光の勇者とエリシア
え~~楽しんでいただけてるでしょうか?
スギ花粉です。ではどうぞ~~
「カエデ様・・・・・その・・・・カイ様のことは残念でした」
と、申し訳なさそうに俯いて云うエリシア。
カエデ様はカイ様が魔物退治に行き消息不明になってから、明らかに元気がない。
エリシアはそんなカエデ様を、気分転換にと城下町へと連れてきていたが、
「ふふふ、心配は無用だ。カイは生きている。私はまったく心配していないよ」
と、紅茶を飲んでいるが声に張りがない。
(カイ様は、カエデ様にとってそんなに重要な人物だったのでしょうか)
今、テラスで二人でお茶を楽しんでいる。
周りには何人もの近衛騎士が、さりげさく控えている。
と、そこに平民の話が聞こえてくる。
「おい!!聞いたか?この帝都に魔族が出たらしいぞ!!」
「何だと?」
とカエデ様がそれを聞き、平民の方へと近づいてくる。
「おい!!その話は本当か?」
「・・・誰だ?あんた?」
「無礼者!!」
と、エリシアの怒号が響く。
「この方は光の勇者様で、あらせられるぞ」
「光の勇者!!」
と、二人の平民は椅子から転げ落ち、土下座をし始める。
「すみません!!・・そんな方であるとは知らず・・・どうか平にご容赦を」
だが・・カエデは、そんな事は聞いていない。
「そんな事より、帝都に魔族が出たというの話を・・・」
「・・はい・本当です。人狼族が現れたという話です」
「馬鹿な。神聖帝国の城壁を人狼族が超えられるはずはありません!!しっかりと見張りの兵もいるのですよ!!」
とエリシアは叫ぶ。
「いえ・・それが・・鳥型の魔物に乗ってきたようです」
「こんな事をしている暇はない!!早く、市民を避難させないと」
と叫ぶカエデ
そこに、おそるおそる話しかける者がいた。
「・・あ・・あの恐らく大丈夫だと思います」
「なぜだ?」
「・・いえ・・あの・・人狼族も10に満たない数らしいですし・・しかも・・赤き狼が現れて倒したという話です」
「・・・・赤き狼ですって??」
エリシアは不審そうな顔をする。
「誰だ?赤き狼とは?」
「・・はい。・・・伝説の傭兵です。ただ・・・」
「ただ??」
「・・魔国領にも頻繁に出入りしているという報告があります。神聖帝国では・・少し危険視しています」
「なるほど。・・しかし、その赤き狼が一人で追い払ったと」
「いえ・・・・あの・・・もう一人いました」
「何ですって??」
と、また驚愕するエリシア。
どうしたっと?聞くカエデ。
「いえ・・・赤き狼はどんな時でも一人でした。誰とも組まないことで有名でしたので。その者はどのような人物でしたか?」
平民の男は、記憶をたどるようにして答える
「聞いた話なので・・よく分かりませんが・・・手をかかげるだけで・・不思議に人狼族を倒すらしいのです。・・・・そう・・・後・・・珍しい黒髪だそうです」
と、それを聞いたカエデはバッと、テラスを飛びだした。
「カエデ様!!」
と、はるか後ろにエリシアの声が聞こえてきが、カエデは脇目もふらず走った
(・・・カイ・・)
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