鍋
え~~楽しんでいただけてるでしょうか?
がんばりますので、よろしくお願いします
「どう?俺の鍋は?」
アイゼンブルクさんから鉄針をもらったので、俺たちは一途魔物退治へ向かっている
目的地の村へと向かっていたが、日が暮れてしまった
近くには泊めてくれるような民家もなく、宿もないので必然的に野宿となった
自分が分からないことを教えてくれたり、魔法を見てもらったり、鍛冶屋を紹介してもらったりと散々世話になっているので、食事くらいは作らせてくれと頼み込んだのだ
「・・・・・まぁ、食べられなくはない」
と、いいながら汁を啜るレン。
(食べられなくはない・・・・か。大丈夫だよね?・・普通に食べてるし)
「そう・・・・」
といって、向かい合って座ると、自分の分を食べるカイ。
(うん!!うまくいった方だな)
と、自分なりに満足する。
「・・・・・・・・」
と、何かを考え込んでいる様子のレン。
「どうしたんだ?何か、ダメなとこある?」
「・・・・・・いや、ダメってわけじゃないが・・少し薄いと思ってな」
「薄い?」
「・・・・・ああ・・自分なりに調味料を加えてもいいか?」と聞いてくるレン。
「全然いいよ。味覚は人それぞれだしね」
(調味料を入れるかどうかで、作った俺を気遣ってくれるなんて、レンはやさしい奴だな・・・・)
「・・・・・そうか」
というと、袋の中から赤い粉を取り出して、自分のお椀に・・・・・
ふりかける・ふりかける・ふりかける・ふりかける・・・・・・・・・・
「・・・・・・・・」
あっという間に、俺の鍋料理が真赤になっていた。
(え?何あれ?・・・・・やっぱり唐辛子みたいに辛いやつだよね?)
と、それを普通に啜り始めるレン。
(・・・・・・・・・・・・・・・・ハ!!もしやあれは・・俺に対する・・・・・
「何てもの食わせてくれとんじゃ・・・・・これなら・・この赤い‘何か’を食ってる方がマシじゃボケ!!」
という・・・俺へのレンなりのメッセージなのか?そうなのか・・・レン!!)
「グス」
「・・・・なぜ泣いている?」
「レン・・不味いなら不味いと言ってくれ・・わざわざそんな事をしなくても・・・言ってくれれば作り直したのに・・・・」
「・・・・???何を言っている。味が薄いといっただろう?」
「その量は、味を濃くするものじゃない!!もはや、別の料理になってるから!!」
「・・・・これはチャチンの実をすり潰したもので、少しピリッとするだけだ。食べてみるといい」
と、お椀を差し出してくる。
(え?もしかして・・・そんなに辛くないのか?)
と、半信半疑でお椀を手に取り、啜ってみる。
「!!!」
(な、何だこれは!!辛・・・いや痛い!!の、喉が・・・!!水をくれ・・い、意識が・・・)
=============== ??? ================
(あ、あれ?目の前に川がある・・・・や、やった・・これで水が・・・・
なんという幸運だろう。
これで思う存分飲めるじゃないか!!
うん??
あの向こうに見える・・・・花には・・何だか・・見覚えが・・・
・・・・・!!・・・あ、あれは・・・・・・・
============= カイ編 ============
く、っと現世で目が覚める。
「・・・・・・気がついたか?」
目の前に、レンがいる。
どうやら、レンが水を飲ませてくれたようだ。
「ああ・・危ないところだった。あの光景を見慣れていなかったら、疑いを抱かず渡っていただろう。
まさしく・・・危機一髪だった」
と、奇跡の生還の嬉しさを本心から語る。
「・・・何をいっているか・・・よく分からんが・・・よかったな」といった。
そして、自分の席に戻り‘あれ’を食べ始めるレン。
「・・・・・・レンってさ・・・・」
「・・・・・・うん?」
「すごい奴だよね」
「・・・・お前・・・絶対・・馬鹿にしてるだろ・・・」
二人の取り留めもない話で、夜は更けていく。
誤字・脱字がありましたらよろしくお願いします
アドバイス待ってます、励みになるので