休息?
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期待にそえるように頑張っていきたいです
俺達は長い廊下を歩いている。
「カイ、何をそんなに落ち込むことがあるんだ?」
「落ち込むもするわ!!今日はな、久々の休みだったんだ!!ゆったりするはずだったんだ。それが・・・・・・異世界?勇者?魔王を倒してくれ?魔法?俺の頭じゃ、処理できんわ!!」
俺は早口で今の気持ちを、カエデにぶちまける。
「まぁ・・・まぁ・・・・カイ、よく考えてもみろ。異世界だぞ。一生で経験できるかどうかの体験をしていることを考えれば得じゃないか」
「・・・・・・・」
(こ、このアホが!!
何このポジティブな考え?
そもそも・・・・・お前がピエロにやられてしまえば、こんな事には!!
お前が負けるなんてありえない事は分かってる・・・・・・・だが・・・・
せめて死んだふりでもして見せろ!!)
「それに…気付いているだろ?」
「……まぁな」
(この世界?に来た時から感じていた事ではあるが…体がやけに軽い。試してみなければ分からないが、力もアップしているような気がする。これも異世界から来た恩恵という事になるのか…)
そんなことを考え事をしているうちに、いつの間にか部屋についていた。
「こちらが、カエデ様のお部屋になります。」
「何だ?部屋は別なのか?別に問題ないのに」と、不思議そうに言うカエデ。
「・・・・・・・・・」
(こいつ、俺のこと何だと思ってるんだ?そりゃ、付き合い長すぎて女として意識しないが、一応男なんだが・・・・)
「カイ様は、こちらになります」と、俺を促すエリシア姫。
「では、カイ。また、後でな。」
「ああ」
俺たちは、そこで挨拶をして別れた。
============ カイ編 ==============
(・・・・・・・・・・・)
「エリシア様?」
「何ですか?カイ様?」
ギギギギギっと、首を動かしエリシア様を見る。
「すいません、何ですかここ?」
「部屋ですが?」
(・・・・・・・・・・・いや、完璧・・・物置・・・・だよね・・・・・・ここ)
俺は、ホコリまみれの部屋を見る。
ものの30分で、確実にハウスダストになる量だ・・・・・・・
しかも・・・・・・かさかさ・・・・・・・音がする。
(いる。絶対いる。古の時代よりそのファルムを保っている・・・ある意味で最終形態の・・・奴が!
思ってたけどさ。俺の扱いひどくね?何このカエデとの差?まさに、雲泥じゃん)
「すいません。ここしか、空いてなくて・・・・・・」
と、ひどく悲しそうな声を出すエリシア姫。
(はい、ダウト!!何だ~~その丸わかりな嘘は!!そして、その後ろの兵隊さんは何よ??)
「こちらは、警備の者になります」
鎧をきた兵隊がすっと前にでる。
(警備ってか、監視っぽいね。あ~~~考えんのめんどくなってきた)
「・・・・・・わかったよ・・・・・おやすみ」
と、部屋(物置)へと入っていく俺。
「はい、おやすみなさい」
にこっと笑うエリシア姫。
扉を閉めると、俺はホコリまみれのベッドに横になる。
(はぁ~~~・・・・・・・俺もう・・・・だめかも・・・・・・・)
俺は兵隊の殺気を無視しながら、眠りについた。
=========== 法王編 ============
「ふん、馬鹿な人。勇者を取り込むことで、何とか自分の地位を確立しようだなんて」
誰もいない謁見の間に、一人座る法王が重々しく云う。
「だけど・・・・・運にも、見放されているのね。せっかく男の勇者が現れたと思ったら、{闇}ですものね・・・・」 ふふふっと、おかしそうに笑う。
「さて・・・・・光の勇者様はいいとして、闇の勇者の方は残念だけど・・・・・バル」
「はっ」
法王以外いないはず謁見の間に、いつの間にかローブを着た者が玉座の傍に控えていた。
「わかっているわね」
「お任せ下さい」そういったかと思うと、すぐにローブの者の姿は消えてしまう。
「頼んだわよ・・・・・バル」
法王のふふふふっという笑い声が、謁見の間に小さく消えていった。
アドヴァイス下さい