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アストライオスの風  作者: 高輪せら
髑髏の森
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夜明け

洞窟の外に出たレミアとトファは、ベグダが同じように洞穴から出てくるのを待っていた。

初めてのことではないのだろう、岩の上に座っているレミアは落ち着いた様子で白んでいく東の空を眺めていた。

月明かりに女性と見間違えたレミアの容姿は、朝日の下でさえ男性だと納得するには及ばない。

そんなレミアの隣で、トファは落ち着かなかった。

命を狙われるのは生まれて初めてのことだった。

剣の使い方は軍医をしていたという父に習い鍛錬は続けたが実戦は無く、もちろん命のやり取りも皆無だ。

洞窟の中では命がけの戦いが行われている。

いや、静かになって暫く経つ。既に戦いは終わっているのかもしれなかった。

ベグダは大丈夫なのかトファは心配だった。

数刻置きに繰り返していた言葉を、トファは今度は独り言のように呟いた。

「ベグダは本当に大丈夫なんだろうか……」

国一番の剣の使い手だったというベグダ、レミアはまた、同じような内容を言うのかと思いきや、意外な答えが返ってきた。

「戻ろう。遅すぎる」

颯爽と洞穴へと入っていくレミアを、トファは待っていたように後に続いた。


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