ペンギン三兄弟 〜 10話 ペンギン技発見! の巻
ペンギン三兄弟、チャン、ドン、ゴン。
今日も仲良く暮らしています。
ゴン「ねえ、ドン。今日の夕飯なに?」
ドン「メザシとね、うどんにしよっかな」
ゴン「えー、それだけ?」
チャン「ちょっとさみしくない?」
ドン「メザシが安かったから、いっぱい買ったんだ。1羽あたり20匹は食べられるよ」
ゴン「量で勝負か。しょーがないな」
チャン「メザシうまいしね」
ドン「あとね、はい、これあっためて」
ドンは、チャンとゴンに卵をひとつずつ渡しました。
チャン「どうするの?これ」
ドン「こうやって、足の上に置いて、おなかであっためて」
チャンとゴンは、ドンに言われたとおりに
足の上に卵をのせて、おなかの毛で包み込むようにしました。
チャン「変な感じだけど、なんか落ちつく」
ゴン「ちょっと卵小さくない?つぶしそう」
ドン「じっとしてればつぶれないよ。じゃあ夕飯までこの体勢キープね」
チャン「えー?じっとしてるの?」
ゴン「やっぱ、つぶしそうなんだけど」
ドン「なにごとも練習だから」
チャン「なんの練習だよ」
ドン「それは夕飯までのおたのしみ!」
3羽は、部屋の中で、
それぞれ卵をお腹に抱えて、じっと立っていました。
カチカチカチ....
それから3時間ほどが経ちました。
ドン「そろそろいいかなー」
ドンは、キッチンへ移動して
大量のメザシを焼き、うどんを作りました。
ドン「ほら、みんな起きて。支度できたから食べよ」
チャンとドンは、立ったまま眠りこけていました。
チャン「おお、もう夕飯か」
ゴン「はらへったー」
ドン「じゃあみんな、さっきの卵を出して」
チャンとゴンは、おなかの下から卵を取り出しました。
ドン「いい、見ててね」
ドンは、おなかで温めた卵のカラをむいて
うどんの上に、ポンとのせました。
なんと、うどんの上には、きれいな温泉たまごがのっかって、ぷるんぷるんと揺れていました。
チャン「すげー」
ゴン「うまそー」
チャンとゴンも、さっそく卵のカラをむいて
うどんの上にポンと中身を出しました。
3つのうどんの上には、それぞれきれいな温泉たまごが黄金色に光っています。
チャン「なんか感動!」
ゴン「うまく育ってくれた感じがするなあ」
ドン「でしょー、自力で温泉たまご作るって感動するでしょ」
チャン「エコだしね」
ゴン「これ、いつ思いついたの?すごいね、ドン」
ドン「ペンギンの実録映画でね、みんな卵あっためてたんだ。それ観ててふと思いついた」
それから、3羽は、うまいうまいと言いながら
メザシとうどんを平らげたのでした。
新しいペンギン技だね!
おわり