釣り
え~~楽しんでいただけてるでしょうか?スギ花粉です
投稿しはじめてから・・1週間?ここまで来ました。はやいですよね?まぁ・1話が短いから、当たり前なのですが。ではどうぞ
「わぁ・・・すごい」
と感嘆するカイ。
目の前に壮大な光景が広がっている。
大きな湖だ。
それが光を反射して、キラキラと輝いている。
「・・・・ここが・・・大陸最大の湖・・ジャーン湖だ。その後ろに見える山脈・・あれこそがドルーン山脈だ・・・俺は魔国に入る時はいつも、ドルーン山脈から入る・・あそこの魔獣どもはいい修行になる」
「・・・・・・」
(レンがこれ以上強くなったら・・・どうなるんだろう?槍の一突きで、地面とか割れるようになるんだろうか?)
一人想像して・・・・・レンならやりかねないと・・・・・怖くなった。
「それで・・・こっちに用事があるんじゃないの?」
「・・・・用事というか・・人と会う約束がある」
「どこで?」
と、周りをキョロキョロする俺。
レンは、はるか上空で湖に突き出している岩山を指さす。
「あそこにいるの?」
「・・・・・・・・・知らん」
「いや・・知らんて」
「・・・・いる時もあるし・・いない時もある」
「・・・・・・・それ約束?」
「・・・・運がよければ・・・の約束だ」
「・・・・」
(すげーアバウトだな。それは約束とは言わないんじゃないか?)
二人は、湖の周りを歩きだし、目的の岩山を目指す。
=========== 岩山 ===================
森を抜けると、そこは開かれた場所となっていた。
突きだした形の岩山が、湖のちょうど真上にきている。
そこに一人の男がいた。
岩山の先端に腰掛け、釣り竿を垂らしている。
その髪はきれいな銀髪で・・・頭に角が生えている。
「・・・・・・・ギル」
レンは話しかける。
湖に釣り糸を垂らしていた・・・・ギルと呼ばれた男が振り返る。
「おお!!レンではないか・・・・久しいな!!」
と、そこで視線を俺の方に向ける。
「ほう。レンが誰かと一緒におる・・・・・これは我にとって何を意味するのかな?」
と、ニヒルに笑う。
カイは・・・・その笑顔になぜか・・・少し動揺した・・・・・
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「チっ、また糸が切れおった!!」
と、長い長い釣り糸を巻き取る男。
「・・・・・・・・・」
ずっと沈黙を守るレン。
(えっと?何も話さないんだろうか?)
さっきからの沈黙に、少し居心地が悪くなるカイ。
「カイ・・・といったな?」
男が話しかけてくる。
「え?あ、ああ、俺はカイ・リョウザンというんだ。お、俺は異世界人で、レンには助けてもらっていて、えっと、その初めまして」
しどろもどろになりながら、挨拶をする俺。
(何で俺は、こんなに動揺してるんだ?)
「くくくくく、慌てておるな・・・少し落ち着け。我は、ギルバート・ジェーミソンだ。ギルでよい」
「ああ、わかった。俺も・・・・カイでいい」
と、少し心を落ち着ける俺。
「・・・・カイよ。おもしろい話はないか?」
「おもしろい話?」
「ああ・・・・レンを見ろ。我の釣りしている所を、無言で見ておる。いつ会ってもつまらん奴だ」
「・・・・・・・余計な御世話だ」
肩をすくめるギル。
「釣りは暇なのだ・・・・おもしろい話をしてくれ」
「いや、おもしろい話っていってもな・・・・」
(ギャグか・・・・だが、こちらで通じるのか?・・・俺の唯一の趣味・・蛇のうんちく・・論外だしな)
一人真剣に悩む俺。
「くくくくく、そんなに難しく考えるな。そうだな・・・・お前の話が聞きたいな」
「俺の話?」
「そうだ、異世界人といったな?異世界でのお前・・・・この世界に来て感じたこと・・・すべて知りたい・・・・」
と、その銀色の目で俺を見つめる。
抗いがたい何かを感じる
「・・・・俺は・・・」
いつの間にか、話始めている俺がいた。
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カイはすべてを語った。
釣りをしながら、聞いてるんだか、聞いてないんだか、よく分からない男へ。
自分のこと。
異世界のこと。
魔族について。
カエデについて。
神聖帝国について。
ギルは、相槌は打つが。決して自分の意見をいったりはしない。ただ、聞いているだけだ。
と、いきなりギルが大声をあげる。
「レン!!レン!!餌がなくなりそうだ・・・・虫を取ってきてくれ」
「・・・・・・・なぜ、俺が?」
「我は、行くのがめんどくさい!!」
「・・・・・・・嫌だ」
と、冷静に答えるレン。
「ケチくさいのう・・・」
と、その目が俺をとらえる。
「カイ!!取ってきてくれ!!我は今、手が離せん!!」
「いや、でも俺の話もまだ途中・・・・」
「いいから、行かんか!!」
(まるで、子供みたいなやつだ・・・・)
はぁーっと溜息をつきながら探しに行く。
(でも・・・・何か嫌いになれないんだよな・・・・)
と、頭をぽりぽり掻きながら森へと入っていくカイ
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「・・・・・・・・・あれが、神聖帝国の‘闇’の勇者か?」
「・・・・・闇だと・・分かるのか?」
「ふむ?見れば分かるであろう?」
「・・・・・・・・・・」
「そうか・・そうか・・・なるほど・・」
「・・・・・・どう思う?」
「うむ。足りないな」
「・・・・足りない?何が?」
「さぁ、何であろうな?」
再び釣り糸を垂らし、釣りをし始める。
魔国初代魔王・ギルバート・ジェーミソン。
「だが・・・おもしろくなってきたぞ・・」
くくくくくくく、と笑う魔王。
そこにいたのは・・・・・先ほどまでのふざけた態度を一変させた・・
・・・・・威厳をもった男の姿であった。
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