幸運
え~~楽しんでいただけてるでしょうか?
「なぁ?俺って将軍なんだよな?だけど、軍を作れっていう指令が出ないんだが?」
「何をいうかと思えば・・軍の事はその将軍に任せている。我も親衛隊という精鋭がいるが、リサやバリスタンの軍に何か言ったことはない」
「・・俺がすべてを決めていいとって事か?」
「そうだ・・自分の好きなようにすればいい。お前はどんな軍を持ちたい?騎馬が主力か・・歩兵が主力の部隊か?」
「・・・実は・・・自分なりに考えてる事があるんだが・・・」
「ほう・・・聞かせてもらおうか」
「ああ・・・」
============ 執務室 ================
コンコン・・扉がノックされる
「誰です?」
「・・あの~~~俺です・・カイです」
「・・・・・用があるなら、早く入りなさい」
言い方がものすごく、キツイ
「・・・はい」
ギーーと扉を開けるカイ
「・・・何でしょうか?カイ将軍?」
(私はこの男の事が嫌いだ・・・・人間だし・・弱そうだし・・・さらに我らが魔王陛下をギルと呼び捨てだ・・・あの謁見の間のことも未だに忘れていない)
「え~~と、リサ将軍・・ちょっと相談があるんだけど」
「何でしょうか?」
「実は俺・・・自分の軍を作ることになってね」
「それはよろしゅうございましたね・・・やっと・・ただ飯ぐらいから、仕事をしてくるまでに進化してくれましたか」
「・・・・・」
(負けるな!!ここで引いたら・・・だめだ!!神聖帝国でのイジメを思い出せ!!)
「ゴ、ゴホン・・え~~それでね・・非常に言いにくいんだけど・・」
「何ですか・・はっきり言いなさい」
「リ、リサ将軍の軍の中で、腕がたつ者を二人引き抜いていきたいんだけど・・・」
「・・・・・・・・・・・はい?
え~~すみません・・私も執務疲れで耳が悪くなったようです。
もう一度言ってくださいますか?」
「は・は・は・は・・・き、聞き間違いはないと思うよ」
「も!う!い!ち!ど!・・言ってくださいますか?カイ将軍?」
とにっこりと笑うリサ将軍。
(・・・・・笑顔とはここまで怖くできるものなのか)
「・・リサ将軍の軍から二人ほど・・引き抜きを・・・」
「死ねーーー!!!」
リサ将軍が抜剣して斬りかかってきた
「のわ!!」
それをのけ反るようにして、避ける俺
「・・・あ、あなたは・・私が鍛え上げた精鋭を・・・絶対に許しませんからね!!」
フーフーフーっと息を荒くする
「・・・こうなったら仕方ない・・これは使いたくなかったが・・・リサ将軍・・魔王陛下よりの書類を預かっている」
どうぞ、というように渡す
「・・・・」
リサ将軍はそれを引っ手繰ると、無言で読み始める
{リサへ・・・・・・・魔国初代魔王・ギルバート・ジェーミソンの命令である・・・・カイの言う事は魔王の言葉であると心えよ・・・文句がある場合は俺の所へ直接来い)
「・・・・・」
それをプルプルと震えながら、黙って読み終えると
手紙を宙に放り投げ・・・・
剣で一刀両断する
「ひーーーーー」
(・・・般若がいる・・・般若がいるぞ!!)
「・・・・・」
そのまま無言で、部屋を飛びだしてしまうリサ将軍
「・・リサ将軍・・ギルはすでにアゴラスを逃げ出している・・・幸運を祈る」
さてっと、カイは魔国第一軍が訓練している所へと向かった