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王たちの宴  作者: スギ花粉
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部屋 盗賊王編

え~~スギ花粉です。楽しんでいただけたら幸いです。ではどうぞ~~

コソコソ…………コソコソ………魔王城の廊下を秘かに進む影がある。


メリルに置いてきぼりにされ、散々悩んだ挙句…行かない訳にもいかず潜入したカイである。


そしてメリルから受け取ったリストの切れ端を確認する。


(えっと………俺が盗むのは、魔国第一将軍リサ・ジェーミソンの櫛??てか………どの部屋か分かんないし)


う~~~んと悩む。こんな時は盗賊の感が重要だって言ってたな。


―――――――――――――何かこっちの様な気がする


そして、長い廊下をコソコソと歩き…………ピタっと一つの部屋の前で止まる。


(う~~~ん………ここのような気がする)


カイは自分の感を信じ、鍵穴に針金を入れ、ガチャガチャいじくりまわす。そして……カチャっと開いた。


練習しておいて本当によかったと思うカイである。そして、スススっと部屋へと侵入する。


(……きれいに整頓されてる部屋だな~~。まさに将軍の部屋って感じだ)


壁には大陸の地図が貼り付けられており、棚には様々な資料がきれいに纏められている。


そして、何本かの長剣が飾られている。凄い業物だ……あれにかかれば、俺なんてやわらかいチーズのように斬られてしまうだろう。


ぞっと背筋を凍らせて、ぶるぶると頭を振ってそのイメージを振り払う。


カイはガサゴソと漁る……整頓されているから、すごく探しやすい。だが……目当ての物は見つからなかった。


はずれか~~っと部屋を出ようとして………うん?っと立ち止まる。


もう一つ部屋があるのだ……なにやら、凄まじい南京錠が扉にかかっている。


「………何だ?この部屋?」


とそれに近づいていくカイ。そして耳をあててみるが、誰かがいる気配はない。


(う~~~ん……一応…調べておくか)


カチャカチャっといじくる。だが、なかなか開かない。さすがに諦めようとした時、カチャっと開いた。


何だか俺……めちゃめちゃ、うまくなってない?っと少し誇らしげである。


そしてギ~~~っと扉を開ける。


そこには………先ほどの部屋とはうってかわってメルヘンな部屋が広がっていた。


(………ここ。何か人形とか沢山あって、すごい可愛らしい部屋だ。間違っても将軍の部屋には見えなぞ?多分……8歳ぐらいの子供の部屋か。じゃあ…こっちの部屋は?)


と長剣が飾られた部屋とメルヘンな部屋はかわるがわる見る。


しばらく真剣に考えていたが………


(まぁ……いっか……こっちの部屋なら櫛ありそうだし…)


ガサゴソっとメルヘンな部屋の家具を探し回る。


すると日記らしきものを見つけた………見ちゃいけないとは思いつつ、この部屋の持ち主の情報があるかもしれないと、ペラペラっと見てみると……


{旅行……行きたかった……本当に行きたかった……旅行…}


バタンっとその日記を閉じる。


(な、何だか凄まじい…怨念を感じたぞ……)


少し怖くなりながら、物色を再開するカイ。


そして櫛を見つけ出した…………結構高そうな櫛だった。


(まぁ……これでいいよね?将軍の櫛じゃないかもしれないけど、自分にはこれで精いっぱいだよ)


そして音を立てずに、その部屋から抜け出す。すると……


ズド――ン!!ドゴ―ン!!ガシャーン!!


っと凄まじい音が響いてきた。間違っても城の中から聞こえてくる音じゃない


「な、何だ??」


カイはびっくりして扉の前で廊下の先を見る。


すると、そこをメリルが凄まじいスピードで通りすぎていった。だが、カイに気付いたのか戻ってきて、角を曲がりこっちに走ってくる


「カイ!!逃げるぞ!!化け物がいた!!」


「ば、化け物??」


とカイはメリルと合流して、一目散に走る。


「そうだ・・あれはやべー!!」


「ど、どんな化け物なの?」


「ああ・・ありゃ鬼だ!!真っ赤な赤鬼だ!!」


「赤鬼!!」


「そうだ・・俺っちでも・・・もしかしたら・・万が一・・傷を負うかもしれない程の鬼よ。きっと他の盗賊共もあれに喰われたんだ!!」


さ~~っと血の気の引いたカイは、もの凄いスピードで逃げる。怖くて振り向けない。


「逃げろ!!追ってきやがった!!走れ走れーー!!!」


メリルが大声を張り上げる。


途中で5人ほどの兵士が道をふさいできたが、カイとメリルの敵ではなかった。あっという間に戦闘不能にさせられてしまう。


「へ、陛…ぐ!!」


と自分を見て一瞬動きを止めた所に、凄まじい肘鉄をくりだし、隊長らしき兵士も崩れ落ちていった。


魔王城を飛び出し、中庭を突っ切ると二人は、すばやく鉤づめのついた縄を投げて城壁を登り始める。


スルスルっと登り、城壁の上に着いた瞬間……


「チ…ダメだ!!追いつかれちまう!!カイ…おりゃ!!」


っと掛け声と共に、メリルが城壁の上からカイを……………突き飛ばした


「え??」


ふわっと宙に浮き、ゆっくりとメリルを見るカイ。すべてがスローモーションのように、感じられた。


そして……………


「ここは俺っちに任せて先に行け!!」


「あぁぁぁっぁぁぁぁぁっぁぁぁぁっぁぁ!!」


あまりの事に絶叫しながら落ちていくカイ。カイの無事も確認もせずに中庭へと飛びおりるメリル。


「カイ…俺っちの事は心配するな。子分を守るのは親分の役目だ…キキキキ」


ぱっと着地する。そこに赤い槍を持ち、顔を半分マスクで隠している深紅の髪をした奴が出てくる。


「・・・・・・」


その人物は黙って、こちらを見ている


「おうおうおう……赤鬼め!!運が悪かったな…俺っちは砂漠の女盗賊メリルだ!!お前の運はもう尽きた!!」


「・・・・・・」


「俺っちが退治してやるぜ!!」


「・・・・お前」


「うん?」


「・・・・今・・俺の事を赤鬼っていったか?」


プルプルっとあまりの怒りに震えている。


「おう!!言ったとも!!」


それを聞き、その人物はさらにメラメラっと闘気を放ち始める


「…………鬼………くくくくく。ああ…思い出してしまったぞ。不愉快だ…手加減ができそうにない!!」


「おう!!手加減何かしない方がいいぞ!!あっという間に、お前負けちまうからな」


キンっと半月刀を鞘から出すメリル。


と半月刀に魔力を込めていく。黒いオーラが纏う。


赤鬼も、槍に魔力を込めると、赤い槍がさらに赤いオーラを纏う。


「……………殺す!!」


「やってみな!!」


と二人は激突した。

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