!
王たちの宴アンケート
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ