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王たちの宴  作者: スギ花粉
105/200

誰だ 盗賊王編

……ひどく………熱い……頭が割れるように痛い


喉が渇く…………水が欲しい


「・…・………水…………を」


「ほいよ」


と口にお椀をあてられる。それをごくごくと飲み干す


「・・・あり・・・がとう」


「いいってことよ」


そのまま………俺は深い眠りに落ちていった




============    ===============




眩しい光が、チカチカと目に入る


「う、うん?」


そして、ゆっくりと目を開く


最初に目に飛び込んできたのは岩だった。むくっと起き上がる。


そこはまるで洞窟のようだ…けどベットもあるし、家具もある。


「・・・・・・・・・・・」


しばらく……ぼ~~と辺りを見渡す


さらに起き上がろうとして・・・ギン!!・・・と何かに引っ張られた


そして気付く……自分の腕に太い鎖がついているのだ


「…これは?」


ギン…ギン…と引っ張ってみる。ある一定の長さがあり、部屋の中を歩けるようにはなっているらしい。


その時、扉がパンっと開く。


「おう!!起きたか?」


と、ずんずんと一人の女性が近づいてくる。


褐色の肌に、長い黒髪を後ろで縛りポニーテールのようにしている。


そして……自分の額に手をあててくる。


「う~~~ん……うん!!熱は下がったようだな」


「・・・・・・・・」


(この人は……誰だろ?)


自分は黙ってその人物を見つめていたが…


「おいおい……命の恩人にお礼はねーーのかよ!!」と言われた


「え?命の・・・・恩人?」


「そうともさ!!俺っちが病気で苦しんでるお前に、水とか飲ませてたんだ・・つまり俺っちが助けたんだ!!」


さらにズイッと自分に顔を近づけてくる女性。俺は咄嗟に少しだけ後ろに体を反らす


「あ、ありがとう」


「どういたしまして・・・キキキキキ」


と可笑しそうに笑っている。すごくきれいな人だ。特に笑顔がよく似合う


「それで…あの……あなたは誰なんですか?」


「うん?ハァーー…一回言ったじゃね~~か~。俺っちは砂漠の女盗賊……メリルってんだよ!!」


「……メリル……え?聞いた?」


「そうさ!!まったく忘れちまうなんて馬鹿なんだな」


と馬鹿にしたように怒られた。どこでだろうか………まったく思いだせない


「………あの~~メリルさん?」


「メリルでいいぞ。さんづけなんて気持ち悪い」


「………………じゃあ…メリル?この鎖、何?」


と自分の腕に巻きついている太い鎖を指さす


「うん?……それは逃がさないようにだよ。お前は俺っちの召使いだからな」


「は?召使い?」


まったく状況が理解できずに、頭の上にクエスチョンマークを浮かべる


「そうさ。お前は瀕死の病気だった…それを俺っちが発見した…そして水を飲まして直した。だから俺っちはお前の命の恩人だ。つまり、お前は俺っちのために生きないといけない!!だから、召使いだ!!俺っちは家事とか嫌いなんだ…だから全部お前がやるんだぞ!!」


と自分の方を指さす


(な、何か理不尽な要求をされてるような気がする)


そんなカイをよそにメリルと名乗ったその女性は、何かを思い出したかのようにポンっと手を叩く。


「そうだ!!お前…名前は?」


「え?知らないの?」


「俺っちが、知ってるわけないだろ?おいおい何言ってんだよ」


やれやれと呆れたように両手を上げるメリル


(い、いや…一度会ってるんだよね?)


何だか会話がかみ合ってないような気がしながら、口を開けて喋ろうとして、ピタッと一瞬だけ止まる。


そして・・・・・・・・・・・・・・


「―――――――――――――俺は―――――――――――――――――カイだ」


と言った


「そうか!!カイか…ふ~~~ん。どっかで聞いた名前だな?」


「・・・・・・」


「なぁ…腹減ってるか?」


するとぐ~~っと自分のお腹が鳴った。それを聞き可笑しそうに笑うメリル


「キキキキ…体は正直だな!!まぁ・・病み上がりだし。仕事とかは明日からでいいぞ。ちょっと待ってろ…なんか食べ物持ってきてやるからな!!」


バッとベットから華麗に飛びおりると、メリルはバタバタと部屋から出て行った


その扉の方をじっと見つめているカイ


そして――――――――――次に自分の右手を頭にもってくる




「そうだ――――――――――――――俺は――――――――――――カイだ


 


             


 カイとは――――――――――――――――――――――――――誰だ?」


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