いったい誰が
え~~楽しんでいただけてるでしょうか?重大なお知らせがあります。明日から、
王たちの宴 神王編 を別小説として始めます。こちらの本編が休載するわけではなく、同時進行でいきます。片方だけ読んでも、話は通じるようには作ってあります。ですが、どっちも読んだ方がよりおもしろいと思います。読みづらいとは思いますが、お願いします
「さて・・・・・・・・・・・と」
「「・・・・・・・・」」
自分の執務室に集まった、俺とリサ将軍の軍から引き抜いた2名。
「さて・・・・・・・」
「将軍?何を緊張してるん?さっきから、‘さて’しかゆうてへんがな」
この自分に大阪弁で語りかけてくれているのは、マリア。
種族は人狼族である。
何でこっちの世界に大阪弁あるんだ、と疑問にもったが、考えることを放棄。
「いやー、人前に立つのは緊張するなぁって。俺って基本的に恥ずかしがり屋で小心者の一般平民だから、こういうのには慣れてなくて」
「あははは。そーいうコト自分でゆうてまう所とかカイ将軍らしいわ」
多少のひっかかりは、覚えるが・・・・・・
「そういうことだ・・・・はっはっはー」
「はっはっはー」
マリアは俺の精一杯に乗っかってくれた。
「はぁーーーー、しっかりして下さい。カイ将軍。」
緊張を紛わせようとヘラヘラと笑う俺に、シルヴィアの厳しい一言が突き刺さる。
もう一人は、シルヴィア。
ヴァンパイアである。
人狼とヴァンパイアって仲悪いんじゃ?
とか思ったが、こっちの世界では関係ないらしい。
「カイ様は、我らが魔国の将軍なのですから、もっと堂々としていてくだされなければ、困ります」
「・・・・はい・・・・」
「将軍、そんな落ち込まんといてーなー。シルちゃんは、昔からゆーことがキッツイねん」
「シルちゃんと呼ぶな!!」
マリアよ、かばってくれるのは嬉しいが、シルヴィアの視線がますます怖くなってきてるんだが?
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「さて、今回俺が二人を引き抜いた理由を説明しようと思う。俺達は今までにない、軍を作ることになる。」
「今までにない軍というと?」
シルヴィアが怪訝そうに聞いてくる。
「うん。俺達は・・・・・・闇の軍・・・・・・・を作る」
「「闇の軍???」」
二人の反応は微妙だった。
まだ、闇の軍のイメージが湧かないんだろう。
「将軍、それって夜にしか動かへんちゅーことか? けど、夜襲だけってどんな軍隊やねん」
「私も同感であります。わざわざ、作らずとも魔国の軍で補えるかと・・・・」
「闇の軍はな・・・・普通の軍隊じゃないんだよ。神聖帝国の・・・・レイスを知ってるか?」
二人はピクっと、かすかだが反応する。
「・・・・聞いたことはあります。神聖帝国に存在すると噂される暗殺集団の総称ですね?帝国内の反乱分子の処罰や、敵国の間諜、さらに敵国の要人の暗殺まで手掛けるといわれる、武闘派集団・・・・」
「けど、それは噂やろ?実際見たものもおらんゆうし、与太話の一種やと思うけどな?」
「いや、確かにレイスは存在する。(俺も殺されかけたしな・・・)、それに対抗するための軍が俺達ということになる。」
シルヴィアから凄まじい怒気が立ち込める。今にも抜剣しそうだ。
「我々に暗殺なんてマネをしろというのですか!!」
マリアも不服そうにこちらを見ている。
やはり魔族は誇り高い民族だな。
暗殺というものにここまで忌避感を持つとはね。
まぁ、だからこそ好きなんだけどね。
「それは違うぞ、シルヴィア。俺達は暗殺なんて真似はしない。俺達の任務は、この魔国に入り込んでいるレイスを狩ることだ。今この国にも、レイスは確実に存在する。それは暗殺の危機と常に隣合わせということでもある。武官ならまだしも、文官などひとたまりもないだろう。魔国はまだまだ小さな国らしいね、たった一人の文官の死でも大きな打撃になりかねない。それを未然に防ぐのが、主な役目になる。まぁ、戦場にでることもあるけどな」
「・・・・・理解はしました。まだ、納得はしていませんが・・・」
「けど、将軍?レイスゆうたら、相当の武闘派集団ちゅー話やで。私らなんかが対抗できるんか?」
マリアが不安そうに聞いてくる。
「今のままじゃ相手にならないだろうな・・・・・、そこでだ。二人には一か月特殊な訓練を受けてもらうことになる。」
「訓練?どんな訓練をするというのですか?それに、いったいそんな技術を誰が教えられるというのですか?」
すたっと、執務室のイスからカイが立ち上がる・・・・・・・・・
「この・・・・・俺がだ」