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王たちの宴  作者: スギ花粉
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死闘

え~~スギ花粉です。楽しんでいただけたら幸いです。ではどうぞ~~


カメロンの檄により殺し合いが始まってから、すでに数刻。オガンは今だに闘い続けていた。


砂漠の大地には先ほどまでとは比べ物にならない程の屍が横たわっている。だが、盗賊共は一向に数が減った気配がない。


「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」


オガンの掌が盗賊の顔面にめり込み、そのまま後ろに数メートル吹っ飛ばされる。


目の前を塞いだ敵と、ぶつかった。オガンは最初にぶつかった敵に、華麗な回し蹴りをみまう。


盗賊の中を駆け抜け、4人…5人と打倒していく。今の所、切り傷は多数あるが、致命傷は受けてはいない。周りを囲んでいた何百という盗賊達が自分に集中してきた。


斬り込んできた一人を投げとばし、首に膝を沈みこませた。


「ぐぅぅぅぅ!!」


呻き声と骨の砕ける音が同時に聞こえた。ゴフっと血を吐いて絶命したが、その時すでにオガンは跳躍していた。


後ろの敵が、追いつき槍を突き出してきていたのだ。それを空中でガシっと片手でつかみ、


「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」


雄たけびと共に、掴んでいた人間族の男ごと振り回した。


「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」


槍を掴んでいた盗賊は、そのまま投げ飛ばされ他の集団にぶつかっていた。


クルクルクルクルクルっと奪った槍を高速回転させ、ビシっと構える。


体術だけでなく、武器も一通り扱えるように鍛錬はしてきいる。盗賊ごときに後れはとらん。


「うらぁぁぁ!!」「死ねーーー!!」


そこに何人もの盗賊達が斬りかかる。


キンキンキンキン……っと斬りかかる刃を柄の部分で凌ぎ、それを力づくで持ち上げ、あっという間に全員突き殺す。


「ぐ!!」「が!!「ぐぉう!!」


「はぁ…はぁ…はぁ…」


息を整えようとしたその時……ザシュっと肩を軽く斬られた。情けない!!集中力が緩慢になっている。


横から追いすがってきた敵の首を、手刀で宙に跳ね上げた。血しぶきと共に生首が地面にゴトリっと落ちる。


シュシュシュシュっとキラっと光るものが飛んできた。


「く!!」


バッと背中を丸めて地に転がり、オガンは立った。何本ものナイフが自分が今までいた所に突き刺さっている。


そしてその時、自分の周りにいつの間にか空隙が出来ているのに気付いた。


しまったっと思った瞬間、なにかが耳を掠めた。矢………次々と射こまれてくる。


ほとんどすべてを、オガンは槍で叩き落とした。だが一本だけが、膝の裏側から膝頭へと突きぬけた。


「く………うぉぉぉぉぉぉ!!」


オガンは槍を頭上に構え、盗賊共が固まっている所に踊り込んだ。遮蔽物のある所なら矢は使いにくい、敵も盾として役にたつ。


シュン!!っと槍で盗賊の一人を突きあげた、ブワっとゴブリンが紙切れのように宙を舞った。


ザシュっと足を貫かれた……だが、構わなかった。それに気をとられれば、致命傷を受けるかもしれないのだ。


その足で跳躍し、さらに一人を蹴り殺した。地に降り立った時、矢の突き立った方の膝が、折れた。


槍……背中。わかっていたが、膝をたてる間だけ、動きが遅れた。


背中を、槍が貫いてくる。肉がえぐられる感触が伝わってきた。そこから体をひねり、槍をはねあげ、槍を持っていた盗賊を突き殺した。


脇腹に、さらに剣が来た。ザクっと剣の一部が体に入り込んだ…瞬時に持っていた槍を放し、左手で直接つかみ、右手でその剣を叩き折った。


「な!!」


あまりのことに驚いた盗賊は、その顔のまま地面に叩きつけられた。そしてオガンは渾身の力で踏みつぶす。


その盗賊は叫び声すら上げるいとますらなかった。


自分はまだ立っている。オガンはそう思った。


グラっと一瞬視界が揺れた気がした。突っ込んできた盗賊が一瞬…二つに見え、三つになり、そしてひとつになった。


それでも身体が自然に動いていた。何もしないのに、頭蓋が割れた盗賊が目の前に落ちてきた、と思った。


「はぁ……はぁ……はぁ……」


かなり息が上がり始めていた、だが……自分はまだ立っている!!


オガンがさらに攻撃しようとした時、ドシン!!っという音が背後から聞こえた。


ぱっと振り向くオガン。そこで目に入ってきたのは、オ―ガ族のカメロンが巨大なこん棒で自分を薙ぎ払おうとしている姿だった。


オガンは落ちていた槍を足で上げ、脇に構える事でそれを受け止めようとした。


だが、バキっと音と共に槍が折れ、ガードもしていないオガンの脇腹にこん棒がクリーンヒットした。


メキバキゴキっという骨の折れる音と共に、オガンは数メートル吹っ飛ばされた。


ごろごろごろっと砂漠を転がったが、さっと脇を押さえながらすぐに片膝をつき立ち上がる。


それを見たカメロンは肩にこん棒をズシっと乗せて、可笑しそうに笑う。


「ゲハハハハハ!!立ち上がりやがった…俺様の一撃で死ななかった奴なんて初めてだ!!」


それをキッと睨みつけるオガン。今の攻撃で肋骨の何本かはもっていかれた。


カメロンはズシ…ズシ…っと自分に近づきながら周りを見渡し、あ~~あ~~あ~~っと漏らす。


「……恐ろしい野郎だ。いったい何人殺すつもりだ?だが、お前ももう限界だろ?金貨50枚をみすみ誰かに、渡すこた~ね~や。俺様は金のありがたさを知ってるからな!!やさしい俺様が直々にぶっ殺してやるよ。あの…………紫と同じようにな!!!」


それを聞いたオガンの表情がさっと変わる。


「き、貴様!!クライダスを…どうした!!」


「あ?殺したにきまってるだろ!!ゲハハハハ!!弱いのが悪いのよ!!強い者にへつらえ!!それがこの世の摂理だ!!」


「…………」


ゴフっと血を吐き出す。肺を…痛めたかもしれぬ。体からも血を流し過ぎた。もう……長くない。


ゆっくりと立ち上がり、ふらふらっとしながらカメロンに近づいていくオガン。


「ゲハハハハハ!!堪忍しろや!!……死ね!!」


カメロンがそのこん棒を天高く振り上げ、思いっきり振り下ろした。ゴウ!!っという風斬り音とともに、こん棒がオガンに迫る。


だが……………パシっとそれを片手で止めてしまうオガン。


「な!!」


カメロンの顔が驚愕に染まる。そして……グッグッグっとこん棒を動かそうとするが、ピクリとも動かない。


オガンはギロっとカメロンを睨みつけながら……


「どうした?力勝負がお望みではないのか?……オ―ガ族!!」


バキバキっとこん棒を握力だけで握りつぶし、パッと跳躍しもう片方の手を空中でゴキバキっと鳴らした。


そしてグワっ!!と唸りを上げた右手を、カメロンの両目に抉り込んだ。


「がゃぁぁぁっぁぁぁぁっぁぁぁ!!!」


悲痛な叫びを上げるカメロンの顔を、その血ぬられた右腕で鷲掴みにする。メキメキメキっとカメロンの顔が軋む。


「ぐ…ぎゃぁぁぁぁぁぁ!!」


カメロンはオガンの体に拳を次々に繰り出しているが……オガンにはまったく効いていないかのようだ。


「ふ~~ふ~~……許さぬ…決して許さぬ!!貴様だけは!!」


その時、オガンの後ろにいた鷹の団の盗賊が勇気を振り絞り………


「か、頭を放せ!!」


自らが持つハンマーでオガンの後頭部を強打した。ゴン!!っという鈍い音が響き、ドクドクドクっとオガンの頭から血が噴き出す。


だが、オガンの目にはカメロンしか映っていない。


「貴様なんぞに!!はぁ……あの場所を…穢させはせんぞ―――――!!」


渾身の力を振り絞り、少しずつその右手を閉じてゆく。


「がぁぁぁぁっぁぁぁぁぁぁぁっぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」


断末魔の叫びが辺り一帯に響き渡り、そして………ガシュっという音と共に、カメロンの顔面が潰れ噴水のように鮮血が飛び散った。


オガンはその場に佇み、頭上から血の雨を浴びた。ドシン!!っとカメロンの巨躯がゆっくりと倒れる


「か、頭!!」「カ、カメロンが…負けた?」「こ、殺される!!俺たち全員…」


周りを囲んでいた盗賊達は、オガンの事を命を狩りにきた死神でも見るかのように怯え始めた。


「はぁ……はぁ……はぁ……」


オガンは頭から血を流しながら、ゆっくりと一歩を踏み出そうとし、ズシャっと砂漠に膝立ちになってしまった。


荒い息を吐き、両足で立つ事すらままならないようだ。それをみた盗賊達は……


「お、おい!!」「ああ…さすがに限界なんだ」「…こ、殺せ!!今が絶好の機会だ!!」


その言葉を皮切りに、怯えていた盗賊達がオガンに殺到した。それをまるで他人事のようにぼんやりと見つめるオガン。


「はぁ……はぁ……ゴフ……我らみな……ギガンの神…の……申し子なり…」


オガンは自らの命がここで尽き果てるのだと、覚悟を決めた。


だが、その時…………


ドドドドドドドドッドドドッドドっと辺りに地鳴りのようなものが聞こえてきた。


「な、何だ?」「この地鳴りは!!」「い、いったい何が!!」


あまりの事に盗賊達の動きも一瞬止まる……そして


「ヴモモォォォォォォ!!」「ブモォォォォォォォォ!!」


小高い砂丘を超え、大量のバクーダがいきなり自分たちの方へと突っ込んできた。


「あれは………バクーダだ!!」「バクーダが逃げ出したぞ!!」「どういう事だ!!」「に、逃げろ!!踏みつぶされるぞ!!」


下り坂を駆け下りてくる自分たちのバクーダを見て、逃げ惑う盗賊達。我先にとその場を離れようとしている。


オガンは背後からくる圧迫感を感じていた。ここを急ぎ離れなければ、バクーダに踏みつぶされるだろう


だが、体がもう言う事を聞いてくれない。


それに、盗賊の手にかかるくらいなら、原型がなくなるくらいに魔物に踏みつぶされた方がましだ。


「……あなたの……申し子が…ゴフ…参ります…はぁ…その大いなる懐に…」


オガンは目を瞑り祈りの言葉を唱えた。もうバクーダが背後に迫っている。


死ぬ………そう思った時、ふわっと自分の体が急に浮いたのを感じ、いつまでも衝撃がこなかった。目を薄く開くと自分は、一匹のバクーダに乗り後ろから支えられていた。


そして、後ろから知っている声音が聞こえてきた。


「オガン族長!!しっかり掴まっていて下さい!!」


「……カイ……か?」


「喋らないで!!」


なぜ……ここに?そうオガンはそう言葉にしようとしたが、口から出てきたのは血だけだった。、カイは先頭のバクーダに乗り、オガンを抱えたまま盗賊達の間を突っ切った。


その混乱に乗じて、その場を離脱しようとしたカイだったが……


「おい!!あの野郎が逃げるぞ!!」「あいつだ!!あいつが俺たちのバクーダを!!「ぜ、絶対に逃がすな!!」「殺せ!!」「生きて帰すな!!」「殺せーーーー!!!」


比較的遠くからその様子を見ていた盗賊達は、カイが逃がしたバクーダの一頭に跨り、オガンを抱きかかえ西へと逃げていく姿をしっかりと見ていた。


すぐさま、自分の近くにバクーダを繋いでいた盗賊はカイの後を追い。さらに逃げたバクーダを宥めた何十もの盗賊達も続々と西へと向かっていった。

誤字・脱字ありましたら。感想とかぜひ下さい。マジで励みになります。

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