真
え~~これは明日分です。朝忙しくなりそうなので。楽しんでいただければ幸いです。ではどうぞ~~~
今、リサは魔王城の窓から中庭の様子を見ている
そこには、シルヴィアとマリアが真剣に鍛練している光景があった
二人がかりでカイ将軍に挑んでいるが、まったく相手にならない
もちろん両名は殺す気でやっている
ここまで殺気が伝わってくるのだ
「・・・・・・・・・」
リサはそれを複雑な表情で見ている。
彼女たち二人は元は自分の軍にいたのだ・・・・・
誰よりもよく知っている・・相当の腕前で・・二人相手だったら私でも負けるかもしれない・・・・
それを簡単にあしらっているカイ将軍。
自分との実力差を見せつけられている気分だ
「・・・やっておるな」
と、自分しかいないはずの部屋に、何者かの声が聞こえた
リサはびくっとする
「陛下!!気配を消して近づくのは、おやめ下さい!!」
ハハハハ、とまったく取り合わない魔王
「まぁ・・そう怒るな。いやいや、カイも鬼であるな。相当の厳しい鍛練だ・・あれは成長するであろうな」
「・・そうかも・・・・しれませんね」
一昨日も朝早く、アゴラスを出て森に入っていったらしい・・何をしているかは知らないが・・夜にカイが気絶している二人を担いで戻ってきたという報告がある。
「うん?何やら元気がないな・・・・あの3時間は説教をし続ける我が妹とは思えないな」
「したくてしてる訳ではありません!!陛下がお叱りを受けるような事をなされるからです!!」
だが、魔王は飄々としたものだ
「・・ふむ・・・・・納得いかんか?自分より強いことが?」
「!!わ、私はまだ、勝負をした事もありません!!」
「・・あの鍛練を見て、相手との実力も測れないようでは・・・我はお前の評価を下げねばならん」
「・・・・・」
「・・・カイは強い・・我でも勝てるか分からん・・・将軍にしてよかったと思っている」
「・・・・・ですが・・人間です」
ハァーーとため息を吐く魔王
「良いか・・リサ。我らの目的は何だ?」
「もちろん・・・大陸の統一です」
「そうだ・・・この大陸に覇を唱えることだ・・・だが・・この大陸には多くの人間族がいる・・そのすべてをお前は殺すというのか?」
「それは・・・・」
「そう・・それは不可能だ。どうしても、人間を受け入れて・・・統治という形をとる事になる」
「ですが・・・人間族の中には私たち魔族に恐怖を抱いてる者もいます・・そう簡単に恭順するとは思えません」
「ああ・・・だからこそ・・・カイが必要なのだ。奴は神聖帝国の勇者として異世界から召喚された・・・それでいて魔国の将軍である・・・人間・・・これは重要なことだ。人間たちも我らに支配されると考えるよりは・・同じ人間である者を頼りたくもなろう」
「・・・・陛下は・・・そこまで考えておられたのですか」
「・・いや・・ただ、カイが気に入ったので将軍にした。そんな事を言ったら、お前に怒鳴られるだろうと思ったので、一生懸命考えたのだ」
「陛下!!」
まぁまぁと、リサを宥めている。
「お前も・・人間だとカイを忌避するのではなく・・・カイの・・真の姿を見てやれ」
と言って、部屋から出ていってしまう魔王。
「・・・・・・・・」
リサはその後も、中庭の様子をじっと見つめていた
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