第六話 ※
説明回です。
今の時間は、日の傾きから考えて夕暮れ前、日本的には15時ぐらいだろうか。
俺は街に向かって森の中を歩き続けた。一応バールを取り出して、軽く警戒しながら歩いた。
歩きながら、もらったアイテムと、情報を整理しよう。
袋の中には、
アンブロシア3つ
金貨10枚
銀貨30枚と
上薬草
ミスリル鉱石
光苔
セイントマッシュ
夜光草
エルダートレントの木材
聖水晶の粉末
が、たくさん入っていた。
何に使うかは、さっぱりわからない。
ミスリルは、ゲームとかに出てくる武器とかの素材だよな?
これを使えばやっと俺にも剣が出来るんじゃないかと期待してる。
情報は、知りたいことがかなり知れた。
まず、俺は魔力が高いらしい。ユリアやコニーほどではないが、かなり多いと言われた。まあ、まだレベル3だし、ユリアとコニーには当然届かないだろう。
高位の魔法使いは、大体相手の魔力を感じ取れるみたいだ。
生活魔法の種火を魔力を込めて発火させたら、ものすごくびっくりされた。そんな生活魔法は見たことないそうだ。
そうそう、体の中を動く魔力のようなものは、魔力だと教わった。魔力の操作も実はかなり難しいみたいだ。ユリアも出来るけど、出来ない人がほとんどらしい。
あと鍛えれば魔力以外のステータスもレベルと関係なく伸びるらしいが、自分のステータスを確認できる人はほとんどいないので、ステータスを気にしてる人は少ないらしい。
日本のように、力がある人は筋肉粒々とかそういうので判別するみたい。
それと魔法の詠唱だが、実はある程度の魔法使いなら詠唱なしはみんな出来るんだそうだ。ただ詠唱すると、魔法の威力は1.5倍ほどにあがり、魔力消費量も減るらしい。ただ単純に魔法発動時に魔法の名前を言葉にして発するだけでも、多少威力は上がるんだそうだ。
じゃあ俺の詠唱破棄は?と鑑定してみると、詠唱破棄でも威力が落ちない効果だと出た。
生活魔法の種火と、火魔法との違いも聞いてみた。
種火で俺みたいな高火力なんて普通は出来ないし、そもそも武器として魔法を使うなら火魔法を修行するので、火魔法の代用として使う人は皆無だと言われた。一番の大きな違いは、生活魔法は着火点が自分の手や身近からしか出せない。
火魔法は、遠距離の地点を着火点に出来る。これが一番大きな違いだ。
そりゃそうだ、竜巻みたいな魔法、例えばいわゆるファイアーストームみたいな魔法が自分の手からしか出ないなら、発動した瞬間全身大火傷である。
その他の属性の魔法と生活魔法の違いも同じ様なものだった。
魔法の属性は、火水風土光闇の6こが基本で、空間魔法、付与魔法、回復魔法がレア物で、それ以外はあるかもしれないが伝説クラスに見かけないと言う話だった。来栖の神聖魔法もたぶん勇者専用だな。俺の召喚も、もしかしたら専用か?。
鑑定もごくわずかにいるらしい。鑑定と簡易鑑定があって、ほとんどの人が簡易鑑定なので、簡易鑑定を鑑定と言ってるらしい。簡易鑑定は、名前、年齢、職業ぐらいしか見えないみたいだ。魔物に対する簡易鑑定は、ランクとレベルが見えるみたいだから、同じたな。
アイテムボックスは、ほぼ異邦人限定みたいだが、空間魔法でも同じことが出来るので、アイテムボックスを見せたら空間魔法持ちだと思われるだけみたい。違いはアイテムボックスは容量無限。空間魔法は、容量は魔力次第。ボックス内の時間の流れがないのと、生物が入らないのは共通事項とのことだ。
あ、そうそう、異邦人はこの世界に現在6人いるらしい。来栖が来るときに言われたそうだ。
俺が来たから7人になったってことか。
来栖たちは一人だけ出会ったみたいだが、なんかコニー関係で揉めたみたいだ。ユリアはすごーく嫌な奴と言っていた。コニーを奴隷にしようとしてたのを来栖が救ったとかなんとか言ってたが、興味がないから流して聞いていた。
奴隷は、犯罪奴隷と借金奴隷がいるらしい。
犯罪奴隷は、盗みや殺人など犯罪の重さに比例して扱いがひどくなるみたいだ。あと犯罪奴隷になると、解放には国の許可がないと出来ない。借金奴隷は、解放は奴隷購入者が自由に出来るが、奴隷で居れば衣食住が保証されるので、良い購入者に当たれば奴隷のままでいいって奴隷もいるそうだ。
ただ、購入者のあたりはずれは結構あるらしく、はずれを引くと悲惨みたいだ。奴隷を殺すのは普通に犯罪なので、殺されはしないが殺されないだけのようなものらしい。それ以外でも奴隷としての蔑みなどもあるみたいだから、女神が言っていたことよりは危ない感じではある。
人種は、多種いるそうだ。
人間、さまざまな獣人、エルフ、ダークエルフ、ドワーフ、ノームなどだ。個人的にこの種族が嫌いとかはあるみたいだが、どの種族も街に入っただけで殺されるとか、そこまではないらしい。ダークエルフだけがその中でもちょっと風当たりが強く、困った事になりやすいとのこと。
獣人は、ほぼ人間に耳や尻尾がついたような獣人から、獣が二足歩行しているようなのまで色々いるが、全て獣人として扱いをうけてるらしい。
エルフとダークエルフの違いは肌の色と女性の胸だそうだ。
エルフは、透き通るような白い肌で胸は大抵ペッタンこ。ダークエルフは褐色の小麦色の肌に大抵でかいらしい。この話をしてるときにユリアは苦々しい顔をしていた。
ちなみに、ダークエルフは魔族とかじゃない。魔族は他にいるんだそうだ。色んな形状の魔族がいるらしいが、今まで発見された魔族の特徴として共通なものは、濃い紫色の髪に頭に角が生えているとのこと。
ここからは箇条書きで
・この世界は地球と似てる、太陽は太陽、月もあるし、重力もある。海もある。だがまだ未開の地もあるそうだ。海を比較的安全に航海できる造船技術がないらしい。
・この大陸には国が5つ。大陸の北の方には、土地を分断するように大きな深い亀裂があり、その亀裂の向こうの土地には強い魔物がいて、魔族もそこにいると考えられてる。
・今いる国はグランダスト王国、向かっている街はこの国では中堅の都市で、学術の街エスカード。
・冒険者は大量にいるが、入れ替わりが激しい。
・冒険者ギルドは国の境がなくひとつの組織。あと神殿も。
・フィールドにいる魔物は、初級から中級初期程度。
・ダンジョンにいる魔物は総じて強い。この世界で確認されているダンジョンは5個ある。この国には2個。踏破されたダンジョンは記録にはない。
・盗賊はいる。出会ったらほとんど命のやり取りしかないらしい。盗賊を捕まえて、衛兵に渡せば盗賊は犯罪奴隷となり、生きては生けないほどの過酷な重労働が待ってるので、盗賊の方も生きるか今ここで死ぬかぐらいの戦闘になるらしい。来栖も異世界に来て、盗賊を殺すことで殺人も経験したと。
森を抜けていた。夕暮れに差し掛かろうとする日射しの中、そのまま街に向かっていた。街が見えてきて、さらに歩きすすめると、街の門が大きく見えて来た。並んでるみたいだ。
俺は最後尾に並んだ。