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勇者を救う人間の物語  作者: 木本 泰士
1/1

序章 祠で目覚めて

この漫画はフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。

   

 ーーーーー目が覚める。否。体はすでに起き上がって居たのだから”起きる”だろうか.......?まあそんなことはどうでもいい。何日、何年経ったか分からないほど久しぶりの目覚め。そのためだろうか。起き上がれたものの、立とうとするのは、力が入らなくて難しかった。


「ーーーーーーーーー.............あァ、ッ........」


少女らしい華奢な腕で、つるが茂る石壁を押しながら、ゆっくりとその重い腰を上げて立ち上がる。その時に、壁に開いたわずかな穴から光が目に入り、目を灼かれたかのように呻いてしまった。

その時に軽く目から涙が流れたようだ。頬を流れる涙が熱い。

ああ。でも光が眩しかったということの他に、もう一つ理由があった。


それは、ーーーーー悲しかったのだ。


「ーーーーーなんで、.....そんな......ァ......!」


変わり果てた世界に対し、言葉を紡ごうとしたが、途中で失敗した。

空虚な肉体(うつわ)から(かなしみ)がこぼれ続ける。心の底から悲しみが溢れ、嗚咽が止まらない。見たくもなかったものが目に焼き付いて離れない。


 ーーーーー小さな洞窟から見える、村々が燃える光景を。


ソレをしっかりと認識してからは、ひたすら泣いていた。

或いは、耐えきれずに嘔吐して、ただ喚いていた。

しばらく経ってある程度泣き喚くのが止んだ頃、ポツリと小さな口を開く。


「ーーーーーなんで?...........なんで!()()私が!!!」


世界(だれか)を呪うように叫ぶ。握りしめていた手からは、赤黒く光る血が指と手の平から流れていた。ーーーーーそして、少女が泣くその光景を眺めるかのように、洞窟の奥で、一筋の(つるぎ)が輝いていた。


ーーーーー少女を祝福する(のろう)ように。または、助けてと叫ぶ人々(あくま)を表現するように。






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