やっぱり
え~~前の続きみたいなものです。
楽しんでいただけたら、幸いです
鍛冶屋に行くまでの間・・・俺達は宿に泊まり、様々な事をして過ごした
朝は俺は魔法の訓練をして、昼からは買い物や・・特に文字を覚えることに必死になった
夜にはレンも帰ってくるので、どうしても分からないことは聞くことができた
(言葉は通じるのに、文字は読めないのか・・・不便だ)
市場では茶葉が売っていたので、お礼もかねてレンに振舞ってみた
どう?おいしい?と聞くと
「・・・・・お湯よりはマシだ」
といった
「・・・・・・・・・・」
(これは・・・喜んでる照れ隠しか?それとも皮肉か?どっちなんだ!!レン!!)
そんなこんなで、あっという間に時間は過ぎていく
5日後・・・俺たちはあのドワーフの所に行ってみた。
すると、驚いたことに小屋の外で待っていた。
「・・・・ほれ・・ガキが。お前の槍だ」
といって、レンに渡す。
そして俺に向き直ると、いきなり頭を下げてきた。
「・・・・すまん。何本も何本も作ってみた・・・・じゃが・・・・この鉄針ほど、力強く・弾力があるものは作れなかった。今のワシでは、これが精一杯じゃ。」
と、30本の鉄針を渡してくれる。
相当の出来だった。だが・・・・・確かに今までのよりは・・・劣る。
「・・・・ワシらドワーフは、自分以外に鍛冶の技術を教えたりせん。みんな一人で学び成長していく。ワシは220歳じゃ・・・鉄と向かい合ってきた人生といっていい。だが・・・作れない。その技術には、長年の歴史を感じる」
「・・・・・確かにこれは、師から弟子へと脈々と受け継がれているものです。1000年の年月・・失敗を繰り返して、生み出されてきました」
「・・・お前さんには、感謝しとる。まだまだ、先があることを気づかせてくれた。その頂にたどり着いてみせる」
「・・・・・あなたに、他の大きさの針も作ってほしいです」
と、大小様々な針を取り出す。
「・・・・ワシでいいのか?」
「はい。あなたがいいんです」
「そうか・・・・ありがとよ」
アイゼンブルクさんは、とっても嬉しそうに笑って握手を求めてきた
カイはその手をギュっと握る
男同士の小さな友情が生まれた感動の瞬間だった
だが、それはレンの一言で粉々に打ち砕かれる
「・・・・・・・やっぱりできなかったか」
アイゼンブルクさんは・・・・・
やっぱりって何じゃい!!
と、トンカチや桶など近くにある物を手当たりしだい投げつけてきた
俺達は逃げ出すように出発する破目になった
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