プロローグ
初めての投稿になります。
温かく見守って下さい。
「あ~~~疲れた~~」
さすがに、海外からのトンボ帰りは骨がおれる。もう動きたくたい、家で惰眠を貪りたい。
だが、そんなことは許されない。なぜなら、今日は幼馴染との鍛練の日だからだ。
・・・・帰りたい衝動が半端ない。けど行かなければ、あいつは本気で怒る。いったい何度殺されかけてたかわからない。
過去、幾度となく見た桃源郷を思い浮かべる・・・・何度あの誘惑に落ちそうになったことか。
「ハァーーー」深いため息をひとつ。
俺の名前は了山楷、170センチと、普通の一般男性と同じくらいの身長、黒眼、黒髪のどこにでもいるような典型的な日本人だ。
そんな俺が今向かっているのは、水月道場。
日本最古の道場であり、武術の最高峰といわれているところだ。
そして・・・・・・・俺の幼馴染の実家でもある。
長い長い階段を登って行き、一際高いところにその道場はそびえたっている。
自慢じゃないが、俺の幼馴染はすごい奴だ。
何がすごいって?まずは剣術の天才だ。水月流剣術の師範代に、最年少の若さで登りつめた逸材だ。
生まれる時代を間違えたとさえ言われている。
そして本当~~~に憎たらしいことに頭もいい。
文武両道が持ち味の水月流において、どちらかに偏ることは許さん!!なのだそうだ。
全国模試で、10位以内に名前が無いことなどありえない。
え?俺? 馬鹿にしてもらっては困る。俺だってそこまで、勉強ができない訳じゃない。しっかりと、30位以内には食い込んでいる。
・・・・・・・・・クラスで・・・だが。
同性からも好かれるタイプで友達も多い。
そして何より、正義感がすごい。悪を許さず、敵と認識したらトコトン・・・・・いや・・・・完膚無きまで・・・・いや・・・・9割屍とかすまで容赦しないタイプの人間だ。
俺もあいつを敵に回して生き残れる自信がない。
助けてやったりもしたさ・・・・・もちろんボランティアだ!!
手伝わなかったら、殺されることをボランティアいえるのか・・・甚だ疑問のある所だが・・・・
そんなことを考えていると、あっという間に道場の入り口についた。
(着いてしまった・・・・・。嫌だ・・・・・・。なぜ、負けると分かりきっているのに向かわなきゃならんのだ)
改めて、実感がわいてくる。ハハハ・・・・ワーオ・・・・ラララララーーーー
(は!・・・イケナイイケナイ。また精神の逃避を実行してしまっていた)
ガラガラっと、戸をあける。
「失礼しま・・・・・」
言葉がつまった。
目を疑った。
俺の幼馴染が日本刀を持って・・・・・・2メートルはあろうかというピエロの化け物と闘っていた。
「・・・・・・・・・」
ガラガラ、ピシャ。すばやく、戸を閉める。
俺は両指で、目をゆっくりと揉む。
疲れてんだよ・・・・・・・・
だって昨日はアフガニスタンにいたんだ。そっから帰ったばっかだしな・・・・・・
そうか!!これが噂に聞く、時差ボケか・・・・・・・・幻覚が見えるんだな・・・・・・・・
うんうん、と一人納得する。
パンパンと、頬を手でひっぱたく。
よしっと、気合を入れる。幻覚に負けるな!! 俺!!
ガラガラ・・・・・・・戸をあけると。
幼馴染がピエロの化け物を足蹴にして、佇んでいた。
「それはねーだろ!!」
あまりのことに、ツッコミを入れずにはいられなかった。
「おう、カイ。遅かったじゃないか?待ちくたびれたぞ」
普通に挨拶をするコイツ。俺がおかしいのであろうか?いや、おかしくない。踏ん張れ常識人俺。
こんな状況でも、しっかりと礼を忘れずに道場に入る。そして、ずんずん進んでいく。
「何なんだよ!!このピエロみたいな化け物は!!」
「知らん。急に現われて、いきなり襲ってきた。だから、倒させてもらった。そんなことより、鍛練を始めよう。久々だから、腕がなる。」
若干ウキウキしながら、道場の中心へ向かってしまう。
「・・・・・・・」
え?何この落着き?本当はただのバカなんじゃなかろうか?
仕方ないので、俺が調べることになる。
俺はおそるおそる、ピエロに近づいてみる。
機械・・・・・じゃなさそうだ。軍事大国の新兵器かとも思ったが。
と・・・・・、ピエロが急に青白く光り始めた。
危険を感じ、バッと、道場の壁際へと、一瞬にして飛ぶ俺。
「やば、逃げるぞ・・・か・・」と、そこまで言った瞬間。
体が浮遊感を覚える。
吸い込まれるような・・・・おかしな感じだ。
すさまじい衝撃が体を襲う。
そこで・・・俺の意識が途切れた。
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「・・・イ・・・・・カ・・・・・イ・・・・・・・カイ」
(ああ、誰かが俺を呼んでいる・・・ここは・・・・天国か・・そしてこれは天使の声・・・・)
「せい!!」
そんな事を考えていると、ストマックに凄まじい一撃が放たれる。
「ぐ!!」
あまりの痛さに、悶絶し、転がりまわる俺。
そして、一瞬で理解する。
(・・・ここは、天国じゃない。リアルという名の・・・地獄だ)
そして、悪魔が俺に話しかけてくる。
「カイ、無事か?」
「・・・・今ので無事じゃなくなった」
痛てて、と道場の床から何とか上体を起こす。
「よかった。なかなか起きないから、心配したぞ」
「・・・・なるほど。お前は心配している相手には、踵落としをするのか・・・・」
あまりにも時代をさきどりしすぎている・・・・・原始人が現代人に遭遇したら、今の俺の驚きを理解してくれるだろう。
そんな訳の分からないことを、考えていると。
道場の入り口から鎧に身を包んだ集団が流れ込んでくる。警戒心をむき出しに。
瞬時に離れ、謎の鎧との距離をとり、いつでも戦えるように構える俺達。
すると、その集団の真ん中から一人のブロンドの髪をした美少女が現れる。
まったく、状況がつかめず混乱する俺たちに向かってこう云った。
「お待ちしておりました。勇者様」
アドバイスあったら、送って下さ