魔法講座
楽しんでいただけてるでしょうか?
どしどし、アドバイス待ってます
「訓練?」
「はい。異世界の方は、こちらの世界に来るだけで身体能力が向上します。しかし、それだけでは魔王に勝つことはできません。そこで魔法などの戦闘技術を覚えていただきたいのです」
(できる事なら、魔王何かと闘いたくないんだが・・・・・・カエデが魔物に村が襲われているって聞いたら、二つ返事でOKしちゃったしな)
「それは、ありがたい。弱き人を守るためには、私たちが強くならなければな。願ってもない、なぁカイ?」
「・・・・そうだな・・魔法は全然分からないし・・・・」
「では、カエデ様は私が教えさせていただきます。こう見えても私・・・・魔法には自信がありますから」
と、自信満々に答える、エリシア姫。
だが、少しひっかかる文言が・・・・・・・
「・・・・・・カエデ・・・・・は?」
「何だ?カイは先生が違うのか?」
「はい。魔力の扱い方には、女と男で違いがありますし、個性が出やすいのです。ですから、個別にやった方が効率がいいんです。カイ様には男の、しかも熟練の魔法使いの方にお願いしてあります。安心して下さい」
エリシア姫が、ほほ笑む。
========== カエデ編 ========
「では、カエデ様。今から魔法の詳しい説明をしたいと思います」
「うん。よろしく頼む」
「まず、魔力の説明からしたいと思います。人間は生まれながらにして魔力を持っています。魔力には属性があり火・氷・光・・・・・・そして・・闇のいづれかを使えます。
これは、人によって違いますし、誰しもが一つの属性しか持てません。
火の魔力を使う者の割合が一番高く、氷、光、闇と続きます」
「・・人間は・・と限定すると、ほかは使えるのか?」
「はい。エルフという種族がいますが、彼らは風の魔法を使います」
「なるほどね。ではその魔法をどのように戦闘に応用すれば、いいんだ?」
「はい。魔法の使用方法は3種類に分けられます。まず、体に付与することで身体能力を向上することができる方法です。二つ目は、武器にその魔力を注ぎこむことです。それだけで武器の耐久力は向上しますし、その属性に応じた変化が見られます。例えば、剣に火の魔力を注げば、炎の魔剣へ。氷の魔力を込めれば、氷結の魔剣へとなります。三つ目は、そのまま魔力を形にして放出する方法です」
「なるほど・・・・私の場合は光だから、この刀にその魔力とやらを注ぎ込めば、光の妖刀になるというわけか」
「その通りです。しかも、カエデ様は異世界の方ですので、体への魔力付与は常になされているようです。ですので、覚えなくてはならないのは、武器に魔力を込めることと魔力を放出することです」
「で・・どうすれば、魔力をそのように操れるんだ?」
「まず、体内にある魔力をしっかりと認識することが重要です。集中して、体中を流れる魔力を想像して下さい。だんだん、その存在をしっかりと感じられるはずです。それを手に集まるように念じてください。そこまで、できればすぐに扱えるようになります」
「わかった、試しにやってみよう」と、正座をして精神を集中するカエデ。
その時、エリシアはしっかりと感じた。カエデの手に膨大な魔力が集まっていくのを・・・・
が、突然集まりかけていた魔力はしぼむように、なくなってしまう。
「・・・失敗だな」
「凄いです、カエデ様!!たった一回でここまで、できるなんて!!普通は一年かけて習得するものなんですよ!!」
「・・だが、失敗だ」と悔しそうなカエデ。
「カエデ様なら、すぐにできるようになりますよ!!」
「ありがとう、エリシア」と、にっこり笑いかける。
それを見て、エリシアはなぜか赤くなって俯いてしまった。
=============== カイ編 ==============
「・・・・・それでな・・・ばぁさんは、ほんに綺麗でなー、地元の奴らはワシのことを羨ましがったもんじゃ・・・・・」
「お爺ちゃん!!もう、それは3回目だよ!!何で、魔法の説明からいきなり昔話にとぶんだよ!!」
カイの魔法の先生は・・・・・・・・・・・すでに90歳にはなろうかという老人だった。
「・・おお・・すまんの若いの。で、どこまで説明したかな・・・そうじゃ、そうじゃ、ワシがばぁさんと初めて手をつないだのは・・・」
「聞いたから!!祭りの日でしょうが!!それは、6回目だよ!!そうじゃなくて、どうやって魔力を集めればいいのかって話だよ!!」
「そうじゃ、そうじゃ。まず・・・・体の・・・あの・・・あれを・・うむ・・・そうするのじゃよ」
「・・・・・・・」
(だめだ・・・まったく要領を得ない・・・こうなったら自力でやるしかない)
と、老魔法使いからの助言をあきらめ、自分なりに考察してみる。
(・・つまり・・・体にあるはずの魔力を集めればいいんだな・・・・・手に集めてみるか)
集中して、魔力を強くイメージする。手に・・・手に・・・・手に・・・・・すると、小さいながら黒い魔力の塊が現れて、すぐに消えた。
「やった!!お爺ちゃん見た?これで、いいんじゃない?」
だが、返事はない。
ベンチに腰掛けたまま、目を瞑っている。
「ちょっと、こんな所で寝ないでよ、風邪引くよ・・・・・」
と、老魔法使いの体を心配し、ゆさゆさと揺らす・・・・・・・・・まったく反応がない。
「え?ちょっと、お爺ちゃん?・・・・・・・・じょ、冗談にしてはたち悪いな~~」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・返事がないただの屍のようだ
「え・・・・・衛生兵ーーーーーーー!!!!!」
カイの絶叫が城に響き渡った。
こちらサイドの魔法の訓練は、前途多難であった。
ちなみに・・・・・・・
お爺ちゃんは無事だった。
誤字・脱字あったらよろしくお願いします