予告 「王たちの宴…Last…竜王編」
この大陸の西に、はるか昔より建国されし国がある。その国の名は、ドラグーン王国。
かつて、この大陸に存在していたドラゴンを神としてあがめる。人間族の国。この国の絶頂期は今より1000年前。
一頭の白竜……氷結の支配者……ディーン。この神とあがめられしドラゴンを唯一使役できた、第3王女……アラニス・ドラグーンがいた時代。
大陸の半分を支配下におき、北の王国……スタットック王国との決戦がまさに始まろうとしていた時、夜空に青い星が流れた。流れ星というには巨大な……そして1か月にわたり空に存在し続けた星。
それを見たドラゴン達が…………狂った。彼らは大陸のいたる所で、ドラゴン同士で闘い始めた。
そして………氷結の支配者……ディーンも例外ではなかった。
常にアラニス・ドラグーンの元で人間に化け、近衛騎士として側を離れようとしなかったディーンは、消えた。そしていつまでも帰ってこなかった。
それから、アラニス・ドラグーンはみるみる衰弱していき、10代の若さでその人生の幕を閉じた。
そして……氷結の支配者……ディーンがいなくなった噂が広がり、占領したはずの国々で反乱がおきた。
大陸の半分を支配したはずのドラグーン王国はみるみるその領土を奪われた。それでも、何とか踏みとどまり西の大国として存在し続けた。
そしてさらに月日が流れ、北の王国が神聖帝国も併合された頃より、ドラゴンを神とあがめるドラグーン王国とアートス神を絶対神とする神聖帝国の闘いが本格化した。
そして……ドラグーン王国は少しづつ領土を奪われ続けて行った。
………‘軍神’……ジョルン・ツインズ。
この神聖帝国の将軍が、総指揮をとるようになってからドラグーン王国は敗れ続けた。
この‘軍神’が帝都に呼び戻されていなかったら、ドラグーン王国は神聖帝国に膝を屈せざるをえなかったであろうというのが、歴史家達の共通の見解だった。
そして、神聖帝国で初の宗教反乱がおきた直後……ドラグーン王国でも継承権争いが勃発した。
ドラグーン王国の先代・王妃の一人娘………セシル・ドラグーンを擁護する王女派とそして、二代目王妃の息子であるビリオン・ドラグーンを擁護する女王派の対立が激化したのだ。
そんな中、女王は王女を盗賊の襲撃にみせかけ、暗殺しようともくろんだ。からくもその襲撃を逃れ、ルードンの森へと逃げ込んだ王女と一人の没落貴族。
そこで彼女たちは、黄昏の支配者……‘竜王’……アーサーと運命の出会いをする。
竜王へと助けを求める彼女達に対し、アーサーが提示した条件とは………
これにより、魔国……スタットック王国……ドラグーン王国の大陸全土を巻き込んだ、激動の時代が幕を開ける。
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主な登場人物(仮)
セシル・ドラグーン。ドラグーン王国第1王女。先代王妃の一人娘。
アーサー……黄昏の支配者……‘竜王’。最後のドラゴン。
アシャ・ヴェラリオン………ドラグーン王国の国境付近を守護する若き、女将軍。無敗の神将と言われている。そんな彼女にはある秘密が……
そして……この竜王編の主人公……没落貴族、ライサ・マーティン。襲撃に巻き込まれ、なぜか王女と共に逃げる羽目に。マーティン家の復興を心から望んでいる。
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スギ花粉です。一応、作者として明言しておきたいと思います。終わりはハッピーエンドです。
誰にとってのハッピーなのかは内緒ですが…………